雲の世界⑦
♢♢♢雲山ふもと♢♢♢
静かな夜空の下、
座り込んで全身が青く輝いているミミ。
ミミ「…助けてー…フミスケ助けてー…誰か、誰かモグさんを助けてー…お願いっお願いっあああああっ誰か助けてーー」
ミミの声が月明かりの中、夜空に響きます。
世界が一瞬、静かに息を止めました。
雲の上に浮かぶ月が、やさしく光を強め、
その光が細い糸のように降ってきました。
音はなく、ミミの胸の奥があたたかくなりました。
月は言葉を使わない。
でも、その光にふれるとわかります。
「いいよ、助けてあげる」
次の瞬間、ミミの体の光は青色と銀色に輝き、体のまわりに淡い銀色の糸が広がります。
雲も水も、月の光に従いはじめました。
ミミが放つ銀色の糸に雲がふれた瞬間に、
音もなく、速さもなく、静かに、
雲は自分の形を忘れたようにほどけていきます。
水は重力を忘れ、月に向けて自然に向きを変えました。
引き寄せられているのではなく。
従わされているのでもない。
生まれた時から、当たり前だったかのように、大量の雲は空に浮かび水に変わっていきます。
空に向けて水が流れ、滝になって空に広がりました。
そして月の糸が進む道をそっとあけていました。
静かに雲が空に舞い月の糸の先には、モグさんが倒れていました。
月の糸はモグさんへ触れました。
モグさんの体は銀色に輝きます。
ミミはゆっくり近づきました。
「もう大丈夫よ」
ミミ「モグさん大丈夫?」
モグ「あれ?ミミ…あれ?痛くない…なんで?…あっ要救助者は…」
ミミ「安全なとこにいるよ、助かったよ」
モグ「よかった…おれは…ミミが助けてくれたの」
ミミ「月が助けてくれたの」
モグ「ふふふ…そっか…ミミの瞳の真ん中に満月映ってるよ」
ミミ「月さん…ありがとう」
「よかったね、ミミっ」
♦︎月の加護♦︎
月に願い、月に許され、月とともに魔法を使います。
月は、神様でさえその正体を知らない。
名前も、始まりも、終わりもない。
雲の国が生まれる前から、
海が形を持つ前から、
月はすでに夜に浮かんでいました。
それは支配でも、導く存在でもない。
ただ、そこに在り続けるもの。
月魔法は、ミミの魔法と月さんの魔法が創った魔法なのですべてが謎
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