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【461さん踏破録】〜元引きこもりダンジョンオタク、入るたびに構造が変わるグンマダンジョンを攻略して最強探索者に至ってしまう〜  作者: 三丈夕六


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第20話【ボス戦】冥闇の四騎士

 青白い炎の浮かぶ部屋。部屋の中央にある石碑まで歩いていき、何を書いてあるのか見てみる。しかし何と書いてあるか分からない。異世界文字か? 首を傾げているとリレイラさんの声がした。


『冥闇の四騎士、その魂四つに分かれ、愚かな探究者を葬らん』


「そう書いてあるんですか?」


『これ以降は私の知らない文字で書かれている。四騎士……か』


「四騎士? おいおい……まさか、4体1で戦えとか言わないよな?」


 言った瞬間、部屋を照らす炎が明るさを増した。そこには冥闇騎士(ダークネスナイト)が部屋奥に佇んでいた。


「オオオオオオオ!!!」


 冥闇騎士(ダークネスナイト)が剣を引き抜く。四騎士とか書いてあったのに出現したのは1体……どういうことだ? いや、それよりも今は目の前のヤツに集中しないと。


 冥闇騎士がその剣を叩きつける。橋の上で戦った時よりも剣速が速い。


「オオオオオ!!!」


 連続で攻撃を放つ騎士。その攻撃を避けながら、チャクラムを回転させる。この部屋なら位置取りは橋より難しくない。この角度なら……いける!



 チャクラムを放とうとした瞬間、リレイラさんの叫びが聞こえた。


『ヨロイ君!!』


 突然の声で反射的に大地を蹴る。真横から放たれたロングソードが、俺の目の前を通り過ぎ、大地に叩き付けられた。ビシリという音と共に地面へ亀裂が入る。横目で見ると、冥闇騎士が2体になっていた。


「マジかよ……増えた!?」



「オオオオオ!!!」

「オオオオオ!!!」




 2体になった騎士が2人で襲いかかる。咄嗟にチャクラムからトラネアウィップへと持ち替え、騎士の1体に放つ。トラネアウィップが騎士の腕に巻きつき、騎士がバランスを崩す。俺は、鞭を全力で引き、騎士達を衝突させた。


 鞭を武器ホルダーに戻して、倒れ込んだ騎士の元へ全力で走る。積み重なった騎士へシャドウソードのダッシュ斬りを放った。1体の騎士が攻撃に気付き、地面を転がって避ける。しかし、もう1体の騎士は回避行動が間に合わない。その鎧ごとシャドウソードで叩き斬った。



「オア゛ッ!?」



 苦しみの声を上げる冥闇騎士。砂のように崩れ去る鎧。レベルポイントが出るかと思った瞬間、別の雄叫びが部屋中を包み込んだ。



「オオオオオオ!!!!」

「オオオオオオ!!!!」



「……マジか」



 次に現れたのは2体の冥闇騎士。転がって避けたのも含めて3体……時間経過で数が増えるってことか?


 3体の騎士が攻撃を仕掛ける。ヤツらのシャドウソードが連続で放たれる。それをローリングで回避した俺は、距離をとって再びトラネアウィップで攻撃を試みる。だが、鞭だけでは威力が低く、せいぜい行動を邪魔するのが精一杯だ。連続で叩きつけられる剣撃は、反撃の機会を奪っていく。


 シャドウソードのおかげで倒すのは難しくないが、連続攻撃を掻い潜って倒さなければいけない……厄介だな、コイツら……っ!



「オオオオオオ!!!」



 防御一辺倒になっていると、さらにもう1体の騎士が現れた。



 ……おかしくねぇか? さっき冥闇の四騎士って書いてあったよな? 最初に倒したヤツも含めるとこれで5体目なんだが……。



「オオオオオオオオオオ!!!」



 その数に気を取られた瞬間、1体の騎士が突撃して来た。横薙ぎに放たれた斬撃を避け、トラネアウィップを騎士の足首に巻きつける。そのまま思い切り鞭を弾き、冥闇の騎士を転ばせる。倒れた所でもう一度シャドウソードを叩き付けた。騎士の鎧に斬撃が放たれ、ザクリと亀裂が入ると、冥闇の騎士は動かなくなった。



 が。



「オオオオオオオオ!!!」



 騎士の死骸が崩れ去った瞬間、再び新たな騎士が現れる。これで6体目……鬱陶しい敵だな!!



『先程から見ていたが、奴らは時間差か倒すと現れるみたいだな……』


「分かってますよ!!」


 騎士の攻撃を避ける。4体の騎士がワラワラと集まって来てはシャドウソードを叩きつける。なんとか逃げ回っているが突破口が見えない。どうする?


『ヨロイ君は気付いているか? この場に出現できる個体数は全部で4体のようだ』


 この場にいるのが4体?


「オオオオオオ!!」


 襲いかかって来た騎士の剣撃を避け、シャドウソードを叩き付ける。真っ二つになる騎士。崩れる死骸。それを見計らったように新たな冥闇の騎士が現れる。これで7体目の騎士が出現したが……。


 その場にいる騎士達を数えると確かに4体だけがその場にいた。


 4体以上現れることが無いのは朗報だが、数を減らそうにも倒すと次の騎士が現れてしまう。それに、4体全員に攻められると厄介だ。何か手は……。


 その時、あのフード野郎のことが思い浮かんだ。スピルギニョルを手に入れた時の言葉が。



 ──有効に使え。次の攻略の鍵となる。



 有効に?



 ……スピルギニョルは敵を倒すとその死骸を操る。



 冥闇の四騎士は倒されると新たな個体が現れる。いや、死骸が消えると(・・・・・・・)現れる。



 同時に出現できるのは4体まで。


 

「……そういうことか」


『何か分かったのかヨロイ君?』


「はい。スピルギニョルを使えば突破できます!」


『スピルギニョルを……? あ!?』


 リレイラさんも気付いたみたいだ。俺は、4体から繰り出される攻撃を避けるために部屋の端へと駆け出した。武器ホルダーからスピルギニョルを取り出し、左手で握りしめる。


 追いかけて来る四騎士。部屋の端に追い詰められ、4体の騎士がジリジリと近付いて来る。その内の1体にトラネアウィップを巻きつけ、思い切り引っ張った。


 引き寄せられる冥闇の騎士。左手に持っていたスピルギニョルを展開する。壁に突っかかるようにして伸びた槍は、冥闇騎士をザクリと貫いた。苦しむ騎士。他の騎士達が迫るのをトラネアウィップで牽制して時間を稼ぐ。槍が貫いた騎士の亡骸……それが大地へと倒れ込む。


 俺は、新たな騎士が現れる前に槍を収納した。


 数秒後、倒した冥闇の騎士がゆらりと立ち上がる。他の騎士達が、起き上がった騎士には目もくれず、俺の方に向かって来た。


「オオ!!」


 立ち上がった騎士が、仲間の騎士の1体にシャドウソードの斬撃を放った。


「オアァ!?」


 困惑したように振り返る騎士達。その隙を見逃さず、攻撃を受けた騎士を槍で滅多刺しにする。再び沈黙する冥闇騎士。その騎士もユラリと起き上がり、剣を構えると他の騎士たちと戦い出した。


 そこからの戦闘は有利に運んだ。2体の騎士を操ったことで、彼らをメインに戦わせ、隙ができると、俺がスピルギニョルで仕留める。



 そうするうちに、全ての騎士をスピルギニョルの支配下に置くことに成功した。



『冥闇の四騎士は4体しかその空間に存在できない……スピルギニョルで奴らの死骸を利用すれば、新たな出現も防ぐことができるという訳か』


「そう。それとまだ最後の仕上げがありますから!」


 シャドウソードの鑑定で見た最後の光景。追い詰められた影は、死ぬ直前に新たな宿主へ取り憑こうとするはずだ。


 騎士達が魔力を使い果たして砂となって崩れ去る。全ての騎士から影が集まり、俺に取り憑こうと襲いかかって来た。



「ォォォオオオオオ!!!」



「お前……()が嫌いなんだよなぁ!?」



 向かって来る影に向かって照明魔法(ルミナス)を発動する。まばゆい光に包まれた影は、苦しみの声を上げながら消滅。今度こそ、レベルポイントの光を溢れさせた。






次回、再び現れる亜空間。そして新たな報酬が……?


 楽しかった、脳汁が出た、続きが少しでも気になると思われましたら


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