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正義を振りかざす最強勇者  作者: コヨコヨ


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十一話 ベッドの上で

 アイクの低く野太い声が聴覚のいいシロの耳の近くで響き続ける。

 彼女は息を飲み、震える手をアイクの頬に当てる。そのまま口角を無理やり上げ、笑っているような顔を作った。見慣れない顔だった。「変な顔……」と小声でつぶやき、微笑んでしまう。

 赤い夕陽に照らされているアイクを見る琥珀色の瞳が、輝きを増した。アイクの顔を見ていられず、肩に顎を乗せるようにして抱きつく。


「どうしたんだ?」

「つ、つかれた……」

「はぁ……、まだまだ子供だな」


 アイクはシロを抱っこしながらウルフィリアギルドの建物内に入る。

 魔物の素材や依頼達成の書類を受付に渡し、今日の仕事は終了。

 シロと訓練場に向かい、体を鍛えさせる。シロの体が動かなくなれば、鍛錬を終了し、夕食に肉やパンを食らう。

 部屋に戻り、シロに留守番させておく。だが、彼女はアイクの近くを離れたがらなかった。夜に襲われたため、一人で眠れないようだ。


 夜の闇市は夕方よりもさらに危険度が増す。今、シロを連れて行く理由もない。


「部屋でじっとしていられないなら、訓練場で体を動かしているんだな」


 シロは小さく頷く。今のシロのレベルなら酔っ払いに絡まれても逃げるだけの実力はある。努力は裏切らず、いざというとき己を助けてくれる。


 アイクは、夜の闇市に足を運んだ。

 香辛料とは違う独特な香りが漂っている。奴隷たちのにおいや不衛生な空間を少しでも緩和しようと芳香を大量に炊いていた。

 健常な者ほど臭いと思うだろう。そんな中でも、無表情のまま視線を行き交う者たちに向ける。


 薄汚い冒険者たちを目撃。『精霊眼』に映る情報で闇ギルドに所属しているとわかった。

 アイクはフードを被り、顔は見えないように配慮しているが高身長とガタイの良さから明らかに怪しまれている。

 アイクと疑われているより、騎士なのではないかと疑っている者が多い。

 合法の市場ではないため、補導されれば即逮捕もあり得る。

 ただ、騎士も金で買収されている者がいるのか、はたまた貴族の声が掛かっているのか、巡回している騎士は闇市に誰一人入っていない。

 たとえ騎士だと疑われていたとしても、周りの者に声を掛けなければ相手の方から手を出してこないため、無視すると決め込む。


 薄気味悪い笑顔の男が未成年の少女の奴隷を買っていき、魔術師のようなローブを着こみ、深いフードを被った者と同じくフードを被った尻尾の生えた者が獣族の奴隷を大量に買っていく。

 ドレスをひん剥かれ、裸にされた女が鼻息を荒くしている小汚い男に買われていった。


 誰も彼もが「たすけて……」と言っていた。

 奴隷を全員助け出すなど不可能。それこそ買っていたら、奴隷商がまたどこからか補充してきた奴隷が増えていくだけに過ぎない。

 新たな悲劇を生ませないようにするのは可能かもしれないが。


「今は薬物の方を調べなければ」


 アイクは闇ギルドに所属していそうな反グレたちを尾行し、使用している薬屋を特定。

 自ら入り込み、展示されている商品に『精霊眼』を向ける。どれもこれも違法な薬だが、肝心の魔物を暴走させる薬は見当たらない。


 何店舗も回ったが収穫なし。

 闇市に出回っていないということは、巷に流さずに個人同士、または組織同士で薬を受け渡している可能性が高いということ。

 薬を売っている者は素性が相当知られたくないのだろう。

 だが、これだけ秘匿されると、ただ調べるだけでは見つけようがない。


 今回調べたかった内容は、魔物を暴走させる薬が闇市で市販されているかどうか。その様子はなく、何者かが販売を独占していると仮定した。


 アイクは調べものを終え、ウルフィリアギルドに戻る。

 訓練場に顔を出すと、汗だくになりながら拳を振るい、鋭い蹴りを放つシロの姿がある。ブレイブに力の差を思い知らされた当時の自分を見ているようだった。


 アイクを見つけたシロは親の帰りを待っていた犬のように駆け寄ってくる。


「有益な情報は得られなかった。敵は金儲けがしたい訳ではなさそうだ」


 限定的にすればするほど商品が売れる数は減る。金ではなく別の目的があると考えるのが妥当だろう。


 シロと共に部屋に戻る。すぐに、水を張った桶に服を入れ、水洗いする。

 闇市は芳香臭いため、服ににおいが染みついてしまう。においが強いと魔物や危険な動物を刺激してしまうため、無臭が理想的だ。


「ア、アイク、腕が上がらん……」


 シロは体を酷使し過ぎたようで服が自分で脱げないようだ。

 そこまで体を痛み付けろといった覚えはないが、速く強くなりたくて限界を超えようとする気持ちはわからなくない。

 彼女が身に着けていた革製の胸当てとその他の防具、シャツのボタンを外し、あらかた脱がせる。

 全身が筋肉痛で背中に手が届かず、拭けないようだった。


 アイクは濡らした布をシロの真っ白な背中に当て、汗を拭きとる。ついでと言わんばかりに、腕や脇、胸、腹、脚など、手早く拭いていた。


「ぜ、全部やってくれとは頼んでないっ!」


 アイクからしたら剣の手入れと大して変わなかったが、シロは顔を赤くしながら耳を逆立てて、尻尾を高く上げる。両手両足を内側に縮め、肩を丸めた。

 威嚇するように軽く唸り、拳を彼の太ももに何度も当てる。


「背中を拭いたら、全身拭くのも大して変わらないだろう」

「そういう問題じゃなくて……。あぁ、もう、気にしても仕方ないってわかってるけどさぁ」


 シロはお返しと言わんばかりにアイクの体を濡れた布で拭いていく。自分の体を拭くより、面積が二倍近く広いため、時間がかかる。

 アイクをベッドの端に座らせ足の指の間もしっかりと拭き終わったころ、立ってもらい彼の下着に手を伸ばした。

 布越しからでも香ってくる雄のにおいによって反射的に溢れ出る唾液を嚥下し、下着を脱がせる。

 一日中動いて汗を掻いた男特有のにおいが嗅覚の鋭い猫族の鼻に入り、目をぎゅっとつむった。足先から頭のてっぺんまで毛が逆立つような震えが起こる。

 肌に赤みが増していく。「く、くさい……」と一言。


「なら、ここは俺が」

「い、嫌とは言ってない」


 シロはアイクの湿っぽい棒状の性器に触れ、そっと持ち上げる。布で拭くわけではなく、妙に溢れ出てくる唾液塗れの舌を性器に這わせた。

 アイクと繋がっているのにまるで別の生き物のようなそれは、シロの顔に重くのしかかり、彼の体温を薄い皮膚から放出している。焼き鉄のようだった。

 シロの唾液が性器に纏わりつくと、気化熱によってハッカ油を塗ったように体感温度が下がり、毛穴が引き締まる。

 息が荒々しい彼女の吐息が股間を擽り、藍色より少々濃い陰毛が風に靡く。


 ある程度綺麗になり、シロはアイクの太ももに手を置き、棒状の性器を咥えこむ。上を向いて喉を開くと昨日よりも奥まで入った。息苦しそうだが顏を前後させ、刺激を送る。

 スライムが地面を這うような音が部屋に響き渡った。

 一〇分ほどすると奥の奥まで入ってしまい、我慢できず咳き込む。口から出たアイクの性器は垂れ下がったままだ。

 二日連続で失敗。


 ――今日の分は終わりだな。


 アイクはシロの頭を撫でて脱がされた下着を洗い、窓際に干しておく。新しい下着を履いてそのままベッドに寝ころんだ。

 咥えるだけではダメだと悟ったシロはブラジャーと下着を脱ぎ捨て、アイクの頭に尻を向け、四つん這いになった。


 獣族の村の女から聞いた話だと、これで男が喜ばなかったことはないという。ただ、シロは行動に移してから固まった。

 アイクに自分の丸出しの股間が見られてしまっている状況を前に、顔から火が出そうなほど赤くなる。だが、後に引けない。アイクの下着を脱がせ、そのまま棒状の性器をしゃぶる。


 ――これじゃあ、頭が撫でれないな。尻でも撫でておくか。


 アイクは目の前にある真っ白な尻に触れる。シロの尻尾が糸を張ったようにビンっと伸びあがった。

 水晶のようにスベスベとした肌質で、サラサラの髪が沢山生えた頭と全く違う。


 ――同じ女の体でも、撫でる場所が変わるだけで、ここまで感触が違うんだな。にしても、尻なら両手で触れるじゃないか。


 モチモチ? ふわふわ? 自分の尻とまるで違う。

 ただ、アイクがシロの尻を撫で始めてからシロの動きが止まった。体が小さく震えている。


「どうした。なにに怯えている」


 体が震える時は寒い、または恐怖を得ている時だと知っているアイクは首を傾げた。暖かい季節に加え、何かに怯える要素もない中、体を震わせるのは謎だ。


「し、尻、撫でられると、体が勝手に震えちゃう……。怯えているわけじゃないのに」

「そうか。辛くないならいい」

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