万人受けはしないものの素人でも扱える凶器
『素人・万人が使える武器』───弓や鞭、槍はこれを使い熟すまでに研鑽を必要とする。剣も素人が扱えばただの鉄塊に成り下がる。万物万象殴れば壊れるんだよ
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『熊八』という一番近い武器屋に入った。近場の武器屋では何処でも良かった。実際に振るかも怪しい物にそれ程こだわりを持ったところで意味はない
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入口の扉を開くと、カランカランと扉に取り付けられた小さな鐘が鳴った───店の奥からのっそりと熊の様に大柄で髭を蓄えた男性が現れた。まさしく熊と言った風体だ
スマホを取り出し『翻訳』越しに話す
『らっしゃい、何をお探しで?』
「素人でも扱える武器って何がありますか?」
『それなら打撃武器ですね
どうぞ。手に取ってみてください』
熊八さん?が指差す方向には棍棒や斧、杖が並んでいる棚があった。熊八さんに頭を下げつつ、件の棚へと向かう
店内を見渡すと至る所に武器が展示してある。剣、槍、弓、斧、鞭など様々な武器が所狭しと並んでいる
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「重さはどれがいいもんか」
棚にあれでもない、これでもないと棚の物を手に取っているとふと、壁に掛けてある1本の刀が目に止まった
遠巻きに見ても異彩を放つ細身でいて反り返った黒塗りの艶を持つ鞘。職人の丁寧な細工が施された鍔に未だ握られたことのない、逞しく綺麗な握り柄が目に入ってきた───武器ではなく、芸術品なのだろうか
『おしみ候は、ただこのひとかぶりの太刀にて候。これは予が愛刀にて、いまだかつて肉をふれず、けがれなきものにて候を、今、予が血をもって、これを染めんことの悲しさよ』
『血を知らず、肉を知らずば宝なれば、血に濡れず、肉を断たぬは刀に在らず』
懐かしいな誰の言葉か、厨二真っ盛りに触れた言葉を思い出す。きっとあの壁に立て掛けてある刀もさぞ美しいんだろうな
『お客さん。こいつはイーシェンの武器で
金貨二枚です。けど
こいつを使いこなすのは難しいですよ
初心者にゃオススメできない商品なんですがね』
「そうですね。僕には縁のない話です」
僕が刀?に魅入っていると、熊八さんが声を掛けてきた。そうか、これがイーシェンの武器なのか
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「このベルトとホルダーもお願いします」
『毎度、そのメイスでバンバン稼いでくださいよ』
結局吟味して買った片手メイスを腰に下げ、武器屋を後にした




