評価S
次から次にリアルの技術がスキルとして昇華されていく。
スキルになるとMPを消費するようになり、決められたモーションで身体が動かされることになるが、その分システムアシストによる威力の増大は凄まじいものがある。
〈HP1だけど……?〉
〈スゴすぎだろ〉
〈蜘蛛の方が動き早いのに〉
〈なぜ一発もくらわない〉
〈才能って怖い〉
余裕があるのでコメント欄をチラ見したら視聴者がドン引きしている。
続く執拗なまでに顔面を狙った連打、連打、連打で顔面がグチャグチャになり始めた。
花の潜伏者も攻撃してくるのだが、俺にはカスリもしない。
たまらず糸を巻き上げ高速で後退を始める花の潜伏者。
「ここだ」
俺は軌道の終着点に先回り。
タイミングを合わせて渾身の拳を突き入れる。
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スキルアンロック:
ポイントストライク
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クリーンヒット。
糸を巻き上げる出糸突起から柔らかい腹部にかけてをクリティカルな拳が抉った。
「ギシャアッ!?」
花の潜伏者がひっくり返って脚をワシャワシャさせる。
ダウンだ。
俺は目玉がギョロギョロ動く頭部の一番大きな花を両手で抱えるようにして掴む。
ここ、高い位置にあって届かなかったからな。
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スキルアンロック:
身体強化
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容赦なく。
「弱点なんだろ?」
ブチブチブチィーーッ!
と渾身の力で花をもぎ取った。
「ギィィィアアアアアアッ!?」
花の潜伏者の絶叫と大量の緑色の血が吹き上がる。
その後しばらくのたうち回った花の潜伏者だったが、次第に力をなくし、最後は足が丸まって動かなくなった。
俺の勝ちだ。
「討伐完了、と」
〈ええええええ!?〉
〈つんよw〉
〈一方的でワロタ〉
〈10以上もレベル差あるのにマジ?〉
〈格上のレアエネミーなんですが……〉
驚愕、賞賛、ドン引き。
主にこの三種のコメントが滝のように流れる。
少し快感だ。
戦闘も終わり一息つけたので、俺は幾つかコメントを拾って対応する。
〈あのレアエネミーのこと知ってたの?〉
「うんや、初見だな」
〈なんで攻撃を全部避けれるの?〉
「え? ん〜勘? うそうそ、相手の動き見てたら大体予測できるでしょ、まあほとんど見てから避けたけど」
〈スキル覚えすぎじゃね?〉
「S狙いに行ったらこんなもんじゃね?」
〈AIで検索:参考になるプレイとは〉
「同じことをすれば誰だって世界一位になれる。簡単だろ? 是非参考にしてくれ」
花の潜伏者の死骸はエフェクトに包まれ、光に解けるように消えていき、経験値が光の奔流となって俺に押し寄せ身体に吸い込まれていく。
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レベルアップ!
Lv.1 → Lv.6
総合評価‘’S‘’
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「よし、評価S」
〈一気に6すご〉
〈化け物で草〉
〈評価S!? 初めて見た……〉
〈ほんとにS出せる人っているんや〉
薬草を消費して体力を回復させる。
花の潜伏者が溶けて消えた場所には、無造作にブーツとフラスコが落ちていた。
ドロップアイテムだ。
「何がドロップしたかな」
拾い上げて詳細を確認する。
まずは足装備から。
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エピックアイテム【潜伏糸迅脚】
性能:防御19
効果:俊敏+15% 静音+30% 潜伏+30%
スキル:糸操
強靭な魔糸を自在に接着・巻き取り・切断できる
要素1:精神+3%
要素2:魔力+2%
要素3:確率+5%
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そしてこれがフラスコ。
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エピックアイテム【花毒の痺れ瓶】
一時的に武器に麻痺属性を付与する。
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あとは片手サイズの紫色の報酬箱も落ちていた。
これはレアエネミーが確定で落とす奴だな。
〈ギフトボックスだ!〉
〈ガチャの時間だ!〉
〈«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク〉
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エピックアイテム【ギフトボックス】
開けるとランダム報酬が生成される。
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「いいね、レアエネミーの報酬は豪華だ」
まだ防御力ゼロの初期装備というか衣装の靴だったので、とりあえず脚装備を装着しておいた。
「ステータスオープン」
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【ステータス】
烏我 科戸
Lv:6(PP25)
体力:30/30(C)
魔力:6/40(A)+1
筋力:30(S)
知力:20(B)
器用:30(S)
敏捷:30(S)+5
耐久:15(C)
精神:15(C)
幸運:30(S)
【スキル】
敵刃不滅/修復/調合/工作/食いしばり/無心/危機感知/格闘術/エルボーストライク/バックフィスト/スナップカーフ/ポイントストライク/身体強化
【称号】
なし
【装備】
武器:なし
頭:なし
胴:なし
腕:なし
腰:なし
足:潜伏糸迅脚
装飾:なし
装飾:なし
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パラメータ数値の横、カッコ内のアルファベットが個別評価で、+の値が装備により増加したパラメータ値だ。
〈PPは何にふるの?〉
レベルの横に書いてあるPPとはパラメータポイントのことである。
Lv.1につき5ポイント貰え、それをプレイヤーが任意のパラメータに割り振ることができる。
「そうだな……ん?」
俺が少し迷っていると、ブウウウウという重たい羽音が聞こえた。
羽音は段々大きくなる。
近づいてきている。
それも単体ではない、かなりの群れだ。
「やば」
現れたのは花守蜂の大軍だった。
花の潜伏者に引き摺られた時にたくさんの花を蹴散らしてしまったから、遅れて集まって来たのだろう。
「数が多すぎるな。逃げるぞ」
俺は逃走を開始する。




