音の島②
【フミスケと音の島②】
♢♢♢音の島♢♢♢
フミスケとミミは音の島に上陸しました。
船着き場に船を止めて、地面に足をつけると人間の姿に変わりました。
フミスケ「おおー船から降りると人間だ、おおーこれが服かぁ」
フミスケは手足をバタバタさせ、シャツやズボンを触りました。
フミスケ「靴カッコいいなっ」
フミスケは靴が気に入りました。
フミスケ「まぁ身長でかくなって、目線が変わった以外はだいたい一緒かぁ」
ミミ「降りてっ戻って、降りてっ戻って」
ミミは亀と人間の間で遊んでいました。
ミミ「ミミ足長いよっ短パンでしょこれっ」
フミスケ「ミミっ緑のブーツだっ」
ミミ「へへっフード付き服だよっカバンも緑のだよっ」
フミスケ「只者じゃない感じ」
ミミ「そしてっ亀へ戻るっ!と見せかけて戻らないっ」
フミスケ「遊んでないで行こー」
ミミ「!一歩がでかいっ!ずんずん進むっ」
フミスケ「ほらー迷子なるよー」えーと…おじいから送ってもらった通貨持ったし…まぁ大丈夫かぁ
2人は初めて人間の姿で歩き出しました。
船着き場に足を踏み出した瞬間、
コツ、コツ、と靴音が心地よく響きます。
石畳の道がどこまでも続いていました。
ミミ「土じゃない!ドスドスっ硬い」
フミスケ「だから靴あるんだ、ミミ転んだらケガするから気をつけてね」
ミミ「誰に言ってる!ぎゃぴーー」
ミミは転びました。
フミスケ「ほらー大丈夫?」
ミミ「ぐぬぬっ」
港町には潮風が吹き抜け、海の香りを運びながら色とりどりの旗を優しく揺らしています。
石造りの建物が道の両側に立ち並び、
家の壁はでこぼこで、色は黄色やオレンジ、茶色、ピンク、青など色とりどりあります。
窓には花が入った植木ばちが置かれていました。
人々の笑い声や商人たちの威勢のいい呼び声が町中に響いています。
フミスケ「おおーー街だぁー」
ミミ「人がいっぱいだぁーー」
フミスケ「店がたくさんあるよっミミっ」
ミミ「あれなにっあれっ」
路地の途中にはたくさんの露店が並び、果物が山のように積まれていました。
赤いトマトやぶどうが、太陽に当たりキラキラ光っていました。
ミミ「赤いの食べようっ」
フミスケ「赤いのなんか美味しそう」
ふくよかで気の良さそうなおばさんが近づいてきました。
店主「いらっしゃいっトマトおいしいよ」
フミスケ「赤いやつ、2つください」
店主「はい、これを2つね」
ミミ「ミミはそっちのでかいやつ」
店主「こっちね、2人は旅行かな?お父さんとお母さんは?」
フミスケ「その辺散歩してるよ」
店主「じゃー冒険だねっ!この赤いのはトマトって言うんだよ、ここに塩あるからつけて食べなよ」
2人「塩つけて!いただきまーす」
ミミ「モグリっ!!!甘くないが水々しくて美味いっ、しかもこの食感と塩味がほのかな甘さを引き立てるっ」
フミスケ「うぁーおいしー」
店主「嬉しいっ!この船の周りはパンやスープ、カレーとか野菜がたくさんあるのよ。城の方に行けばクッキーとかケーキやカフェがたくさんあるわよ」
フミスケ「!知らない食べ物でいっぱいだぁ」
ミミ「全部食べようっフミっ」
フミスケ「全部食べようっ!ミミっ」
店主「フフフっじゃー旅行楽しんでー」
船着き場から続く石畳は町の中心へと伸び、活気あふれる港町の景色が、
フミスケとミミを温かく迎えました。
♢♢♢
路地を進んでいくと香ばしい焼きたてのパンの香りが漂い、お店の人が元気な声でお客さんを呼んでいました。
フミスケは楽しそうに話している人達とすれ違いました。
フミスケ「フフっ楽しそうっ」
子どもは笑いながら走り、大人は立ち話をして、街はとてもにぎやかでした。
ミミ「ワクワクする街だねー」
フミスケ「いろんな建物あるねー」
街にはいろんな国の建物が建っており、いろんな音楽が街に流れていました。
人々は街のいたるところで音を奏でていました。
ミミ「トゲトゲ革ジャンだ」
フミスケ「食器をドラムにしてる人がいる」
ミミ「変な機械つかってる」
フミスケ「すごいねー、あとで探検しよー」
ミミ「謎の食べ物たくさんあったよ」
フミスケ「えーーー楽しみっ」
♢♢♢
町の中心へ近づくにつれ、人通りはさらに増え、石畳の両側には食べ物屋や雑貨屋、何かの専門店、カフェ、ケーキ屋、露店などが途切れることなく軒を連ねていました。
客を呼び込む威勢のいい声、焼きたての香ばしい匂い、行き交う人々の笑顔が混ざり合い、街は祭りのような活気に満ちています。
2人は迷子にならないよう手を繋ぎ、肩が触れ合うほど賑わう人波を、縫うように進んでいきます。
フミスケ「城だっあれ城だよっ本で見たやつだっミミっ」
ミミ「モグモグモグリっ!!!こ、これがっドーナツっ」
フミスケ「もう食べてるー挨拶が先だよー」
ミミ「モグリっ知らんっ」
フミスケ「ほらっあれっあれっお城っ」
フミスケは建物の屋根越しに見える、ひときわ堂々としたお城を指差しました。
青空を背に、石と音符が積み上がった城。
城壁は五線のように連なり、
黒い音符と白い休符が、規則正しく並んでいます。
高く伸びる塔の先では、音符が旗のように揺れています。
風が吹くたび、かすかな旋律が空に広がります。
街全体を見守るように丘の上へとそびえ立つその城は、街の賑わいを音楽と共に見守りながら、圧倒的な存在感を放っていました。




