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息子夫婦が戻って来た。普段は遠方に住んでいて、定期的に帰ってくる。
そうした時旅館業務を手伝ってくれる。
イベント会社を立ち上げ運営しているが、会計関係を一手に引き受けてくれているからだ。
「新規予約が入ったよ。林様だって。今回は妻と二人で、っておっしゃったけど。部屋は1階がいいかな?」
「おみえになってからでいいんじゃないかい?というか、何を驚いているんだい?」
「な、世情に疎すぎる。母さん、有名な書家の方だよ!僕らもイベントでお世話になってるよ。」
「「「「えっ」」」」
「というか、今回イベントの打ち合わせで僕らが宿代を持つことになってるんだ。」
「「「「えーっ!」」」」
息子たちは林様と打ち合わせを何度かした中で、この旅館を利用したことを話したそうだ。その結果、息子からこの旅館での展示をお願いしたらしい。
快諾をいただき、展示会をすることになったらしい。
私たちに内緒でびっくりさせようとしたものの、あまりにもの無知ゆえに話さざるを得なくなったらしい。
旅館全体に展示してもらえるようで、息子たちの方が恐縮したらしい。
せっかくなので、展示が終わって欲しいものがあれば頼んでみようかと主人と話した。
そして、林様がおいでになった。
「いらっしゃいませ。林智章様でいらっしゃいますね。お疲れ様でございました。お待ちしておりました。ごゆるりとお過ごしくださいませ。お部屋に案内させていただきます。」
「打ち合わせはお部屋の方がよろしいでしょうか?それとも、こちらで用意した部屋でよろしいでしょうか?」
「別室でお願いできますか?すみません。先に済ませておきたいのですが。」
「承知いたしました。では、部屋はこちらになります。いつでも構いませんのでよろしくお願いいたします。」
林様は打ち合わせを終えて、奥様と散策に出かけられた。




