3章6話「切磋琢磨できる仲間と共に」
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それからしばらく、俺たちは戦闘エリアで魔物と戦い続けた。
黒鋼先生は近くにいるが、特に口を出してこない。
もちろん、注意することがないわけではない。
しかし、生徒たちが自分の指摘をもとに試行錯誤を繰り返すことを、黒鋼先生なりに見守ってくれているのだ。
それを証明するように、思考の袋小路におちいった生徒には、きちんとアドバイスをしてくれている。
(本当に頼りになる先生だよな……)
「冒険者を本気で目指すものは、冒険者学校に通うべき」だ。
これは、冒険者界隈での常識となっている。
最初に聞いたときは、才能のあるやつが強くなるだけの世界だと思っていた。
でも、違った。
冒険者学校には、どんな生徒にも親身になって教えてくれる先生方がいる。
同じ目標に向かって、切磋琢磨できる仲間たちがいる。
この学校には、冒険者になるという夢を笑うやつはいない。
誰もが本気で夢を追っていて、それが伝わってくる。
中学の時には冗談交じりに宣言した夢も、ここでならはっきりと宣言できる。
そして、それを誇りに思い行動できる。
(……冒険者学校に入学して、本当によかった)
無心で戦っていたはずなのに、少し感傷に浸ってしまったみたいだ。
それもそうだろう。
なんせ二回分の前世を合わせて、実は黒鋼先生よりも長く生きているからな。
年を取ると涙腺がもろくなるって言うけど、本当にその通りだ。
(若い子達のキラキラした目、語る夢。
そのすべてが俺にはまぶしいぜ……)
休憩を終えて倒した魔物の数は、もう三十体になる。
流石に集中力が切れてきた俺たちは、もう一度休憩に入ることにした。
ふと周りを見渡すと、他のパーティーも同じように休憩に入っている。
どうやら今日は、いつもより魔物の出現数が多いらしい。
どのパーティーにも疲労の影が見える。
(あれ、休憩前はそこまで魔物が多くなかったよな?
それに、襲ってくる魔物も普段より積極的だった。
まるで、より強い魔物に追われて流れてきたみたいだ……)
そのことに気づいて、胸の奥がわずかにざわついた瞬間。
──遠くで、生徒の悲鳴が響いた。
声がした方向に目を向けると、明らかにいつもと雰囲気の違う魔物の群れが、地響きを立てて押し寄せてくるのが見えた。
3章のクライマックスです。
次回は8/28(金)に4話連続投稿(20時、20時10分、20時20分、20時30分)します。




