episode53
文化祭の準備と言うのは何かと盛り上がるもので。明楽、薫子、勇真を始めとするウェイター役の衣装の試着でクラスは賑わっていた。
「明楽君に小鳥遊君、執事服ビックリするくらい似合ってる!」
「ホント!ね、"お帰りなさいませ、お嬢様"って言ってぇ。」
明楽と勇真は女子達からの強い要望に目を合わせると、頷き合い、
「お帰りなさいませ、お嬢様。」
「いけませんね。わたくし、とてもお待ちしておりましたのに。」
「...お仕置、ですかね?」
とノリノリでやってみせた。すると教室中から黄色い悲鳴と、何故か「ありがとうございまぁす!」と言う声が上がった。
「いいね。なかなか楽しいよ。」
「次!明楽君ズボンそのままでいいから上だけシャツになって白衣着てみて!あと、この聴診器首から下げて!」
「なんでこんな小道具があるの...」
「まぁまぁ!細かいところは気にしないで!」
そう言われ明楽はシャツ姿になり、白衣と聴診器を身につけた。
「どう、かな?」
「診察されたぁい!明楽先生ぇ!」
「...皆とりあえず落ち着こうか。深呼吸して?」
すると皆明楽に言われるがまま深呼吸をするのであった。そして別のクラスメイトがやって来るとまた新しい衣装を手渡してきた。
「それじゃあ、明楽君と西園寺さん、向こうの方でこれに着替えて!明楽君はこのウィッグも!」
明楽はどうせ似合わないってわかれば、本番は着なくて済むかもしれないと一抹の期待を持ち着替えた。
「薫子、後ろのファスナー上げてくれる?」
「分かりました。...明楽、私変じゃないですか?」
そう薫子に問われ彼女を見ると、和風メイド服に身を包んでいた。彼女は頬を染めながら聞いてくるのであまりの可愛さに明楽は思わず抱きしめた。
「可愛いよ!可愛すぎる!早く皆に見せ...あ、私ウィッグ被らなきゃ...」
「明楽も可愛らしいですよ。ウィッグ、ロングヘアーなんですね。私も明楽のロングヘアー初めて見ます。」
「私の方が似合わないよ...」
「そんな事ないです!さ、皆のところへ行きましょう?」
そう言われ薫子に手を引かれながらクラスメイト達の元へと行った。すると、教室がシーンと静まり返った。
「や、やっぱり変だよね!私、男装だけの方が...」
明楽がそう言うと、今度は女子だけでなく男子までもが湧いた。
「明楽君に西園寺さんすっごい可愛いメイドさん!」
「明楽君ロングヘアー似合ってるよ!すっごい可愛い!」
「花ヶ崎に西園寺...ウチのクラスには姫が2人もいるのか...!!」
「薫子が姫なのは納得だけど、私は変だよ...」
明楽がそう言うと、クラス中から「そんな事ない!」と言われてしまった。
「明楽君のメイド姿は呼び込みの時と休憩時間の時だけにしよ!レア感出してさ!」
休憩時間もこの格好するのか...と明楽は黄昏た。




