↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアル・インテグラル・マキナ〜死んだら即終了のゲーム世界を死線突破の火事場スキルで無双する〜  作者: 雷蔵ててな
花の潜伏者フロル・スニーク

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/23

花鎌鬼

 

 精霊の森を探索を続ける。

 花守の蜜を追加で獲得した他にも薬草、絡縛草、魔力花、煙虫などの素材アイテムを幾つか入手した。


 ん?

 俺は鮮やかな色合いの巨蘭花に指を差す。


「あそこ、なんかいるな」


〈どこ?〉

〈いなくね?〉


 コメントが気づかないのも無理はない。

 よく見ないと分からないが、花弁に擬態している昆虫型のエネミーを発見した。


————————————————————————

 花鎌鬼(カカマキ) Lv.4

————————————————————————


 モデルはハナカマキリだろう。

 俺が躊躇せず近づくと機敏な動きで両鎌を振り下ろしてくる。

 型にはまったアサシンっぷりだ。


「キシャアッ」


「よっ」


 低い体勢で躱すとバックステップで距離をとる。


〈よく避けたな〉

〈ハナカマキリだ!〉

〈今の見てから躱せるんだ〉


 花鎌鬼(カカマキ)は素早い身のこなしで追撃をかけてくる。

 その全ての攻撃を躱して、躱して、躱す。


 昆虫型のエネミーの特徴として、初期動作の少なさや不規則な攻撃のテンポなど、戦いにくいと感じる場合が多いが、その尽くを完璧に躱してみせる。


 徐々に花鎌鬼(カカマキ)の目が血走ってきた。

 こいつはかなり好戦的なエネミーだな。


「いいね。ブランクがあるからな。戦闘勘って言うの? 昔の感覚を取り戻すのにちょうどいいな」


〈すっご〉

〈動き滑らか、達人みたい〉

〈やばいな深度いくらなん〉

〈どうみてもLv1の動きじゃない〉

〈まじか〉


 何気にヘッドギアがリジェ支給のプロ仕様になったからか前よりも断然動きやすい気がするな。

 非売品らしいが、さすが大手プロゲーミングチームだ。


 縦横無尽に繰り出される鎌の斬撃を避け続けていると昔の感覚が戻ってくるのがわかる。

 徐々に足運びが最適化し、体の動きが小さくなり、最小限の動きだけで捌き切れるようになってきた。


「うーん、何か回避系のスキルが生えてきてもいい気がするけど。まあコイツじゃ役不足か?」


〈もはやスキルいらんくねw〉

〈そんな簡単にスキルは獲得できないだろ〉


 と、そこで花鎌鬼(カカマキ)の追撃が止んだ。

 口から泡を吹いて肩で息をしている。


「お? 疲れたか?」


 そのタイミングで俺は背を向け逃走する。


「もういいや」


〈え!?〉

〈逃げるの!?〉

〈レベル上げは!?w〉

〈逃げてて草〉

〈倒さないの?〉

〈武器ないもんな〉


「ああ、経験値の質が低いからな。雑魚エネミー可能な限り狩らないよ。俺が探してるのはレアエネミーかボスエネミーだ」


 経験値の質。

 それはRimにおいて極めて重要な要素だ。


 Rimのレベルアップで上昇するパラメータは一律ではなく評価性。

 D〜Sまでの5段階評価で、簡単に言うとどれだけ強い敵を倒してレベルアップしたのか?で上昇値に差が生じる仕様になっている。


 超簡単に説明すると、


 寄生したら1UP。評価D

 格下を倒せば2UP。評価C

 同格を倒せば3UP。評価B

 格上を倒せば4UP。評価A

 偉業をなせば5UP。評価S


 厳密には違ってくるが、大体の基準はこの通りだ。

 最低評価のプレイヤーと最高評価のプレイヤーではLv.100の時にパラメータに約五倍もの差がつくことになる。


 また世界一位を目指すなら一切の妥協はできない。

 俺的には俊敏と攻撃だけは毎回S評価でパラメータ5UPを確実に取り続けたいと思っている。


「最低でも火力とスピードはオールS、妥協はなしだ」


 スタミナの切れた花鎌鬼(カカマキ)を撒くのは簡単だった。


 その後も好戦的なエネミーとたまにジャレつつ採取を続けていく。

 エルフの冒険者やプレイヤーも結構見かけた。

 ある程度は素材が集まってきた。


 鮮やかな花々の群生地を歩いていると。


 音もなく。


「ん」


 茂みから突き出された一撃を、咄嗟の反射神経で首を傾げて躱す。

 見えたのは鋭い爪、節の多い高密度の毛で覆われた甲殻、恐らく昆虫型エネミーの腕だろうそれを素手で掴む。


「っぶね」


 頬を掠っていた。

 HPが少し削れる。

 かなりギリギリだった。


 ある程度昔の感覚を戻せてなかったら、この奇襲をもらって死んでいたかも知れない。


 それほど鋭い一撃だった。


 まあ食いしばりがあるから死なないんだどね。

 と思ったが、画面左上に麻痺毒の蓄積値が八割溜まっているのがみえた。

 前言撤回、直撃してたら動けなくなってそのまま食われて死んでたわ。


〈え〉

〈!?〉

〈は?〉


————————————————————————

 スキルアンロック:

 危機感知

————————————————————————


 たった一合でスキルが生えた。

 その事実がこの一撃の致命レベルを、そしてそれに初見で対処したことの非凡さを物語っていた。


「おお?」


 掴んだ脚が強い力で引き戻されて俺の体が浮く。

 想像以上の膂力だ。

 いや引き摺られている?

 エネミーの挙動がおかしい。

 何かに引き摺られているような出鱈目な高速移動をしていた。

 明らかに制御がきいていないように見える。


「おおおお!?」


 遠心力で振り回された俺は木にぶつかって大ダメージを受けた。

 食いしばりが発動しHPが1だけ残る。

 手はまだ離してない。

 勢いは治まらず、茂みを抜け、岩に弾み、花々を散らす。


————————————————————————

 パッシブトリガー:

 敵刃不滅

————————————————————————


 最終的に開けた場所に放り出されて止まった。


「うわ……平衡感覚が……気持ち悪……」


 結局五十mくらい引き摺られたか?

 死んでもおかしくなかったが、HPは変わらず1残っている。

 

 予想はしていたがこれはユニークスキルのおかげだろう。

 早速お世話になるとはな。鬼畜ゲーだほんとに。


 そして俺の目の前には蜘蛛がいた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。