雲の世界⑤
ゴゴゴゴゴゴ
雲山の奥から、低く重たい音が生まれています。
モグ「フゥー胸に響く嫌な音だね」
モグさんは雲が煙になっている所まで降りました。
モグ「もう少し下か…おーいっ雲崩れが起きるぞー」
モグさんは降りながら大声で呼びかけました。
モグ「誰もいないかー雲崩れが起きるぞー!誰かいるかー!大丈夫かぁーーー崩れるぞー!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
モグ「…誰もいないか、よかった…さて帰」
「…助けて…」
ミミ「モグさんっあそこにっ」
モグ「ミミっ!」
その瞬間、
ズズズズ……
山雲が一気に動き出しました。
空気が押し出され、風がうなり声をあげます。
次の瞬間!!
ゴォォォォォォッゴゴゴ
雲山そのものが崩れ落ち、全てを飲み込む轟音がしました。
ゴゴゴゴゴゴっ
動き出した雲は、もう止まりません。
ドォォンゴゴゴッドゴォンッゴゴゴゴゴゴ!
轟音は山肌をなぞりながら大きくなり、
雲のかたまりがぶつかり合って、重なっていきました。
雲山のふもとへ向かうにつれ、速さが増していきます、
空気が押しつぶされ、ブワッと白い風が先に走ります。
ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
地面を覆う雲は大きく波打ち、白い大地そのものが激しくうねり始めます。
ズズズズズズズッ……!!
ガガガガガガガッ!!
近くの雲山は縦に激しく揺れ、山肌から雲崩れがはじけ飛び、轟音が辺り一帯に響き渡りました。
ゴゴゴゴゴ……
ググググググ……
ドドドドドドドッ!!
幾重にも重なった轟音は、巨大な獣が腹の底から唸るような低いうなり声へと変わり、大地も空気も震わせていきます。
グゴゴォォォォォォォォォォォ!!
雲山のふもとでは、世界そのものが悲鳴を上げているかのような轟音が鳴り響きました。
やがて、
ゴゴゴ……ゴ……ゴゴゴ
幾重にも重なっていた轟音は、少しずつ遠ざかり、吸い込まれるように静まっていきます。
ゴ……。
最後の雲崩れが音もなく流れ落ち、静かに積もると…
さっきまで世界を揺るがしていた轟音が、まるで幻だったかのように消え去りました。
辺りには、凛と張りつめた静寂だけが広がっていました。
雲山のふもとに残るのは、
全てを埋めた雲の塊。
夜空の冷たい静けさ。
雲のどこかに埋もれているモグさん。
座り込んで全身が青く輝いているミミ。
ミミ「…助けてー…フミスケ助けてー…誰か、誰かモグさんを助けてー…お願いっ助けてっ」




