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転生三回目の俺、今度こそラブコメもダンジョンも攻略したい  作者: 読むの大好き工房
3章

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3章2話「補習の中でみた、俺のオアシス」

補習初日。

大教室に入り空いている席に座ると、チャイムが鳴って黒鋼先生が入ってきた。


教室を見渡すと、俺たち以外にも多くの生徒がいた。

ざっと一学年の四割ほど。

通常教室では入りきらないため、今日は研修棟の大教室が使われている。


補習といっても内容は “ 基礎の叩き直し ” 。

希望者は自由に受講できる。


この学校では二年の終わりまでに、Dランクダンジョンを安定攻略できなければ、冒険者一本で食べていくのは難しい。


Eランクまでの魔石は大量供給されており、国が冒険者支援のために利益度外視で買い取りしている。


それでも収入は雀の涙ほどで、まともな収入が得られるのはDランク以上の魔石からだ。

そして、Dランク以上の魔物は連携が取れていないと事故が起きやすい。


冒険者は一度生きて帰れればいいわけじゃない。

何度潜っても、生きて戻れる力が必要だ。


Dランクを安定攻略できないということは、「生きて帰るための最低ライン」に届いていないということでもある。


だから補習を受ける生徒は意外と多い。

みんな、自分の将来がかかった貴重な二年間だと理解しているのだ。


適性のない人には、学校で一般就職の斡旋もしているが、国としてもそこは問題視していない。


冒険者学校入学の条件として、学力・戦闘能力・特技の試験を突破している。

鍛えれば最低でも " Eランクにはなれる " と判断された者たちだ。


さらに国は、副業としての冒険者活動を認めている。

専業でなくとも平日の仕事帰りや休日に無理なくEランクへ潜る人が増えれば、国は安定したダンジョン素材の供給を見込めるし、冒険者側も副収入として十分な報酬が得られる。


黒鋼先生の言葉を思い出す。

「基礎は命を守る最後の砦だ」

この時期の基礎は本当に大切なのだ。


1コマ目の講義が終わり、俺は大きく伸びをした。


教室には、包帯を巻いた生徒、魔力枯渇でぐったりしている生徒、真剣にノートを取る生徒など、冒険者学校の補習ならではの光景が広がっていた。


じつは、この補習には陽斗と雨宮さんも参加している。


「俺、防御が弱いから基礎からやり直すわ」

「射線管理が甘いって言われちゃって……」


と二人は言っていたが、それが本音じゃないのはわかっている。

俺としずくを危険な目に合わせた責任を感じているのだろう。



そんなことを考えていたとき、教室の隅に “ 見覚えのある二人 ” を見つけた。


他の一年生がぐったりしている中、彼らはすでにノートを取り終えており、楽しそうに談笑している。


一人は茶髪で柔らかい雰囲気のメガネ男子。

そしてもう一人は控えめギャル系の金髪ポニテ女子。

彼女は彼の席の前に立ち、やや近い距離で、彼に身を傾けて話している。

触れてもいないのに、雰囲気だけ妙に甘い。


付き合いは長そうで、お互いの距離感も近いのに、ぎこちなさがある。

しかしその “ ズレてる感じ ” すら、もう青春の味になっている。


──そう、あの二人だ。


(最初のダンジョン演習の休憩所で見た二人組じゃないか!

 ていうか、よくみたら入学式翌日のバスでも見かけとるやんけ!!)


“ 最高のラブコメ ” を俺に見せてくれた二人組。

その事実を思い出した瞬間、テンションがあがるのを自覚した。

テンションがあがりすぎて、エセ方言すら出ている。


「補習なのに癒しがある……!」


にやける俺を見て、しずくがため息まじりに言う。


「倫太郎は相変わらずだね……」


俺はしずくに呆れられながらも、補習のなかにある癒しを楽しんだ。

そして休憩後も講義は続き、午前中の終わりが近づいたころ、黒鋼先生が前に出て教室を見渡した。


「午後からはダンジョンで特別訓練を行うが、先日の演習のような事態になる可能性もある。

 最近、低層でも魔物が活性化して強くなっているとも聞いている。

 決して気を抜くな」


ゆるんでいた空気が、一瞬で引き締まった。


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