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ミミとフミスケの大冒険  作者: 言葉屋


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フミスケ外伝②鳥編

鳳凰↓↓

https://51857.mitemin.net/i1204757/

【鳥編】

♢♢♢カラス国♢♢♢


カラスの国に白いカラスがいました。

くちばしも白で目が赤い、白いカラスです。

親からも仲間からも捨てられ、誰にも頼らず生きてきました。

白いカラスはとても強く、頭もよかったので、力と恐怖で成り上がっていきました。

細長い刃物を両足で操り、敵の返り血で体が赤く染まるので鳳凰と呼ばれ恐れられていました。


♢♢♢カラス国王の間♢♢♢


森の中に不自然な道があり、そこにはカラス国の王座があります。

不自然な道の両側には、天へ向かってまっすぐに伸びる杉の大木が、幾重にも並んでいました。

高くそびえる木々の隙間から差し込む淡い光が道を照らし、

その間を縫うように、砂利の道が静かに奥へと続いています。

砂利道の先には長い石段と、ひっそりと佇む石垣が見えていました。


王「鳳凰よ、領地も大切だが、むやみに敵を傷付けてはならん」


鳳凰「うるせーじじいっ鳳凰は血に染まってなんぼだろ」

苔に覆われた石灯籠の上に立ち鳳凰は叫びます。

王「フゥーまぁよい、今回の任務はタカ狩りじゃ」

鳳凰「……」

王「やたらと強いタカがおっての、カラスの領地でリンゴを食べ尽くしておる。

鳳凰隊100匹で追い払ってくれぬか」

鳳凰「ふーん…食い尽くすかぁ…タカは何匹?」

王「1匹じゃ」

鳳凰「でひゃひゃひゃ…1匹で森のリンゴなくなるのっ!…面白いっ!わかった行ってやる」

王「任せるぞ」


鳳凰は木々を抜けて空へ飛び出しました。


王「武器っ!武器忘れとるぞーーー」


鳳凰は仲間は連れていかず、1匹でタカを探しました。


♢♢♢タカの森♢♢♢

タカ「シャリシャリシャリ」

鳳凰「ようっあんたがリンゴ好きのタカ?」

タカ「なんだおまえ」

鳳凰「まぁいいじゃねーか、やろうぜ」

タカ「やだ、おれはリンゴをみんなに届けるので忙しい」

鳳凰「じゃー邪魔させてもらう」


鳳凰は円を描き空を飛び回りました。


タカ「しょーがないな、飛ぶのを邪魔する奴は許さない」


タカはリンゴをそっと置くと、

次の瞬間!!


バサァァッッ!!


両翼を大きく広げ、地面を蹴った瞬間、猛烈な風が一気に巻き起こりました。


タカの姿が一瞬で空へ駆け上がり、

まるで矢のような速さで空を切り裂き、瞬く間に鳳凰のもとへと飛び去っていきました。


鳳凰「…!」


そのままタカは速度を一切落とさず、鳳凰へ真正面から激突しました。


ドォォォォンッ!!


凄まじい衝撃に鳳凰の身体が大きく弾き飛ばされます。


バキバキバキィッ!!


空中から地面へ飛ばされながら、次々と木や枝をへし折っていきます。

枝が激しく舞い散り、葉を一面に吹き飛ばしながら、鳳凰はそのまま地面へ叩きつけられました。

大量の土煙を巻き上げながら、何度も地面を転がっていきました。


鳳凰「…くっ」


体中に激痛が走り意識が飛びそうになりながらも鳳凰は立ち上がりました。

鳳凰「…くっ…うそだろ…ひゃひゃひゃ笑ける」

タカ「ほれっこいっ」

鳳凰「…このやろーーー」


何度も倒され空も飛ばないまま、しばらく戦いは続きタカ頭突きで鳳凰は気絶しました。


♢♢♢タカの家♢♢♢

………

……

…?

おーいっおーーい

キャキャキャキャ

鳳凰「…うるさ」

子供達「起きたよー起きたよー」

タカ「おおー起きたか、リンゴ食うか」


鳳凰は辺りを見渡しました。


鳳凰「どこだ?痛っ…なんだ?いろんな種族の子供がいる…なんだこりゃ?」

タカ「迷子やらなんやらだなっリンゴ食うか」


木で作られた部屋にたくさんの子供達が遊んでいます。


鳳凰「…なるほど…食い尽くすか…」

タカ「まだまだたくさんあるぞーみんなっ!おいっリンゴ食うかー」

子供達は鳳凰にリンゴを持ってきました。


鳳凰「……」


鳳凰はリンゴを食べました。

鳳凰の食べ方は汚く、果汁を垂らし、リンゴのカケラを落としながら食べていました。

子供「食べ方っ汚ーいっ!ほら口まわりこぼしてるよ」

鳳凰「うるせー食べたら一緒だろう」

子供「頭の羽も、翼もボサボサーー」

鳳凰「うるーせー」

子供「わーー怒ったー笑」

タカ「ギャハハハッ確かに汚ねーー」

鳳凰「ちっ…」こいつ1人でメシ準備してるのか

鳳凰は周りを見渡しました。

鳳凰「子供ばっかりだな」

タカ「大人は俺1人だからな!シャリシャリ」

鳳凰「1人か…シャリシャリ…わかったなんとかするわ」

タカ「なんの事だ?」

鳳凰「こっちの事だ」

子供達は鳳凰に近づいて顔を覗き込みました。


子供達「…カラスのお兄ちゃんにそっくりだねーもう旅立ったけどねー、ねー」


鳳凰「フッ俺はカラスじゃないよ。カラスは黒いだろ」

子供達「そうなの?どっちでもいいやぁ!」

鳳凰「…まぁどっちでもいいよな」

タカ「お前は白くて綺麗だからなぁ、おまえは鳥だっ!」

子供達「鳥っていうの!鳥ー鳥ーよろしく」

鳳凰「!…ハッハっいいね、じゃ今日からおれは鳥だぁ」

タカ「じゃあ鳥よ、おまえも迷子なんだろ?うちにこいよっ」


鳳凰「……」


子供達「鳥ー来いよー!鳥ーー」

タカ「ほらっお前ら飯食っちまうぞーー」


賑やかにみんなでご飯を食べました。


鳳凰「いててて…ちょいと用事あるからまたな」

タカ「おうっ飯集め手伝えよ」

鳳凰「…まぁいいけど」


鳥はフラフラしながら空へ飛び出しました。

風が強く吹いていました…


♢♢♢カラス国♢♢♢


鳳凰はカラスの国に行きました。


そこでは王の息子が何十年かぶりに戻っていて、大騒ぎしていました。

息子からタカの事を聞いた王は、鳳凰に討伐をやめるように命令しました。


♢♢♢カラス国広場♢♢♢


鳳凰は部下に命令を出しました。

鳳凰「鳳凰隊100匹…全て集めろ」


広場に鳳凰隊100匹が集まりました。

鳳凰「王の息子を呼んでこいっ」

鳳凰はその広場にカラスの息子を呼びました。

鳳凰「おまえ、あのクソタカの所にいたんだって?」

息子「…クソだと。…師匠知ってるのか?」

鳳凰「まぁいい、死ね!」

息子「お前が死ねっ!」


その瞬間!!


ドォンッ!!


二人はほぼ同時に地面を蹴り、互いめがけて一気に飛びかかりました。


ドガァァンッ!!


激しい衝突音が響き渡り、体と爪がぶつかり合います。


一撃、また一撃


互いに一歩も引かず、凄まじい攻防が繰り広げられていきます。

息は荒く、身体は傷だらけです。


二人の身体はすでに限界を迎えていました。


それでも倒れることはなく、震える脚で必死に立ち続けます。

鳳凰「まだだ、このやろー」

息子「あたりまえじゃー」


そして渾身の力を振り絞って出したのは、

2人とも頭突きでした。


そのまま、崩れ落ちそうになりながら、それでも互いを睨みつけていました。


鳳凰「ププ…いてててっもういいかぁ」

フラフラ座り込み鳳凰は言いました。

鳳凰「…さすがにタカの弟子は強いな」

息子「…お前…鳳凰だっけ?名前」

鳳凰「いや…俺は鳥だ」

息子「…じゃ鳥っほれ」

フラフラしながら息子は羽を鳳凰に出しました。鳳凰は羽を掴み起き上がりました。


そして息子に支えてもらい、鳥は大きな声で叫びました。


鳥「おまえら見てたかっっ今日から息子についていけ、鳳凰隊は解散だっ!俺はやる事があるっ世話になったっ!」

鳳凰隊「!隊長っ」

鳥「…こいつらのこと任せていいか?」

息子「おうっ任せろっ」

鳳凰隊「隊長っ」 


鳳凰隊は全員が自身の黒い羽根を1羽根ずつ取り、カラスの魔法で黒い翼を作りました。


鳳凰隊「隊長これを…」

鳥「おおっいいじゃねーか」

息子「今度、師匠と3人でメシ食おうぜっ」

鳥「ダメだな、鳳凰隊も一緒に派手にいこうっ」

鳳凰隊「おおーーー」

息子「プハハッ師匠みたいなこと言ってる」


鳥は黒い翼を羽織って飛んで行きました。


息子「いててて…スッキリした顔で飛んで行ったなぁ…お前らも追っかけて行っていいぞ」

鳳凰隊「鳳凰隊はカラス国に残ります…隊長にこの国を頼まれましたから」

息子「…そうか」

鳳凰隊「…しばらく会えませんね、それが寂しいです」

息子「…そうか」


♢♢♢


こうして鳥は旅立ちました。


しかし次の日も…

その次の日も…

カラス国に戻ってきました。

♢♢♢

息子「今度はなんだ」

鳥「すまんっ…バナナを」


♢♢♢

次の日…

息子「今日はなんだ」

鳥「すまんっ、タカがちょーと、もめちゃって」


♢♢♢

次の日…

息子「鳥っ!1週間で何回くる気だっ」

鳥「すまんっ宴会始まっちゃて」

息子「…ぷっ師匠らしいなっ鳳凰隊っ集合っ食料持って宴会行くぞー」

鳳凰隊「おおおおおー」

鳥「おおーみんなっタカに紹介するぞっ飯もたくさん食べろよっ」

息子「ププっ飯はオレ達が持って行くんだぞ!」

鳳凰隊「おおおおおー」

息子「どーだ鳳凰隊、寂しくなったか?」

鳳凰隊「ププっ前よりも会ってますよ笑」


♢♢♢タカの森♢♢♢

➖1ヶ月後➖


カラスの王は、タカに息子を助け育ててくれた感謝と、鳳凰の訪問を謝罪に行きました。


タカは感謝だけをササっと受け入れ、息子におかえりと言って宴会始めました。

鳥「カラスの王、この度はご足労感謝いたします」

王「うむっタカの配下よ、気にするでないぞ」

鳥「…お久しぶりです。鳳凰です」

王「…鳳凰?鳳凰はおらんぞ」

鳥「私ですよ」

鳥は自身の羽をビシッと揃えて、黒い羽を背負い変わっていました。

王「…!なんじゃなんじゃ鳳凰よ、かしこまって」

鳥「今は鳥です、お間違えなきよう。

先程お話しに出た同盟の件ですが、お断りさせていただきます」

王「なんと」

鳥「その代わり取引いたしましょう。カラス国のトラブルは手助けいたします。

その代わり食べ物の管理を任せたいと存じます。そしてこちらのトラブルの手助けもしていただきます。その代わりに領地は自由に使ってください。」

王「タカの領地をカラスに渡す代わりに、食べ物を渡せと言うことじゃな」

鳥「カラス国の総力を使って食べ物を増やしてください」

王「ふむ…タカ国と同盟ではダメなのか…悪い話ではないはず」

鳥「ちっ」

王「!!!」

鳥「…国じゃねぇっタカ一家だ。クソじじいっ!俺1人でも潰せる国となぜ同盟なんだ?

同盟…対等だと?ふざけるなよ…タカの飛ぶのを邪魔すると許さねえぞっ!」

王「…!」

後退りする王の後ろに、息子が立っていました。

息子「王…鳥が言っている事は真実です。私と鳥の2匹でカラス国潰せます。

師匠は領地を気にしないので、絶対に他の種族とトラブルを起こします。

そして勝ちます。

領地の管理はカラス国で請け負えばカラスの領地は拡大しますし、師匠も我々もいろんな食べ物食べれます。」


王「…」


鳥「いかがなさいますか?」

王「…わかりました。取引させていただきます。」

鳥「英断でございます。承知いたしました。…最後にもし裏切るなら私で200匹、息子で200匹、師匠で最低600匹、合計1000匹はカラス連れてきてくださいね。」

息子「ププっ」

王「!…それはありません。従います。」

鳥は王に近づき静かに目を合わせました。


鳥「…でわ宴会をお楽しみくださいませ」

鳥は消えていきました。

息子「プハハッ楽しくなりそうだ」

王「楽しくなくていい…わし今日引退する、怖い、息子後は任せた。わし帰るっ、お前が新しい王じゃ」

♢♢♢

そして朝まで大騒ぎです。

タカ「鳥ーリンゴがないぞー」

鳥「あんたが全部食べたんでしょうがっ」

タカ「鳥ーリンゴが食べたいっ」

息子「ウチのリンゴありますよ師匠」

タカ「おおー食べようっ」

鳥「すまん、助かる」

息子「あっ鳥ー、おれ王になったよ」

鳥「ハッ王?…いつ?」

カラス王「さっき」

鳥「ププププまじっ!」

タカ「めでたいーーさわげさわげー」

カラス王「ププっ派手にいこうっ」

鳥「ハッハッハッ」


鳥の楽しい苦労は続きそうです。

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