気が進まないものの協会に登録します
『協会の発行する依頼』について───貴族階級とは別種。町の困りごとを一手に引き受けているのが協会であり、その内容は討伐、採取、調査、手伝いなど多岐に渡る
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協会こと、ギルドは町の中央近くにあり、賑わいを見せていた。その圧倒的な存在感は東京タワーを始めて下から見上げた時の威圧感と感動、畏怖の入り混じった感情に似ていた
しかし今回ばかりはひとつ、余計な感情が生じた
「(金ばり掛かっとんな…)」
呆れだ。もう本物と言っていい程の完成度に金をどれだけかけたのか、皆目見当がつかない存在感を誇示していた
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協会の一階は飲食店になっており、空港のフードコートみたいで既視感を受ける。兎にも角にも時間が掛かる手続きなら早めに取り掛からなければいけない
直前に出張の話をしてくるクソ上司がいるがザナックさんがそうでないことを祈るばかりだ。出発直前になって発行に時間が掛かる『パスポート』の様な物なら詰み確定だ
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カウンターへ向かい、受付らしき人を呼んだ
「あの、ギルド登録をお願いしたいのですが」
『分かりました
登録の説明を簡単にさせて貰います』
えらくあっさりと通された
◆
『協会は依頼者と遂行者を仲介する組織です
そのため仲介手数料と違約金が発生します
違約金は失敗時に発生します
気をつけて下さい」
受付が用紙を1枚差し出してきた。例によってスマホで翻訳しつつ必要事項を埋めていく、その間にも受付さんは話を続けていく
『受理後の依頼の失敗、期限切れは
降格処分、違約金は勿論のこと
一般的には回数による管理をしていますが
悪質だと判断された場合、登録を抹消も
課せられます。十分に気をつけて下さい』
「(なるほど)分かりました」
『他に、五年間…』
「(まんま免許証とパスポート発行を思い出すな)」
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要約
・『依頼の掛け持ちは非推奨ではなく禁止
・『討伐等、地域指定の依頼厳守』
・『5年を期間として失効・制限付与』
・『依頼の失敗・悪質行為は発覚次第登録の抹消』
・『協会員同士の個人的な争いには不介入』
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『協会に不利益をもたらすと判断された場合に
限り、例外としてペナルティの対象になります』
注意事項を聞き、記入を済ませたものを手渡す
『フジノミヤさんですね
それでは発行までに協会が定める
依頼について説明を始めます』
「お願いします」
『…』
「?」
受付さんが俺を見つめる。何だ?俺変なこと言ったか?
◆
『依頼・仕事は難易度によって
階位分けされています』
俺はうなづきながら手を動かし、誤字を気にすることなく受付さんが話す内容を書き留めていく
『下位の者が上級の仕事を
基本的に受けることはできませんが
同行者の半数が上位に達していれば
下位の者がいても、上級の仕事を
受けることができます』
「(それは大丈夫なのか?)」
◆
『こちらの針で指を刺しカードに押し当てて下さい』
「分かりました」
受付さんに言われるがままカードに指を押し当てる。刺し傷を咥えつつ、何ともなしにカードを見つめていると、どういう原理か血印はなくなり、じわっと白い文字が浮かんできた
黒地に白文字のカードを受付さんが持ち上げると
『カードは本人以外が触れて場合、偽造対策に
数十秒で灰色になる魔法が付与されております
紛失された場合は速やかに協会へ
申し出て下さい、再発行します」
説明中にカード灰色に変化した。そのことを確認する様に表裏と見せられ、俺にカードが手渡されると一瞬で黒に戻った。すごい仕掛けだ。どうなってるんだろうか
◆
『以上で登録は終了です
仕事・依頼は仕事・依頼板に
張り出されています
確認の上、依頼受付に申請して下さい』
「ありがとうございます」
あっさり発行完了、馬車の契約に向かうべく協会を後にしたが外に一本出て気がついた。今更ながら何か依頼を受けた方が良かったのではないかと思案したものの5年の猶予の言葉に一先ず目下の依頼を遂行するべく、改めて馬車の契約に向かった
◆
『貴方は魔法使いですか?』
「(もうええて)いえ、違いますが」
『なら武器を持たないと乗せられません』
「(先言えや!)分かりました」
馬車の契約に向かい、再び問題が発生した。武器を持っていないなら『魔法の適性』や『武器の所持』が必要とのことだった
何だよ魔法って、と思いつつワンチャンスに賭けて、ハサミを取り出したものの、却下され、王都行きの馬車を再び逃したのだった
『協会のいう位』について
色彩で管理される実力の指標をランクという
下位・黒>紫>緑>青>赤>銀>金・上位




