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おひとり様で行くファミコンRPG世界冒険録  作者: 橘可憐
2 ー 2ルアルコー国
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夢見てみた

どのみちモンゾールさんがドラゴン素材の装備を持ち帰るまでこの街に留まらなくてはならないので、その間高難易度のダンジョンに挑もうかと考えた。

しかしどうせなら出来上がった装備の性能を確かめる為にそれまで見送る事にして、モンスターハウスで初級ジョブのカンストを目指す事にした。


朝からアンデッドダンジョンのモンスターハウスでジョブのレベル上げ、夕方は街の散策がてら毎日の様にフレンチトーストの喫茶店に通う。

そして時折教会に肉の寄付に出向くのがここのところのルーティンになっていた。


アリサは教会に毎日通っても良かったのだが、ルリがあてにされ過ぎても街を出てしまう身では責任が取れないと言い、毎回街に居る間だけだと教会関係者に念を押していてた。

だが派遣された教会責任者が到着するまで続けた寄付は突然止める事になった。

何かルリに考える所があった様だったが、例のごとく詳しくは話してはくれなかった。


インベントリに溜まっていた肉は結局三分の一ほどしか減らせなかったので、街の肉屋でも少しずつ売り払い始めた。


そしてとうとう喫茶店のマスターが無理を聞いてくれて、フレンチトーストとピザトースト、それにプリンとパフェのテイクアウトに応じてくれる事になった。


アリサ達がマジックバック持ちだと言う事を教え、食べたい時に食べられる様にしたいのだと説明すると少しの間呆れていたが、それぞれ纏まった数を作ってくれる事になった。

喫茶店の定休日を利用しての事だったので、勿論その分のお礼を渡したのは言うまでもない。


そしてすっかりとインベントリに収まったそれらを見て、複製すれば良かったのを失念していた事を思い出し、自分の迂闊さ加減にショックを受けて暫く落ち込んだ。


テイクアウトできる様になった嬉しさにテンションが上がり勢いで話を進めたため、マスターに迷惑を掛けてしまった。


暫くグミとポーションの複製しかしていなかったので、他の物も複製できる事をうっかり忘れていたとは言え、マジックバックの複製でその有難さを思い出していた筈なのに、自分の頭の悪さにはほとほと呆れ果てていた。


しかしアリサはその後も喫茶店に通い、店にあるメニューのコーヒーを含むほぼ全部をテイクアウトして、インベントリ内のメニューを増やした。


そして毎日その時の気分で食べたい物を食べられる日を夢見て、これからも世界中の美味しい物のメニューを増やして行こうと考えていた。


そうしてすっかりと平常を取り戻したピスリッツの街にモンゾールさんが戻る頃に、またも国王の崩御と言う大ニュースが飛び込んで来た。

まだ若いのに病死と言う発表にアリサは絶対に違うだろうと考えていた。


「シオン、もしかして何かしたの?」


「私は直接には手を下していない。王が心を改めない馬鹿だったと言う事だろう」


顔色も変えずに平然と答えるシオンに、薄っすらと怖いものを感じ背筋が冷たくなって行く。


「何があったのか詳しく知りたいのなら、おまえはモンゾールが帰って来たらヤツに聞くと良いだろう」


シオンのその言葉に、今回の件はモンゾールさんも関わっているのだと知った。


「別にどうしても知りたい訳じゃ無いから良いよ。それよりも出来上がって来る装備の方が気になる」


アリサは素直に思ったままを答え、モンゾールさんの帰りが近い事を予感していた。



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