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第三百十一話 戦いの駆け引き⑧

「……暴動に関わっている、女神の配下の者達か」


それが一族の上層部の上部が、今回の件をヒューゴ達に任せても、動かなけれはいけなかった事態。


「やっぱり、別世界の者達が起こした暴動は……今も続いているとしか考えられないよな」


奏多は改めて、その答えに行き着いた。


数多に存在する多世界――そこに住む者達の中には、一族の者達のことを恨んでいる者も多かった。


特に、この世界の者達は半分以上がよく思っていない。

そもそも一族の者達が強い力を欲するあまり、三人の神のうち、最強の力を持つとされる神『破滅の創世』の力を手に入れようとしたことが全ての発端だったからだ。


「……俺を取り戻すために」


その事実が、奏多の身に重くのしかかる。

目の前で血の通った家族を、友達を、仲間を、自分の世界を形作るかけがえのない人達を、理不尽に傷つけられ、犯され、弄ばれる現実がそこかしこに転がっている。

いや、恐らく、この世界だけではない。

『破滅の創世』の恩恵が、失われたことはあまりにも大きい。

数多の世界の各々で、目も当てられてない悲劇に襲われている誰かが、今もこの瞬間にもいるのだ。


「俺が――『破滅の創世』がいなくなったことで、数多の世界が苦しんでいる……。だから、何としても、その恩恵を取り戻そうとしている人達がいる」


神の魂の具現として生を受けたこと。

尋常ならざる力を持つことは同時に尋常ならぬ運命を背負うことになるのだと、奏多は身を持って知ってしまったから。


「でも、彼らは、その恩恵を取り戻した後、どうするんだろうか……」


奏多がどれだけ考えても、その答えに繋がる道筋を見つけることができなかった。

その真実は、どこにいるとも知れない、不変の魔女、ベアトリーチェの配下達だけが知っている。

ただ――。


「不変の魔女、ベアトリーチェ……。そして『破滅の創世』の配下達……」


ベアトリーチェ達のことを思い出していると、まるで意識が吸い込まれそうになる。

今の奏多にとって、まるで揺りかごのようにどこよりも近く、どこよりも遠い場所にベアトリーチェ達の存在があった。


「彼女達とはやっぱり、どこかで会ったことがあるような気がする……」


胸から溢れる気持ちをそのままに。

それは奏多が零した確かな想いの吐露であった。


「ふむ……わらわ達とこうして向き合うことで、『破滅の創世』としての意思が反応しているようじゃのう」


その様子を目の当たりにしたベアトリーチェはぽつりとつぶやいた。

その言葉に後押しされるように、レンは奏多の前に進み出る。

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