ドリームワールド
2016年3月のお話。
次回から更新日はこの曜日のこの時間になります。
「きた!ドリームワールド!ねずみ王国!」
「もはや隠す意味があるのかってほど場所が丸わかりなんだが」
「久々に来たなあ」
「俺いつ以来だろう」
優美、千夏、佳苗、茂光。
4人が足を踏み入れたのは某夢の国。
わざわざホテルに泊まってまで旅行しに来た理由である。
「ねーねーねー!どこ行くどこ行く!」
「川口よ、とりあえず落ち着くのじゃ。今パンフレット出すから」
優美が下げてた鞄をごそごそやりながら、
パンフレットを引っ張り出す。
「で、どこ行きたい?リクエストプリーズ」
「はいはい!私行きたいとこあります!」
「じゃあ川口。あ、とりあえず絶叫系は勘弁して」
「えーっとできれば私も…絶叫系はなあ…」
「え!ちなっちも優美ちゃんも絶叫系駄目なの?」
「駄目なんだよ。怖い」
「私も進んで乗りたくはないなあ…」
「千夏さんが乗らないなら俺も乗らないからな」
「えーなんだー…それ系統めっちゃ行こうと思ってたのに…」
「逆に川口好きなのかその手の」
「大・好・物」
「まじか」
「誰かと来るときの定番だよねー」
なお優美と千夏が飛んでくる前に来た時は、
普通に絶叫系に乗った回数は0であった。
進んで乗る気は無いらしい。
「まあ、後で乗ってもいいけどね。何度もは嫌だけど」
「やったー!じゃあ後でいこー!」
「ほいほい、で最初どこ行くよ?」
「んー私ここー」
「お前そこ好きよな…」
「あそこ楽しい」
ジャングルでクルーズするあれである。
千夏曰く、係りの語りが楽しいとのことである。
「…しっかしあれだな、改めてみると、なんかに乗る奴が大半なんだなここ」
「確かに…歩いて云々とかはあんまりないな、いや俺が知る限りだけど」
「とりあえずあれだな、どうせ絶叫系はアホみたいに並ぶだろうから、ファストパスだっけ?あれとっとこ。並ぶのダルイし」
「そうだねー。とりあえず山希望します」
「スプラッシュしてるやつでよろしい?」
「よろしい」
「じゃあとりあえずその後千夏が行きたいとこいって、後はその場のノリで決めると、これでいいか」
「計画ってなんだっけ?」
「知らねえ」
行き当たりばったりである。
「しかしあれだな、休日だからか人は多いな。めっちゃ多いな」
「まあなんというかとりあえずここ来ない?みたいなとこはあるしねー」
「分からんでもない。まあそれで実際に来ることあんまりないけど」
なお優美が実際に来た回数は片手の指で数えられるほどしかない。
住んでいるところが今の神社から大きく離れるわけでもない場所だったので、
どうしてもここまで来るとなると長期休暇になってしまうのである。
「千夏さんも以前来たことが?」
「うん、何回かねー」
「自分もまだこれ3回目です。案外中部に住んでると来たくても来れない時が多いんですよね」
「日帰りできないわけじゃあないけどどうせ来るならゆっくり行きたいってのはあるよね」
「まさしくそれです」
千夏も似たようなものである。
「あれ、みんな意外と回数少ない感じ?」
「なんか予想だけど佳苗ちゃんすっごい来てそうだよね」
「そんなことないって、せいぜい二桁くらいだしー」
「多いわ。住んでる場所変わらんはずなのに多いわ」
「だってさ、休みあるととりあえず行っとこうみたいな雰囲気にならない?高校入ってから特に」
「行きたくても行けないんですがそれは」
「ちなっち達と会う前とかものすごい来てたけどなあ。ちなっち達と会ってからは他に楽しいこといっぱいあるからそこまで行かなくなったけど」
「…ちなみに、俺らと会ってから来るの何回目?」
「…4回目くらい?」
「うん、ほんとに休みの度に来てるのかってレベルで多いな」
「そして今回ふとそういえば4人で行ってないなーと思い立ったわけですよ!」
なおもはやいつもの事だが、
今回の話を持ってきたのは佳苗である。
行動力が他3人と比べて段違いである。
「さーてとりあえずアトラクション入るぞー!」
「ファストパスとってからな」
「あ、そうだった」
そこからは怒涛のアトラクションラッシュである。
時間は限られているのだ。
「これ乗るといつも思うんだけど」
「うん」
「このアトラクションって係員でおもしろさの8割を補ってる気がする」
「言っちゃダメ」
クルーズ乗ってみたり。
「あのさあ」
「なあに優美ちゃん」
「乗りたくないつったよねえ」
「いやー一人は寂しいしねー」
「後でスプラッシュ乗るんだろ!なんでその前に絶叫乗るんだよ!やめろや!あと巻き込むな!」
「はいはい、ここまで来たからには後戻りできませんよー」
「呪う、もう絶対呪う。家帰ったら覚悟しろ。これでも巫女なんだぞ」
「巫女ってそういう仕事だったっけ?」
「いや、たぶん違う」
絶叫マシンに優美が攫われたり。
「千夏さんあそこです!」
「よっ!」
「おお、ナイスショット。さすが千夏さん」
「へへー。私こういうの結構好きなんだー」
「お、あっちに高得点的が」
「…なんかさ、前の二人右側のシューターしか使ってなくね?」
「しげみっちのことだもの、しょうがないよ」
「それもそうか」
ガンシューティングでいちゃついてみたり。
「うごおおおお、パレードがぁ!パレードがぁ!」
「道塞がれちゃったね」
「ここ来るとよくありますね」
「まあしゃあないしゃあない。パレード見ましょ」
「あー向こうのアトラクション行きたいんじゃあ!」
パレードに道塞がれてみたりと色々あった。
「いや、楽しかった」
「みんなで来ると楽しさ倍増」
「割と真理だと思うそれ」
「ねーねーみんなそろそろいい時間だしお土産見てかない?」
「せやな。どうせだし見てこうか。できれば混んでないことを祈りたいが…」
「…まあ、無理だろうねー」
「ですよねー」
そんなこんなでお土産屋に向かう4人。
いたるところにお土産屋自体はあるので、
特に場所に困ることは無い。
「うーん土産かあ、何買ってこう」
「私は学校のみんなに配る使命があるからお菓子は絶対いるなー」
「あー川口はやっぱりそういうことやるのか」
「なんだろ、もうどっか行ったらやらないといけないみたいな?」
「成程」
「優美ちゃん何買うの?」
「何買おう。無難に菓子でもいいけど」
「これとか?」
「おう耳買ってどうすんじゃ。どこで使うねん」
「可愛くない?」
「知らん。おい勝手につけるなおい」
「おおさすが優美ちゃん。良く似合う」
「客観的に見て割と似合ってんのが腹立つ」
「まあまあ似合ってて悪いことなんてないから。買っちゃお?買っちゃお?」
「本音は?」
「ちょっとそのまんまぎゅっとしたい」
「おい。わたしゃ愛玩動物じゃないぞ」
「ふふふ…今さら何を…」
「捕食者の目になってんですがそれは」
「えー買わないのー?」
「…分かった!買うよ!買えばいいんだろ!まあどうせ買うもんねえし…しゃあねえな」
「うっし」
「おいこらそこガッツポーズしてんじゃねえ」
「まあまあ。ちなっちー!こっち決まったよー!」
「もうちょっと待ってー」
「はーい」
「しげちゃん、これとかどう?」
「んー…どうでしょう?どうせなので思い出にしっかりできそうなのが欲しいですよね」
「そうだねえ」
店内を散策する千夏と茂光コンビ。
「これとか良さそうだよ!」
「っ!?」
茂光に後ろから抱き着く形で持ってきたものを見せる千夏。
当然固まる茂光。
計算通りなのかもしれない。
「え、えー、えーっとこ、これは?」
「キーホルダーだよ。ほら、マスコットがついてるやつ」
「あ、ああ、確かに、キーホルダーならいつでも付けれますしね。いいかもです」
「それにほら!男女に分かれて二個あるから丁度いいと思うの」
「い、良いと思います」
しどろもどろになる茂光。
いまだに半分抱き着かれたままなのだから仕方ない。
背中に色々あたってるのである。
「じゃあこれ買うね!しげちゃんは決まってる?」
「い、一応」
「じゃあ優美ちゃーん!いいよー!」
「あーい。さっさと会計済ませろよー」
「はいはーい」
すっと離れる千夏。
ふうっと茂光が大きく息をはく。
くるっと振り向くと千夏の顔が目の前にあった。
「うおわっ!」
「ちょ、しげちゃん大丈夫?」
「だ、だ、大丈夫です。あーびっくりした」
「さっきのキーホルダー、しげちゃんがミ○ーの方ね」
「え!それ千夏さんのほうじゃ…」
「なんというかしげちゃんのイメージ」
「何故…」
「なんとなくもう一方じゃない気がした」
「まあ、自分は千夏さんと一緒につけれるなら大丈夫ですけど…」
「じゃあこっちしげちゃんね!」
謎の理論でどっちかと言うと女の子向けの方を
押し付けられる茂光。
それでもまんざらではなさそうなのが茂光と言う男なのか。
「…彼氏って全員あんな感じなの?」
「いや、違うと思うよ?」
「だよね?」
千夏にはだだ甘の茂光であった。




