表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/4


気が付けば、俺は真っ白な空間に浮かんでいた。


足場はない。重力もない。

なのになぜか普通に立っているような感覚だけがある。


脳が現実に追いつかない。

四方八方から、無数の視線が俺に注がれている。


やがて空間の各所に、ぼんやりと光の粒が灯り始めた。

それが段々と輪郭を持ち始め、動物や人の形を象っていく。

狼、鷹、蛇、竜。人の形をしたもの、そして名前もつけられないような何か。

大きなもの、小さなもの。

崇高な光を纏うもの、底知れぬ闇を抱くもの。


それらは皆、ひどく静かに、ひどく熱く冷たく俺を見ていた。

やがて幻影達は音もなく俺の周囲をぐるぐると飛び回り、時折ぐっと顔を近づけては離れていく。


まるでスーパーの鮮魚コーナーで魚を品定めするような、そんな目つきで。

これが精霊の世界とやらか。

様々な男女の声音が耳や、あるいは脳に直接響いてくる。


「不細工」


「ちょっと生理的に無理」


「なんかカッコ悪い」


「変な匂いがするわ・・・・・・」


「ひん曲がった性根のオス。美しくない」


「無しね」


「パス」


「チェンジ!」


なんだこの誹謗中傷の嵐は。

ふざけんなよ。

中年だからって何言っても許されると思ってんのか?あぁ?


どいつもこいつも開示請求して訴えてやろうか。


「このクソ精霊共がッ!!」


気が付けば塔の屋上結晶の前に立っていた。


周囲がシンと静まり返っている。


気まずい空気。

それまで皆がきゃっきゃしていただけに落差が激しい。

誰もしゃべらんから俺から口を開くことにした。


「なぁ、この場合はどうするんだ・・・・・・?」


「・・・・・・こちらへおいで下さい」


俺の困惑に応えたのは聖女だ。


「え?失敗したの・・・・・・?」


「駄目なパターンもあるんだな」


「かわいそー」


少し憐れみを含んだ召喚者共の声が俺の心に刺さる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ