フミスケ外伝⑦フミスケ誕生編2
【ニュース速報】
翠泉神社一帯、爆発により壊滅。
本日未明、神社付近で大規模な爆発が発生しました。
爆発の規模は極めて大きく、
神社の建物だけでなく、周囲の森や参道、境内に至るまで広範囲が消失。
現場には、建物の残骸すらほとんど残されておらず、
神社一帯は跡形もない状態となっています。
現在、詳しい被害状況の確認が進められています…
♢♢♢某ホテル会議室♢♢♢
黒服「はいっ確認します…現場へ向かいます」
神主「どうかされました」
黒服「携帯を」
黒服は静かに携帯を見せました。
神主「…これ…」
黒服「馬の生存確認命令が下りました。急ぎ戻ります。」
神主「わた、わたしも行きます」
黒服「…はい、急ぎましょう」
♢♢♢神社付近♢♢♢
神主は、瓦礫の街に立っていた。
そこに街があったとは、もう思えない。
崩れた家々。
砕けた石。
折れた柱。
焼け焦げた木々。
あたり一面を覆う瓦礫は、夕日に照らされて赤黒く染まり、空には濃い灰色の煙が漂っていた。
その隙間から差し込む夕日の光だけが、瓦礫の山を不気味に照らしていた。
バチっバチ
時折、遠くで焼け残った木が弾ける音が聞こえた。
神主は立ち尽くしていました。
目の前には、かつて人々が行き交っていた道がある。
その先には、神社があった。
歩みを進めると…
今は、ない。
鳥居も…
社殿も…
木々も…
石灯籠も…
ただ倒壊している石の鳥居と、奥に残った石階段だけが、神社であった痕跡だった。
ただ、呆然と立ち尽くしていた。
唇がわずかに震える。
「……ふみ…すけ」
その声は、あまりにも小さかった。
♢♢♢
♦︎神主が残した石♦︎
長い石階段の上に置かれた石
石には、名前が刻まれていた。
雨が降ると石から、石階段を下り大地へと染み込んでいく。
その水は土の中を巡り、
やがて神社の隣りを流れる川へと辿り着く。
水は、どこから流れても、
巡り巡って、また海で一つになる。
いつか必ず巡り合う…
きっと巡り合う….
雨が降るたび…
水が流れるたび…
♢♢♢
大きく崩れた石柱は風化しながら苔が生えて、周りの森と同じ景色になっていく。
地面に横たわる木は年月と共に土に還る。
石にも苔が生え、周りには草が伸びる。
黒ずんだ苔は石の表面を覆い、深く刻まれた名前を静かに覆っている。
そこに刻まれていた名前さえも、
長い年月の中で風雨に削られて、
もう文字はほとんど読めない…
静かに自然へと還っていく…
♢♢♢
深い森には青々とした木々に光が差し込み、湿った土や苔、若葉が混ざり合った、清々しく豊かな森の香りが漂っています。
「!上に大きい石あるね」
「…なんだろ?」
いつかきっと…




