タカの森11
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川沿いを歩いていくと、大きな木が折れて落ちていたので2人で移動させていました。
ミミ「葉っぱを片付けてー土をならしてー」
謎の歌を口ずさみながら、楽しそうに森をキレイにするミミを見て、フミスケも心がポカポカしました。
ミミ「あっちでなんか木が倒れてるよ」
フミスケ「奥の森の方?」
ミミ「そうそう、ほら」
フミスケ「本当だっはいよー」
フミスケは強めの風を描きました。
ブォォォッ
吹き抜ける風に、落ちていた枝や葉っぱ、小さな石が次々と転がり、巻き上げられながら隅へ隅へと集まっていきます。
やがて地面はみるみるうちに片付き、一か所に積み重なっていきました。しかし倒れている木は動かずにそのままでした。
フミスケ「あれ?木が動かない」
ミミは倒れている木に駆けよりました。
ミミ「えいっ!いてっ…これ木じゃないよ」
フミスケ「…見せてみて」
フミスケは緑の苔がついた木に触れてみました。
フミスケ「ん?…木じゃないね、石だね」
ミミ「…本当だー石だー長細石だ」
フミスケ「…」
フミスケは辺りを見渡しました。
フミスケ「見てっミミ!森の中に石がいっぱいあるよ」
ミミ「苔がすごいっ!石の階段あるよ」
フミスケ「!上に大きい石あるね」
ミミ「…なんだろ?」
ミミは階段へ足を踏み入れます。
その瞬間
一滴の雫がゆっくりと水面へ落ち、
静かな波紋が広がる音が聞こえました…
ミミ「ふっ…!」
呼吸の半分ほどの時間…
木々を揺らしていた風が止まり、鳥のさえずりも、虫の羽音も、葉擦れの音も、呼吸ひとつ分の間だけ、世界から音が消えました。
まるで訪れた者を見定めるように。
ミミ「…!ふー」
残り半分の呼吸とともに、風は静かに流れ始めました。
けれど、さっきまでとは何かが違います。
空気はひんやりと澄み、肌をなでる冷たさの奥に、言葉では説明できない張りつめた気配が漂っていました。
ミミは思わず息をのみ、自然と階段から離れ、階段の中央をあけました。
もう一度、
一滴の水が落ちる音が、
静寂の中に澄み切って響きました。
ミミは音のする方へ視線を向けると、そこには苔に覆われた石の階段があります。
そして、その先には大きな石が静かにたたずんでいます。
「いつか…」
「…冒険に行こうな…」
「………」
フミスケ「××××のっ」
ミミ「!!」
フミスケ「ミミっどうしたのっ」
ミミ「…なんか…近づいたらいけない…」
フミスケ「?」
ミミ「うまく言えないけど…涙がでる」
フミスケ「なに?なにかいるの?」
ミミ「聞こえないの?」
フミスケ「なにも!」
大きな石は苔をまとい、風雨と共に何百年も過ごしてきた。
その姿は、ただそこにあるだけで圧倒的な存在感を放ち、近づく者を静かに見つめ返しているようでした。
フミスケは警戒します。
フミスケ「……」
ミミはフミスケの手を取りました。
フミスケ「!…どうする?」
ミミ「胸が熱くてじわーってする」
フミスケ「危険?」
ミミ「危険はないよ、この涙も嬉し涙に近い」
フミスケ「嬉しいの?」
ミミ「なんだろう、言葉にできないけど、ここに来て良かった」
2人は深く一礼して、その場を離れました。
この階段の出来事は2人だけの秘密にしました。
世界は不思議な事で溢れています。
世界は嫌な事よりも、楽しくて不思議な事のほうが多い。
生きていると探せるし、生きてると面白い。
2人の冒険は続きます。




