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九話

ユキ達と別れて急いで地上に戻ったロイは、トカゲのような大型の魔物と、群れている小さい魔物が騎士団の周りを囲んで戦闘が起きていた。すぐに近くにいた副官へ声をかける。


「ナーゲル!状況説明!」

「師団長!? 突如あの大きい魔物がこちら目掛けて、突進してきました。怪我人は今の所無し。

新人はなるべく下げていますが、この数はかなり対処するのは難しいかもしれないです。」


 周りの小物を片付けていたサイラスが気が付きこちらへ背中を向けながら下がる。

 

「ロイ師団長、ユキ様は!?」

「先程の揺れで遺跡の地盤が崩れ落ちた。

ベンダバールも一緒だ。恐らく問題ない!」

「なんて事だ…直ぐにでも無事を確認しに行きたいが…これでは不可能ですね…っ」


ボス格の魔物が叫び声をあげた途端周りの魔物がこちらに向かって来た。


「来たぞ!総員構えろ!!!」


二人の身を案じて祈るも、目の前の敵に集中する。

 どれほど時間が経ったのか一向に減る様子のない魔物に苦戦するロイ達。

確実に数を減らしている。なのに減るどころか増えているような気がしてたまらない。


「はぁっはぁっ…お、おかしくないですかっ!

数減ってないの!!」

「っ!確実に減っているはずだが、次々と何処からか現れている。」


他の兵士も消耗戦になってきて疲れが見え始め、

新人達もそろそろ体力が持たなくなってきていた。

このまま続くとまずいと考え、頭を潰すしかないと覚悟を決め二人の副官へ声をかける。


「サイラス、ナーゲル!道を開け!

頭を一気に叩くぞ!!」

「了解です!」

「分かりやした!!」


サイラスと、ナーゲルが道を開く為に一気に畳みかけようとしたその時、上空に白いドラゴンが飛んでいたのが目に入った、シオンが落ちてくる。

落ちる速度を利用して大型の魔物へ重い一撃を入れたそのおかげで地面へ伏せたおかげで少し余裕が出来た。

 大型の魔物もかなりの重い一撃だったようで起き上がるのに苦戦していた。

 

「ロイ師団長!すみません、遅れました!!」

「ベンダバールか!?」

「お前どこから!?」

「大丈夫だ!ユキはどうした!」

「ユキ師団長は上空でファントムが現れたからそちらをと!」

「そういうことか!!」

 

上を見ると白いドラゴンとワイバーンが物凄い速さで戦っているのが確認できた。

そして強い光が何度も放たれている。

 ユキの【光霊術】だった。


「ロイ師団長!魔物が!」


呼ばれた方を向くと、地にふせていた魔物がやっと起き上がったようでフラフラと立ち上がる。そしてまた吠え周りの魔物を呼ぶ。


「まだ威力が足りなかったかっ!」

「いや、充分だっ!!!」


 弱まった魔物に向かって走り火の魔法を纏わせた剣で魔物の体を切り刻む。

するとそれがトドメとなったか、動かなくなった。

だが、上にファントムが居る為か…そう簡単に終わるわけがない。

黒い霧のようなモノが体から溢れ出した 。


「やはりこちらも起こるか!!」


ファントム化は近くに憑かれたモノが居ると必ずと言っていいほど、片方もなってしまう。


「師団長どうしますか!!??」

「何とかするしかない…総員!退避しろ!!」


そう言うと先程よりも強い魔力を剣に纏わせた。

これで殺れなかったらおしまいだと力を強め、振りかぶり振り下ろす。


「ここで葬られてくれ!頼むから!!」

 

当たる…と思ったその時魔物が避けた。

致命的な傷を負っていながらできるはずのない跳躍をした。そして目の前着地された。


「「ロイ師団長!!!!」」

 

まずいと思ったその直後身体中に鋭い痛みと後ろに飛ぶ感覚に意識を失った。

 その時に誰かが叫ぶ声が聞こえた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ユキside

 

上空戦

ミカエルの翔ぶ速さにワイバーンがしつこく付きまとう。


《しつこいわね!》

「流石ファントムだね…嫌な生命力っ!!」


光霊術をすかさず放ち当たっているにも関わらず、気にもしない様子で飛び続けるワイバーン。

そして直ぐに傷が回復していく。

今までのファントムと何か違うと頭を悩ませているユキ。


「こいつ、自己再生能力が高すぎる。

ワイバーンはここまで早くない!」

《何かまた別の力を感じる》


 ミカエルの言葉に耳を傾けながら、防御術を張る。

 

「どういう事!?」

《恐らく傀儡になってるかも!》

「ファントムを操れる者がいるってこと!?」

《確かじゃないけど可能性よ。》


 操る者がいた場合、その者から倒さない限り意味が無い。

もしくは、ワイバーン自身の生命力が尽きるのを待つかしかない。

だがどちらも不可能に近い。

どうしたものかと頭を悩ませていると、考えが一つ浮き出てくる。


《ヤツの体を一気に滅する光霊術を放つしかない。》

「だよね…でもこの状態だと詠唱しないと出来ない。」

《えぇ》


一か八か…ミカエルを信じるしかないとユキは覚悟を決める。


「ミカエル…私をなるべく高い所から落として…」

《無茶なことをすれば貴方の身体が…っ》

「大丈夫。何かあってもミカエルが助けてくれるよね?」

《そうやってずるい事をいつも言うんだから…》

「ごめんって…大事な相棒だよ。約束したじゃない。独りにしないって。ね?」

《ほんと無茶しないで…》


そう言うと空高く翔ぶミカエル。

そしてミカエルから飛び降り、落ちると同時に詠唱を始める。


心を無にしてイメージを強く持つ

魔法はイメージと言霊で強まる。

大丈夫ミカエルがいる。

そう言い聞かせ集中する。


〈我ハ求メル、汝ニ宿ル煌々タル輝キ、

深淵ヲ照ラス制裁ノ剣トナルコトヲ〉


スピリアが収束しワイバーンを囲む

そして鋭い光の剣となり標的を定める。


〈十四ノ聖剣〉(カトルズアスカロン)


ワイバーンに一気に刺さるのと同時に

ミカエルが落ちるユキを拾う。


「どうだ…」


ワイバーンは黒い霧となり消える。

完璧に倒した。

久々の詠唱魔法で酷く痛む胸を抑え、早まる鼓動を落ち着かせる。

詠唱する事で本来の力を発揮するが、

その分精神力と体力を持っていかれ、そして謎に痛む胸元。痛みが酷くなるこれはいったい…そう考えいる暇なんてないと頭を左右に振り下の団員たちの心配をする。

魔物はファントムと化していて、その傍には倒れたロイが見えた。


「っ!ロイ義兄様!!!」

《ダメ!このままだと間に合わない》

「やめてぇぇぇぇえ!!!!」


 ユキが叫んだその時突然強い【風】が吹いた。

それはシオンの周りを護るように、纏うように吹いていた。



《あれは…》



まるで竜巻が全てを飲み込むが如く

【彼】の周りを全て巻き込んで吹いていた。

この感じを私は知っている。


自分の中に眠るモノが目を覚ますその前兆。

全てが変わるまさにその時。


そして彼はその【風】を右の拳に纏い

魔物に叩きこんだ。

辺り1面凄い風圧に押される。

その勢いは目を開けていられない程だった。


「っ!!!!!」


風が止み目を開けると。

ファントム化していた魔物は消え、

気を失った彼とロイだけがいた。


 慌てて飛び降り、状態を確認する。

 ロイは怪我は思ったほど酷くなく、背中を打ち付けた衝撃で気を失ったのだと確信した。そして少し離れたところに倒れるシオンへとナーゲルとサイラスが駆けつけた。


「そっちは?」

「気を失ってますが、傷は見当たりません。

 とりあえず治療術かけるようにします!」

「任せたよ。」

「ユキ様、お怪我は?」

「私はなんともないよ。それより団員達の状況を報告してくれる?」

「大怪我をおった物はベテランの者達だけで、新人は軽い怪我で済んでます。

 今動ける者たちで野営の準備と、結界術をかけるように急がせてます。」

「結界は私がかけるよ。2人の療養を優先して行って。」

「分かりました。」


 ナーゲルと連携して2人を安全な場所へ運ぶのを確認すると、少しの間姿を隠していたミカエルが現れる。


 《とりあえず無事のようね。》

「うん。」

 《貴方も無理しちゃだめよ。胸痛むんでしょ?》

「これくらい大丈夫だよ。」

 《ダメよ…。》

「大丈夫だって。それより空から他に魔物が攻めてこないから確認して教えてくれる?」

 《……わかったわ。》


「ユキレスティア様。法器の展開終わりましたが…。」

「ありがとう、ブルーノ君。」


 飛び上がり森の方姿を消してへ行くミカエルをブルーノと2人で見送り、ユキはすぐ足元に防御結界を貼るための法器を出して、チカラを込めると他の法器が反応し白い膜のようなモノが現れた。


「今日はゆっくり休めるといいけど。」

「貴方もですよ。無理しないように。」

「みんなして心配性だね。」

「当たり前ですよ。今まで色んな事がありましたから。」

「そーだね。」

「……ほんときつくなったら何時でも変わるんで言ってくださいね。倒れられたらまたうるさいんで、あの人達は。」

「はいはい。」


 野営地の中心へユキとブルーノは向かった。

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