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3/5


「誰からやる?」


「んじゃあーしがいってみるわ」


「黒瀬ミカ様ですね。どうぞ」


ギャル系の女子高生が自然体な感じで結晶の前へテクテクと歩き、そのままぽんと手のひらを添える。


「ひゃっ」


結晶から目も眩むような光が発生する。

まぶしくて何も見えん。

そのまま数十秒間、激しく光り続ける。

やがて光が収まると、いつの間にか女子高生の傍らに半透明の巨大な狼のような生き物がどこからともなく現れていた。


あれが精霊か。

精霊は親しげにギャルにまとわりついている。


「ウォン!」


「あはっ、何この子かわい~」


「火の精霊ヴォルフ様です」


聖女の宣言に、それまで沈黙していた周囲の騎士からどよめきが起きる。


「素晴らしい・・・・・・!中級上位の精霊だ」


「美しい。それになんて魔力だ……」


「次は俺だ!」


「どうぞ。豪打猛様」


なんだか暑苦しい雰囲気の背の高い男子学生が謎儀式に続く。

ギャルの時と同様に謎の光が発生。

今度は巨大な翼の生えた金色の蛇が現れた。


「シャー♪」


「うおぉっ!?でけぇ!?」


人を丸呑みできそうな蛇に驚いている。

だがそんな反応もお構いなしに、デカ蛇は豪打という男子高生に絡みついていく。


「土の精霊ボード様です」


「こうも立て続けに強力な精霊が……」


「召喚者への加護がこれほどとはな」


周囲の騎士も盛り上がっている。


「つ、次は私ね」


メガネをかけた、失礼だが地味めな女子学生にはイルカのような精霊が現れた。


「キュイキュイ♪」


「はぁ、よかった・・・・・・。虫とかじゃなくて」

「水の精霊ドルア様です」


その後もよく分からない召喚イベントが続いていく。

周囲も大盛り上がりだ。


・・・・・・うん。

これはアレだな。

まさにリアル召喚ガチャだ。

はは・・・・・・。

俺がスマホでやってるソシャゲ、現実になるとこんな感じになるんだなぁ。


さて。残るは俺ともう一人の男子学生だけになった。

お互いに視線がかち合う。


「おっさん先に行くか?」


「いや、最後でいいよ」


なんとなく男子学生を先に譲ることにした。

男子学生は周囲の注視の中でも物怖じせず前へ出て、結晶に触れる。


「勇者。一ノ瀬透様。どうぞ」


「うっ!?」


するとこれまでにないレベルの爆発的な輝きが視界を埋め尽くした。

明らかにこれまでの召喚ガチャとは違う現象だ。


この輝き、この演出は大当たりに違いない。

これまでよりも長い輝きが数分間続き、ようやく収まる。


そこには宙に浮く絶世の美女が、なんと二人もいた。

なんというか、そこにいるだけで威圧感、覇気のようなものを感じる。

素人目にも分かる。


これはSSRですわ。


「よろしくねトオル」


「ふっ。期待してるぞ」


しかもちゃんと人の言葉をしゃべり、意思疎通も可能な模様。

美女精霊が男子学生の頬に手を添えている。

おーい。後ろの女子学生達の顔が夜叉になってるぞ。


「か、風の大精霊様に火の大精霊様……」


それまで平静を保っていた聖女アルネーゼもプルプルと震えている。


「し、信じられん・・・・・・」


「前代未聞だ!」


「なんと美しい・・・・・・!」


「まさに奇跡だ!」


「あぁぁ精霊様あああ!」


周囲は感情を爆発させるように興奮し、賞賛と祈りの言葉が飛び交う。

中には膝まずいて涙を流す騎士までいる始末だ。


えぇ・・・・・・。

マジかよ。

なんかこれの後にやるのヤだわぁ・・・・・・。

先にすればよかった。後悔先に立たずとはこのことである。


「さぁ。次はあなたの番です」


若い男の声が俺の耳元に語りかけてくる。

いつの間にか、青い鎧を装備した眼光の鋭いイケメンの騎士が横に立っていた。


ここで俺だけ拒否なんて選択肢はないんだろうなぁ。

そんなことを思いながらガチャ結晶に近づく。

どうやらこのガチャは一回しか引けないようだが、果たして何が出るのか。


年甲斐もなくドキドキする。

こうみえてガチャ運には結構自信がある。


周囲の注目を集める中、俺は前へ歩み出て結晶に手を触れた。

さぁ。

こいっ!

・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


あれ?

光らないぞ?

一旦結晶から手を離し、もう一度触れてみる。


おっ、少し光が・・・・・・。


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