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「……俺もキャロもさ。故郷が異形種に襲われて両親や祖父母を失ったからミアの気持ちよく分かるんだ。そんでもって人間は独りじゃ絶対に生きられない。俺もキャロルが居なかったら、とっくに野たれ死んでたかもしれないしさ。ミアが俺たちに感謝してくれたのは凄く嬉しいよ。だけど俺たちもミアが一緒に来てくれるって言ってくれて凄く感謝してる。お互い様かな」
ナツメが頭を掻きながら笑いかけると、ミアも呼応するように微笑を浮かべた。
「まぁ、なんていうか明日も早いしそろそろ休もうか?」
「そうですね」
二人が宿屋のドアを開け部屋に戻ろうとした時、立ちはだかる人影が見えた。キャロルだ。
「ねぇ、何してたの?二人で……あ、分かった!ミーちゃん、ナツ兄に夜這いされそうになってたの?」
「そんなんじゃねーよ!お前、夜這いの意味分かってないだろっ!?」
「え?じゃあ、何?二人で僕を差し置いて密会してたとか?酷いよ……ナッちゃん。僕というものがありながら……」
「だーかーらぁ!ミアが寝付けないみたいだったから、テラスで少しトーク?てか会話してただけだ!」
ナツメとミアの怒鳴り合いにミアが躊躇いがちに「……あの」と割って入る。
「え?」と二人は同時にミアの方を向いた。
「お二人は……その、もしかして、こ、恋人……同士とかなのでしょうか?確かご兄妹と聞いていましたが……」
「そうだよ!」と言いかけたキャロルの口をナツメは手で塞いだ。
「いや、全然違うから!こいつは少し頭のネジが外れてるっていうか……後、兄妹っていっても血は繋がってないしさ」
もごもごと何かを口走るキャロルを抑えながらナツメは必死に、困惑気味のミアに弁明する。やがてキャロルがナツメを振りほどき食ってかかった。
「何よ!頭のネジが外れたって。どうせナッちゃんみたいな平凡な顔の男なんて誰も相手してくれないだろうから、僕がこうして言ってあげてるのにさ!」
「勝手に決めつけんなよ!」
その時、宿の周囲から「うるせーぞ!」「何時だと思ってんだ!」という苦情と怒号が聞こえてきた。ナツメ達は「すいません!」と言い残し、一目散に自室に逃げ帰った。




