episode54
「雅臣先輩のクラスは文化祭何するんですか?」
明楽は雅臣、勇真の二人と共にバイトに向かい歩きながら会話内容を文化祭の話題にした。
「オレのクラスはお化け屋敷だよ。オレは当日受け付け係なんだ。」
「雅臣もお化けの格好すんのか?」
「それはまだ検討中。」
「雅臣先輩のお化け姿も見てみたいですけどね。」
「ありがとう。」
雅臣は明楽に視線を送ると、明楽もそれに気づいたらしく、小さく頷いた。
「せっかくだからさ、一緒に文化祭回らない?」
「いいですね!どうせなら薫子も誘っていいですか?」
「か、薫子?!」
「何ビックリしてるのさ。どうせならダブルデートしようよ。」
「勇真、薫子と距離を縮めるチャンスだよ?いきなり二人きりは緊張するでしょう?」
「後夜祭は二人きりにしてあげるからさ。その練習だと思って!」
「なんで雅臣が知ってるんだ?!明楽、お前喋ったのか?!」
「さー?なんの事やら。」
勇真の問いかけに明楽は笑って誤魔化した。雅臣も「明楽を責めるんじゃないよ。」と勇真に声をかける。
「いいじゃないか。聞いているのはオレだけなんだし。オレとしては、もう明楽にちょっかいかけられなくて安心出来るからその子とくっついて欲しいって言うのが本音かな?」
「もう手ェ出したりしてねぇじゃねーか!」
「オレは完全に許してないからね?」
「ま、まぁまぁ。とりあえず、文化祭は四人で回るって事で!」
「よろしくね、明楽。」
そう言った後であった。勇真が「待て。」と声を上げた。
「薫子にはオレから話したい。...ダメ、か?」
勇真の申し出に明楽はビックリしたが、雅臣は「うんうん」と頷き、「男を見せなきゃだもんね。」と言った。
「も、もちろんお前らと一緒だって事は言うけど...後夜祭は二人で過ごしたいって直接言いたくて...」
「勇真...」
「成長したんだな、お前も。」
それなら、と明楽と雅臣は勇真を応援することを決めた。
「でも、上手いことシフトの休憩時間被るといいけど...」
「あ!私達ほぼ呼び込み要員みたいなので、雅臣先輩に合わせられるかもです。」
「そーそー!雅臣!お前楽しみにしとけよ?」
「ゆ、勇真!まだ言わないで!!」
「?何か知ったらまずいの?」
勇真の言葉に興味を持ってしまった雅臣は「二人で秘密を共有しているのは面白くないなぁ...」とらしくもなくブーたれてしまうのであった。




