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転生三回目の俺、今度こそラブコメもダンジョンも攻略したい  作者: 読むの大好き工房
2章

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13/24

2章3話「浮足立つ生徒たち。そしてそれを眺める俺。」

大規模ダンジョン演習の準備も進み、それに合わせた訓練も積んできた。

クラス全体の空気は、不安や緊張ではなく、

“ ついに本番だ ” という前向きな雰囲気に変わりつつあった。


(……いいね、この空気。)


大規模ダンジョン演習を前に、浮足立つクラスメイトたち。

そして、それを眺める俺。


え? 前世の経験から、慌てふためくみんなを見て愉悦に浸ってるって?

そんなことはないさ。


思い出してみてくれ。

学期末の大規模ダンジョン演習を目前に、不安と期待で胸をふくらませるクラスメイト。

そして、ラブコメ大好きな俺。


そう、俺が眺めるものなんて、一つしかない。


それは――


「あの! 私と夜の見張り、一緒に組みませんか!」

「実は君のことが気になってたんだ! 俺とパーティーを組んでほしい!」

「今日の放課後、予定ある? あのさ、演習の買い物につきあってくれない?」


教室のそこかしこで行われる、甘い青春の1ページ!!!


(……いいぞぉ! もっとやれ!!)


考えてみてほしい。


大規模ダンジョン演習は学期末に行われる。

つまり、これが終われば長期休暇だ。


長期休暇の楽しいイベントを、気になっている異性と一緒に過ごしたい。

急接近して、あわよくばお付き合いしたい。

よしんば付き合えなくても、この機会に仲を深めておきたい。

などなど。


そう思うのは、普通のことではないだろうか?


あ、俺のことは気にせず続けてくれ。

ただ、そばで眺めさせてほしい。


ぷるぷる。いじめないで、ボクわるいニンゲンさんじゃないよ。


「……倫太郎、楽しそうだね」


しずくが、呆れたような視線を向けてきた。


俺が変なことをやらかさないか、心配でついてきているのだろう。


だが、安心してくれ!

俺は、さすらいのラブコメハンター。


ラブコメを求めて旅に出ているが――

その実態は、ただの “ 無害な一般人 ” である。


(……まあ、しずくには言わないけど)


待っているだけでは、俺のもとにラブコメはやってこない。

最上級のラブコメを引き寄せるためには、

自ら行動を起こして、出会いの確率を高めることが重要だ。


教室内の空気は、まるで春先の風みたいに軽く、どこか甘い。

誰もが浮かれていて「この瞬間を楽しみたい」という気持ちがにじみ出ている。


日ごろの訓練の疲れなんてどこへやら。

みんな、まるで “ 冒険者学校の青春 ” を全力で満喫しているようだった。


(……こういう学園生活、悪くないな。)


俺が心の中で納得していると、

しずくが先ほどより少し真剣な目で俺を見上げた。


「倫太郎は……誰と見張りするの?」


「え? 普通に陽斗だろ。」


「……そっか。」


しずくの声が、ほんの少しだけ沈んだ気がした。


(……なんで落ち込むんだ?)


しずくは小さく息を吐き、俺の袖をきゅっと引っ張った。


「……ほら。もういいでしょ? いくよ、倫太郎。」


その声音はいつもより少しだけ強く、有無を言わせぬ迫力があった。

まるで「これ以上ここにいたら、またへんなのが寄ってくる」と言いたげだった。


(そんな、後生な!

 この先には、俺との出会いを待つ “ ラブコメ ” が、まだまだあるはずなんだ!

 どうして? どうして、そんなひどいことするのおおおおおぉぉぉ!!)


そんな心の叫びがしずくに届くはずもなく。


俺はむなしく引きずられながら、その場を去るのであった。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


「おもしろかった!」

「続きが気になる!」

と思ってくれた方は、ぜひ高評価(★満点)とブックマーク等をお願いします。


それでは、引き続き、本作をお楽しみください。


X(旧Twitter):@yomu_kobo

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