433.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
脳内に直接響き渡る信者たちの熱烈な祈りの声に、私はすっかり疲労困憊していた。
ズキズキと痛むこめかみを強く押さえながら、ふと、家の中にあの暴れん坊の姿がないことに気がつく。
「あれ? テンコおらんやんけ。どこ行ったの?」
「ん? テンコなら、外で元気に遊んでおるよ」
吹雪が縁側で優雅に温かいお茶を啜りながら、のんびりと答えた。
どごぉぉぉぉぉぉんっ!
「へお?」
突如、山全体を激しく揺るがすような凄まじい爆発音が轟いた。
私はたまらず大きくのけぞり、そのまま庭へと飛び出す。
視線の先にある裏山で、信じられない光景が広がっていた。
太い木々が根元から次々となぎ倒され、猛烈な巨大竜巻が天高く立ち昇っている。
暴風が吹き荒れるたびに、鼓膜を劈くような轟音が鳴り響いた。
「わーい! たーのしー!」
竜巻の中心で、増えた三本の尻尾をパタパタと楽しそうに振り回しながら、テンコが無邪気に宙を舞っていた。
黄金色の神気を纏った彼女の周囲には、濃密な魔力で形成された風の刃が無数に渦巻いている。
「グギャァァァァァァァッ!」
その猛烈な暴風の中で、巨大な岩のような体躯を持つ高ランクの魔物、マウンテン・トロールが、まるで洗濯機に放り込まれた靴下のようにグルグルと無様に回転させられていた。
どんな物理攻撃も通さないはずの強靭な皮膚が、テンコの作り出した風の刃によってあっさりと切り刻まれ、悲痛な叫び声を上げている。
「えーいっ!」
テンコが空中でくるりと宙返りをし、小さな前足をちょんと振るった。
ただそれだけで、空気を切り裂く鋭い衝撃波が発生し、マウンテン・トロールの巨体を遥か彼方の空へとピンボールのように弾き飛ばした。
キラーン。
空の彼方で星が一つ瞬く。
「……ちょっと吹雪!」
私はガックリと項垂れ、振り返って縁側の吹雪にビシッと人差し指を突きつけた。
「外で遊んでるっていったやん! あれ、完全に魔物相手に無双してるだけだよ! 一方的な大虐殺だよ!」
「まさに、だから遊んでおるじゃろ」
吹雪は焦るそぶりも見せず、ふうっとお茶の湯気を吹いて涼しい顔で頷いた。
「神獣へと至ったテンコにとって、あの程度の魔物などただの動くおもちゃに過ぎん。ほれ、見てみい。実に楽しそうじゃろ?」
吹雪の視線の先で、テンコが目をキラキラと輝かせてこちらへ飛んできた。
「みかー! てんこ、おっきなおもちゃと遊んだの! えらい?」
テンコは私の胸にダイブすると、頬をぱんぱんに膨らませてドヤ顔を作り、「褒めて褒めて」とばかりに頭をすりすりしてくる。
その圧倒的な愛らしさに、私は怒る気も完全に失せてしまった。膝から崩れ落ちて、そっとその頭を撫でる。
「あはは。えらい、えらいけど。次からは山を吹き飛ばさないようにお願いね」
無邪気で規格外な神獣の力を目の当たりにし、私は深く、深くため息をついた。
私の平和なスローライフは、すでに完全に崩壊しているのだった。
【おしらせ】
※5/6(水)
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