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喧嘩を止めるシンプルな方法

以降『翻訳済み』とするも主人公には通じておりません

◆◇◆◇◆


 裏路地に入り、狭く細い道を進んでいく、子どもの頃の懐かしさを感じつつ、突き当たりで四人の男女が言い争いを発見した


 男が二人に少女が二人、明らかにどちらもガラが悪そうだ。持ってる武器がそう言っていた。長柄にガントレット。小道具だとしても殴られたら悶絶する自信あるわ


 んで男の方は剣と斧の2振り


「(ガキが夜に出歩くなよな、ったく)」


 少女の方はどちらも幼い見た目をしているのが辛うじて確認できた。格好はおじさんにはよく分かんない。どっかのお嬢様かってくらい綺麗なベベにめかし込んでるのだけは分かった


「(ニーソに短パン、丈の短いスカート

 ディレクターの癖モロ出しだな)」


『約束が違うわ!

 代金は金貨一枚だったはずよ!』


 声がやや低い少女が男たちに向かって声を荒げていた。それに対して男たちはニヤニヤと小馬鹿にした薄笑いを浮かべている


『なにを言ってやがる』


 男の一人の手には夜でも分かるほどに"キラキラ"と鹿の角のような小道具が握られていた


『確かに、この水晶鹿の角を

 金貨一枚で買うと言ったさ

 ただし、それは傷物でなければ、だ

 見ろよ、ここに傷があるだろう?

 だからこの金額なのさホラよ

 銀貨一枚受け取りな』


 何か言い終えた男が何かの硬貨を投げ落とした


『そんな小さな傷

 傷物のうちに入らないわよ!

 あんたたち初めからっ…!』


『お姉ちゃん』


 男たちに食って掛かろうとする少女とその後ろに隠れている少女も泣きそうな声を出していた


「(間違いなく厄介ごとだけど

 首突っ込んだら負けな気がするな)」


『もういい。お金はいらない

 その角を返してもらう』


「はぁ…」


 事態の好転が見られない。握りしめた両の拳には大きなガントレットが既に嵌められていた。実力行使上等って雰囲気だ


◆◇◆◇◆


『おっと、そうはいかねえ

 もうこれはこっちのもんだ

 お前らに渡すつもりは───』


「お取り込み中すいやせん

 ちょっといいですか?」


 俺は一触即発の雰囲気に割って入った。四人全員の視線が集まる。一時凌ぎ終了っと


『あ?なんだテメエは?』

「えっと、スマホスマホっと」


 四人が訝しげにこちらに視線を向けている。男達は険悪な目をこちらに向けてきた男達に手を挙げ、戯けて見せ、スマホをかざす


 外国人の対応を思い出すな、全く


「何か、ありましたか?」

『私達に何か用ですか?』


 男達は凄みながらそう言ってきた。恐らく「何だ?用があんのか?」ってニュアンスだろう


「質問を質問で返すなや、ボケが」

『?』


 スマホを男の方から少女に向けつつ、笑顔で暴言を吐く───こういう言葉が通じなさそうなのが1番怠い。言葉が通じないことをこれ幸いと活かすのに限る


 気を取り直して少女に振り返り、同じように質問をした


「何か、困り事ですか?」

『え?』


「言い争う声が聞こえたので

 割って入らせてもらいました」

『えっと、アイツらが水晶の鹿の角を

 ちゃんとした金額で買ってくれませんでした』


 あぁ、そういうことね。価格交渉失敗の最たる例だ。観光客相手にもよくある話なので最も単純な解決に乗り出す


「角の価格は?」

『金貨1枚』


 たっか、相場が分からないものの、金貨1枚って、流石に高過ぎるだろうよ


「それは相場より高いの?」

『高いです。あの人達から決められました』


 俺は男に振り返った。お前らからなのかよと思いつつスマホを向ける


「何で金貨を払わないんです…」

『ここに傷がありますよね

 目が見えないのか馬鹿者め』


 俺が言い終わる前に男が叫ぶ様に話し始めた。いるいる、こういう声がデカけりゃ喧嘩に勝ったと思ったり、交渉が通るとか思ってる野蛮人


 んっとホント嫌い。お前のこと誰が好きやねん。理性的でアレよ───有機生命体なんだからよ


「(まぁ、ここは俺が取り持つか

 てか早く帰って寝たい)」


 俺はポケットから金貨を取り出し、少女に手渡した


「は〜い、解決」


『え?』

『は?』


 しばらく"ポカン"とする少女にスマホを向けて聞いた


「これでよか?」

『金貨?いいんですか?』


 少女にうなづき、男に振り返る


「これでええ?」

『え?あ?あぁ』


 よぉし、一件落着。スマホをポケットに仕舞い込み、惚ける少女2人も連れて大通りに向かって歩き出す


 大通りに出たところで2人に「早よ帰れ」と言っておき、借りている宿屋まで戻った


 早よ寝るべ



 自分の部屋に戻った。やっと一日が終わる。いろいろあったなぁ、明日から何するか


 番組に付き合わされるわ、死にかけるわ、言葉通じないわ、安眠妨害されるわ、いざこざに首突っ込まざるを得ないわ───なんだこの一日


 ベッドに潜り込み、腕を枕に瞼を閉じる。明日の心配は尽きないものの仕事を合法?的にサボれる点はとても気分がいい


 そんなことを考えつつ、睡魔に身を任せる───願くば制作側が興味を失って、起きたら家でした。って寝落ちを期待するばかりだ

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