毒の所在 それも小賢しきこと
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拘束から解放され、リンゼさんからスマホを受け取った
「ありがとうございます
よく俺のスマホだと分かりましたね」
『独特な形の魔道具を使うのは
フジノミヤさんしか見たことないので』
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『単刀直入に言う
そなたは余を殺すためにこの国へきたのか?』
『誓ってそのようなことはございません!
陛下に毒を盛るようなことは断じて!』
この発言に信頼性があるのか、果たして───本当のことであっても真偽を確かめる術がないのが歯痒いな。そんなことを考えていると王様が視線を逸らした。その先を追っていくとオッドアイの子とアイコンタクトを取っていた
『そなたはそのような愚かなことを
する者ではない。信じよう』
そう国王は言い切った。あの少女に何かありそうだ。俺の発言も彼女が担保してくれていたのだとしたらまさしく恩人だな。後で御礼をしよう
『しかし、大使から贈られたワインに
毒が仕込まれていたのは事実
これをどうなされます?』
『そ、それは…』
「リンゼさん、あの瓶
黄金色の液体と半透明の液体
持ってきてますか?」
『は、はい、一応は』
さてと身の信用はあれど、事実はワインを飲み王様は死に瀕した。潔白を示す証拠が必要だろう。王様の傍にいる王妃らしき方もそれを責めているというよりは問いかけのようなニュアンスだ
「王様、発言の許可を頂きたく…』
『構わん、申せ』
ん〜食い気味、俺困惑
「私は薬師見習いのフジノミヤと申します
此度の無礼に寛大な処置に感謝を…」
『前置きはいい、崩して構わん』
公爵といい、このお方といい、人の気も知らないで
「私は王様の解毒を試みた際
この分析薬を用いて内容物を層分けしました
見えますか?」
リンゼさんから受け取ったワインの分析結果をその場にいる全員に軽く見せ、王様へ手渡し、俺は炭と水を飲ませる用のグラスを手に取って位置に戻り、ワインを注いだ
「そして、これが件のお酒になります」
『ふむ』
俺は徐にワイングラスを傾けて中身を飲み干した
『な!?』
「毒の成分はアルコールのみで
至って普通のお酒でした」
死に瀕する毒を飲むわけがない。こんな反応にもなるか。俺は手持ちから布を取り出す
『では料理に毒が?』
「それもありえますが私が疑っているのは
こっちです」
リンゼさんから続き、手渡されたワイングラスを全員に見せる。王様が没したならば益を得る立場としていた人物に目星をつけていたが、この場にいる者はどうにも犯人ではなさそうだった
「これは王様が使っていたワイングラスです」
『何故わかるのだ?』
「ワイングラスはその殆どが試飲会時に
料理担当らしき人から注がれ提供されました」
俺は手持ちのワインを注いでいく、色味に変化なし、美しい黄金色の綺麗なワインだ
「ですがあの空間において、たったひとつだけ
ワイングラスが置かれていても
不自然ではなく、誰もが見落とす場所が
存在していたんですよ」
分析薬を入れて振る
「王様の玉座、その傍に鎮座する
卓の上のグラスだけは予め入れられるな、と」
液体が三層に分かれ、毒液らしきものが底に沈澱した。アルコール、ワインの主成分、毒液の順番だ。底にほんの少し残る程度───王様が大半を飲んだ残りか、或いは劇物であることが察せられた
「王様。この会場に私より先に招かれた客人は
どなたか心当たりはございますか?」
王様の表情が目頭を押さえて、言った
『この会主催のバルサ伯爵だ』




