episode50
「勇真、なかなかカッコよかったよ。」
「マジ?でも女を守るのは男の役目だからな。当たり前の事をしただけだ。...そうだ、その...オレ、明楽に相談したい事があるんだ。」
「相談?私に?」
「あぁ。お前にしか頼めねぇ。学校じゃ出来ねぇ話しなんだ!頼む!」
勇真のいつにもない真剣な様子に、明楽はとりあえず話しを聞くことにした。
「いいよ。私でよければ。歩きながら聞こうか。」
「実は...か、薫子の事なんだけどさ。」
「薫子?勇真の口から薫子の名前が出るなんて珍しいね。」
明楽はまさかの人物の名前が出たことに驚きはしたが、とりあえず続きを聞くことにした。
「実は明楽と雅臣が付き合ってるって発言した時に笑ってたんだよ、薫子。それが可愛くてつい可愛いって口から出てて...。その時はなんとも思わなかったんだけど、家に帰ってからもアイツの笑顔が忘れられなくて...」
「勇真...それって...」
「なぁ。これってやっぱり"好き"ってことなんかな...?」
明楽は「これは...」と思った。実を言うと薫子の様子も最近おかしい所があった。ショッピングに行った時はいつも通りだったが、時折、明楽の母とお茶して何かを話している様だった。雅臣とのデートから帰った時も薫子は母と何かを話していて、明楽が姿を現してからは話しをやめ、明楽のデートへと話しの内容をシフトさせていた。薫子は自分のことをなかなか明楽に話したがらない。幼馴染みだから話しずらいと言うのもわかる。だから「もしかして...」という思いがあった。
「勇真。その恋、私に応援させてくれない?」
「い、いいのか?」
「もちろん。一番いいのは...文化祭の後夜祭で告白するのが定番かな?それまで休憩時間を合わせて一緒に文化祭を回ったりとか...。いきなり外でデートするよりは良いと思う。」
「明楽...」
「それにね。私の勘だけど、薫子も勇真のこと気にしてると思うんだ。たまに目で追ってるしね。」
「ほ、ホントか...!」
明楽の言葉に対して勇真はぐいっと明楽に詰め寄った。しかし明楽は「でも...」と言葉を続けた。
「自分で言いにくいけど、前はあんなに私に対して好き好き言ってたじゃないか。...少し気張らないといけないよ?覚悟はできてる?」
「...たしかに明楽の事好きだったのはホントだ。本気だった。でもあの時見た笑顔を忘れることが出来ないんだ...!!」
明楽はここまで本気なら大丈夫か、と思った。それに勇真の真剣さは伝わった。今日、帰ったら薫子に本当の気持ちを聞いてみようかな?と思った。




