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転生三回目の俺、今度こそラブコメもダンジョンも攻略したい  作者: 読むの大好き工房
3章

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3章10話「パーティー正式結成」

◆

戦いが終わりしばらくすると、俺たちが陣地として構えていた丘に、黒鋼先生と氷室先生たちが戻ってきた。


同行していた一組と二組の生徒も、どうやら無事だったらしい。

みんな明るい顔をしながら帰ってきた。


彼らと合流して、休憩と怪我の簡易治療を終えた俺たちは、丘から移動してゲート付近の高台に陣地を移動することにした。


今回のダンジョン異常発生で起きた魔物の群れは一段落ついたが、まだダンジョン外への魔物の氾濫や異常発生の原因調査・再発を警戒する必要がある。


傷ついた生徒達の治療と先生方の要望があって、俺たちも交代の人員がくるまでは高台の陣地で待機することとなった。


俺としずく、晴斗と藤宮君の前衛組は、防護柵付近での拠点防衛を。

後衛組の雨宮さんは、物見矢倉付近で周囲の警戒と魔物への牽制射撃を。

白石さんは、治療班に混ざり、怪我人の手当を。

各自が、それぞれの持ち場に、バラバラに配置されていた。


持ち場での仕事が一段落つき、休憩に入る。


みんなと離れて一人になると、さきほどのイレギュラーボスとの激戦がまるで夢だったかのように思えてきた。


(俺、今度は自分の意志で、アイツらと戦ったんだよな……)


思い出すのは、突然現れた三体の異形への恐怖と、それでも仲間と並んで立ち向かった感覚。


正直、逃げても誰も文句は言わない状況だっただろう。

誰もが自分のことで精一杯だったはずだ。


(だけど、俺たちは “ みんなで生きて帰る ” ために戦った。)


そんなことをぼんやり考えながら歩いていると──



「……倫太郎?」


振り返ると、しずくが立っていた。


「すごい偶然。

 さっきの戦いを思い出しながら歩いていたら、倫太郎に会えた。」


しずくは、俺と会えたことに驚いた顔をしたあと、小さく微笑みながら俺の方に歩いてきた。


「俺もしずくと同じだ。

 さっきの戦いのことを考えてた。」


「そっか。倫太郎も同じだったんだ。」


俺としずくが横に並ぶ。


「あのね。倫太郎。

 わたし、さっきの戦い、本当はすごく怖かった。」


「あんなに恐ろしい魔物と戦ったのもそうだけど。

 それ以上に、倫太郎をまた危ない目に合わせるかと思って怖かった。

 そうしたら、不思議と力が湧いてきて、イレギュラーボスとも戦うことができた。」


その独白を聞きながら、俺はしずくの顔を覗いてみた。


「不思議だね。

 以前は怖くて、泣き叫ぶことしかできなかったのに。

 倫太郎をまもるためなら、わたし、アイツらに立ち向かうことができた。」


こちらを向いたしずくの顔には、以前の戦いで感じた弱さなんてなかった。


「倫太郎。

 冒険者でいる限り、安全な戦いなんてないのかもしれない。

 ダンジョンは、いつだって気分屋で。

 突然異常が発生して私たちに牙をむいてくるかもしれない。」


「でも、わたしは絶対に逃げないよ。

 倫太郎のそばで、あなたを守ってみせる。」 


こちらを見つめるその瞳には、しずくの確かな想いが宿っていた。


「うん。俺だって。

 俺だって、絶対にしずくを守ってみせる。

 たとえ、どんな大きな障害からだって。」


俺は、自分がどんな顔で、その言葉をしずくに伝えられたのか分からない。

ただ、この胸に宿る優しい気持ちが、その答えを知っている気がした。


どちらからともなく、片手をあげて、こぶしを軽く合わせた。

その瞬間──



「おーい! 倫太郎ー!」


陽斗の声がした方向をふり向いてみると、医療テントの方から

陽斗と雨宮さん、藤宮君と白石さんが歩いてくるところだった。


「おまえらも休憩か? ちょうど俺らもそこで偶然会ったんだ!」


陽斗の言葉に、俺はしずくと顔を合わせて思わず苦笑する。


「なんか、自然と集まっちゃったね。」


「そうだな。俺たち、案外似たもの同士なのかもな。」


陽斗が笑いながら肩をすくめる。


「似たもの同士かー。

 ま、みんな気のいい奴らばっかりだからな!


 今日なんか、初めてパーティーを組んだのによ。

 まるで、気心の知れた仲間みたいだったぜ!」


「僕も、岡田君達と一緒に戦っていて思ったよ。

 安心して、後ろを任せていられるって。

 おかげで、前にいる敵だけに専念できたよ。」


陽斗に続くように、藤宮君も同意してくれた。


「……私もそう思います。

 戦ってる時も、みんなの動きが自然に噛み合ってた。」


「そーそー!

 私も、そう思っていたところなのです!」


雨宮さんに白石さんが、同じように続く。


みんな、考えるところは一緒みたいだ。


「あのさ。藤宮君。

 良かったら、なんだけどさ。

 これからも一緒にパーティーを組まないか?」


俺の突然の提案に、藤宮君は驚いたように、そして心の底から嬉しそうに頷いた。


「いいのかい?!

 そうなればいいな、って澪と話していたところなんだ!

 こちらこそ、ぜひお願いするよ!!」


相談もせずに決めてしまったけど、みんな心の内は同じようだ。

しずくも、陽斗も雨宮さんも、誰もが二人の加入を喜んでくれていた。


そして、陽斗が俺に何か企んでいるような顔をしたあとに、一つの提案をしてきた。


「ところでよー。

 倫太郎も、湊も、これを機にお互いを苗字で呼び合うのをやめたらどうだ?」


陽斗からの突然の提案に、少し動揺してしまったけど、確かにそのとおりだ。

今まで、仲の良かった友達の中に、遠慮して君付けしていたヤツはいなかった。


ふと、藤宮君の方を見てみると、驚いているけど嫌という顔ではない。

それはそうだよな。

だって、藤宮君も陽斗のことは名前呼びしているし。


「ごめん、っていうのも何か変かな。

 別にお互い苗字で呼びあうことを、意識して使っていたわけじゃないし。

 これからも、よろしくな。ってことでいいのかな、湊?」


「そうだね。倫太郎。

 お互いに命を預ける仲間として、これからもよろしく。」


どちらからともなく差し出した手を、しっかりと握り返す。


「よし! じゃあ改めてだな!」


陽斗が満面の笑顔で笑い。

白石さんが嬉しそうに頷き。

雨宮さんが静かに微笑む。


そして、しずくが俺の横でそっと息を吸い込んだ。


「倫太郎……みんなで、強くなろうね。」


その言葉に、俺は自然と笑みがこぼれた。


「もちろん。

 これからは、この6人で進んでいこう。」


6人が円を描くようにならび、視線が重なり合う。


こうして、俺たち六人は正式にパーティーを結成した。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


3章は、新しい仲間の加入や、他クラス・先生方の登場が中心の章でした。

次回は8/31(月)にエピローグ1話、9/2(水)にエピローグ1話と登場人物紹介を投稿します。


「おもしろかった!」

「続きが気になる!」

「4章以降も頑張って書いてください!」

と思っていただけた方は、高評価(★満点)やブックマークで応援いただけると嬉しいです。

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少しだけ駆け足かなと思いつつとても楽しんでおります!
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