episode43
「こうやって手を繋いで歩くのもいいね。いつもは一緒に歩いても手を繋いだりしないから。」
「...少し恥ずかしさがあって...」
「わかってる。付き合いだしてまだ日も浅いし、明楽の嫌なことは...」
「い、嫌じゃないです!...これからはもっとて、つなぎたいです...」
明楽の言葉に雅臣は急に立ち止まると「うぉお」と唸り声を上げながらしゃがみこんだ。手を繋いでいたため、明楽は引っ張られるように歩みを止めた。
「ま、雅臣先輩...?」
「...あんまり可愛いこと言わないで。」
「そ、そんなつもりは...」
「無意識は怖いな...」
雅臣は立ち上がり、明楽と向き合うと、手を繋いでいない方の手も取り、額を合わせあった。
「いい?明楽。学校でも、バイト先でも"王子様"でいて?明楽の可愛い部分を見せるのはオレの前だけ。オレの前ではカッコつけなくていい、可愛い"お姫様"になっていいから。ね?」
「...言われなくても、私のこと可愛いなんて思う人いませんよ。」
「どうかな?明楽、たまに抜けてるし。」
クスクスと雅臣は笑みを零しながら言うと、合わせていた額を離し、今度はその額に口づけてきた。そんな雅臣の行動に明楽はただただ赤面するばかりで何も言えないでいた。
「大丈夫?明楽。こんなの序の口だよ?これでびっくりしてたら...」
雅臣が言葉を続けようとしたその時だった。雅臣の頬に今度は明楽が口づけしてきたのだ。
「...やられっぱなしは性にあわないので。舐めないでくださいね?」
「...してやられたなぁ...」
明楽が急にいたずらっ子のような行動にでたので、雅臣も不意をつかれた形となった。
「さ!もう少しでお店に着きますよ!私、楽しみにしてたんですから!それにお店の皆も待ってますよ!」
そう言うと明楽は雅臣の手を引いて歩きを促してきた。雅臣は笑みを零すと、「ホント、敵わないなぁ」と呟き、明楽に引かれた手を握り返した。
「どんなサプライズか楽しみだよ。」
「私もです。」
そう2人は笑い合い、四季へと向かった。




