首都ロザリア 1
翌朝、身支度を済ませたナツメ、キャロル、ミアの三人はパラメリア王国の首都ロザリアに向かって出発した。
ヴィエジャの森と同様、王国の中央に広がる平野にも異形種は出現するようになっていた。
ただ、ゴーストのような不死系はおらず、カテゴリー『一』に該当する異形種しか今のところ確認されていない。
道中、草むらに高々と生えた樹木などで休憩を取りつつ、ナツメ達は予定通り一時間弱でロザリアに到着した。
ロザリアは首都と言うだけあって、ナツメ達が拠点にしていたキーロフとは比較にならない規模を誇っていた。
まず家屋の数がキーロフの十倍はある。当然、人口もそれに比例して多い。
首都の周囲を取り囲む、堅牢な塀の南側に位置する門を警護する兵士にトレジャーハンターの証を見せ、城門をくぐったナツメ達は、それを改めて実感した。
赤茶の瓦屋根に黄土色のレンガで構成された街並みこそキーロフと似ていたが、南門から中央部に向かって伸びる大通りには数え切れない露店が立ち並び、大勢の人間が行き交っている。
ロザリアの中央部は小高い丘になっていた。その丘にはこの国を治めるパラメリア城がそびえ立っている。
城は群青色の屋根に白亜のレンガで造られ、尖塔が天を衝くかの如く城の左右に隣接している。
「相変わらず、いつ見ても凄いね。ロザリアは!」
キャロルは興奮した様子で、露店の店先に置かれた果物や通り沿いのカフェテリアをキョロキョロ眺めている。
「ほら、ミーちゃんもフードなんて被ってないでさ。堂々と歩こうよ!ロザリアは、あのくそポトラ村みたいに異人種を虐げる人なんて居ないから」
キャロはそう言うと、ミアのフードにめくり上げた。赤毛の髪から小ぶりの猫耳が顔を覗かせる。
ミアは「きゃっ!」を小さく悲鳴を上げたが、別段嫌がってはいないようだ。
「おい、キャロ。なんでも自分のペースで、ことを進めるな。ミアにはミアの考えがあるんだしさ」
ナツメは語気を荒くし、キャロルの素行を注意する。キャロルは、殊勝な態度で「ごめんなさい……」とミアに頭を下げた。
「い、いえ。気にしないでください!なんとも思ってませんから。それに、ロザリアの人たちが異人種に寛容なことも承知しています」
ミアが頭を下げるキャロルを擁護する。




