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紫色のカード/レッツ一町分の歩き旅

◆◇◆◇◆


 町の困りごとは大小様々、"小"寄りの依頼をこなしていくとあっさりと黒から紫に上がった。何回か協会の依頼をこなしていただけ、スマホを見ても1時間程度でカードが紫色になった


「え?これ」


 思わず受付さんに渡して確認して貰った


『初心者を卒業されたんですね

 これから紫色の依頼にも対応できますね』

「こんなあっさりと、いいんですか?」


『そもそも黒から緑までは主に町の整備なので

 余程サボってない限りは上がりますよ』


「(なるほど)」


 機器の故障かもと焦ったが仕様だったようで安心した



 紫色になったということで件より気になっていた『アレ』を受付さんに渡した


「これをお願いします」

『はい、分かり…え?』


 なんかあからさまに驚かれてるんだけど


『え?これ本当に受けるんですか?』

「はい」


『失敗したら違約金発生しますよ?』

「はい」


『分かりました。気をつけていってらっしゃいませ』

「ありがとうございます」


 銀貨8枚の依頼『北廃墟でのメガスライム討伐』を受領した。取り敢えずアマネスクの便を確認するために一旦戻ることにした



『フジノミヤさん、返金しますね』

「え?」


 馬車の停留所に着くと御者の人に銀貨を手渡された


「これなんですか」

『王都行きの席が埋まってしまいまして』


「(は?)そうなんですね」

『別の便を使ってください』


「はい、分かりました」


 これが現地文化ってやつか、目の前で遠ざかっていくアマネスク町行きの馬車を見送った


「(それ、先!言えや!!)」


 一方的に長距離バス仕様と思い込んでいた俺も悪いが中々クソみたいなシステムに出会した。おかげで余裕を見積もっての旅の計画をして、早めに実行することの大切さを反芻できたよ。どうもありがとうございます(ヤケクソ)



 その後、悉く便が捕まらないまま時計が1時間進んだ。この感じまるでハウステンボスだ。あそこは指定席の特急を逃せば足止めを喰らうことになる


 日曜日に帰ろうとして、最終便が捕まらない可能性があったのはマジで恐怖でしかなかった


「(仕方ない)」


 気を取り直して、スマホで『定期便』について調べるもスマホも馬車は『全席満員』を示していた


 アプローチを変えて別の移動方法を確認していると『徒歩』による距離が出てきた。確認してみると案外町ひとつなら何とかなる距離だったので、俺はアマネスクの町に歩いていくことにした



「(歩いて2時間か、まぁ着くだろう)」


 金が無さすぎて一駅分節約するために歩いた大学の頃を思い出す。無茶苦茶な行動で苛立ちを冷やしつつ、取り敢えず歩き出した


 街道に出る北正門の兵士に紫色のカードを見せ通して貰った。町の外壁に設けられた歩道トンネルを抜け、久方ぶりに自分の足で地面を踏めた

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