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リアル・インテグラル・マキナ〜死んだら即終了のゲーム世界を死線突破の火事場スキルで無双する〜  作者: 雷蔵ててな
花守装甲蜂フロル・ビー・ガーディアン

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検証


 ポニーテールの少女の後をついて行く。


 赤髪赤目で背は百五十前半くらいか。二つの短剣を腰に装備している。装いからして初心者を脱したLv.20〜30程度のプレイヤーに見える。


 片耳にしてるイヤリングが特徴的で黒銀のリング状の中央に蛍光緑の小さな結晶が浮遊していた。


 最低でもエピック。

 レジェンダリーでもおかしくないな。

 レベルや他装備からしたら不相応にも見える。


「……どうかした?」


 俺がイヤリングを見ていると少女が振り返り、首を傾げる。


「レア度の高そうなイヤリングだと思って」


「これ? へへ、運が良かったんだよ」


「へえ」


 彼女との出会いは偶然だった。

 そう、偶然にもパーティメンバーを失ってクエスト達成が困難になってしまった彼女の代わりにボスを倒すことになったのだ。


 コメント欄がさっきから一色に染まっている。


〈かわいい〉

〈かわいい〉

〈かわいい〉

〈かわいい〉


 うるさいな。

 どうやら視聴者的に彼女の容姿は高評価なようだ。


「ね、案内する条件にさ、フレンドになってよ 」


 彼女が後ろ歩きしながら聞いてくる。


「ボクはユーナ、君は?」


「烏我」


〈ボクっ娘だ〉

〈ボクっ娘きた〉

〈かわいい〉

〈羨ましい〉


 あーうるさいうるさい。

 ユーナは何に気づいたような顔をする。


「烏我? どこかで聞いたような……」


「そういえばすまん、言うの遅れたが配信してるぞ」


 俺に知名度があるか知らんが、マネージャーからは配信中に他プレイヤーと絡む時はこう言うのがマナーだと聞いた。


「え! 配信者なの? もしかして有名人だったり?」


「いや? 今日始めたばっかのペーペーだよ」


「へえ〜ほんとかな〜」


〈嘘は言ってないけどw〉

〈五万人に見られる新人って〉


————————————————————————

 フレンド申請が届きました

 清瀬 夕奈

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 夕奈だからユーナか。

 Rimは本名でしか登録できないが、名乗りは自由だからな。

 承諾する。


「うーん? でもどこかで見たことあるような……」


 ユーナが思案していると、頭上の枝葉ががさりと揺れた。

 樹冠の隙間から赤い影が落ち、前方の地面へ軽い音を立てて着地する。


 現れたのはてんとう虫によく似た生き物だった。


————————————————————————

 紅斑虫(スポット・ラー) Lv.10

————————————————————————


 精霊の森に通常湧きするエネミーだ。

 意識を切り替え、双剣を抜いて油断なく構えるユーナに対して、申し訳ないとは思っているが俺は悪びれもせずに言う。


「すまん、倒してもらえる?」


「え……う、うん?」


 ユーナはあれ?なんか思ってたのと違う……というしょんぼり顔をしながらも1人で戦い始めた。

 おーなかなかいい動きをする。

 悪くない悪くない。


〈鬼畜www〉

〈サイテー〉

〈女にやらせるなよw〉


 コメント欄がヒートアップしているが無視だ。


「今のうちにブーツの性能を検証しておこう」


 花の潜伏者(フロル・スニーク)からドロップした脚装備‘’潜伏糸迅脚‘’の使用方法は大きくわけて3つ。


 糸を貼り付ける。

 糸を巻き上げる。

 糸を切る。


 試してみよう。

 踵に細工がされており、起動すれば糸を床に張り付けられる。そこから数歩歩いて振り返ってみると、目を凝らさねばわからないが確かに細い糸の軌跡が残っていた。


 ある程度糸が張れたので巻きとってみる。


「うおっ!?」


 すごい力で足を掬われ転倒した。

 そのまま糸を床に貼り付けたポイントまでざざーッと引き摺られる。ダサいことになってしまった。


「もしかしなくてもクソ装備かこれ」


 扱いがクソムズすぎる。足を取られると分かっていても姿勢維持が出来ない。こりゃ使い方に工夫がいるな。


「お、終わったよ〜?」


 他にも色々試している間にユーナが戦い終わったようだ。ちゃんと見ててくれたかなー?と変な汗をかいている。


「どうも、いやあザコでレベル上げ……じゃなくて、ボス戦に向けて温存しておきたくて」


「う、ううん、いいよいいよ。何かしてたの?」


「ちょっと検証をな。というか、あんた強いな」


「はは、そうかな。そこそこだよ」


 褒められてユーナは頬を搔く。


 適当に雑談しつつ歩いていると、足元で枯れ葉がかすかに揺れた。何かが地中を掘り進むような音が聞こえたかと思うと、土の表面が小さく盛り上がる。ぽこん、と土を押しのけて顔を出したのは白亜紀にいそうなゴツめのダンゴムシだった。


————————————————————————

 転芋虫(コロキャタ) Lv.12

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「よし、ユーナ頼んだ」


「う、うん。わかったよ」


〈終わってる〉

〈さいあく〉

〈女の敵〉


 コメント欄には 「はいはい」と杜撰に対応して、アイテムボックスをいじる。戦闘するユーナを横目に取り出したのは紫色のラッピングが施された箱だ。


「じゃあ今度はギフトボックスをあけよう」


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