episode39
電車に揺られ隣街に着き、そこからバスに乗ってショッピングモールへ向かう。道中1人になるタイミングが何度かあって、明楽も雅臣もそれぞれナンパにあったりしていた。雅臣はあしらう事に慣れているため、逆ナンしてきた女性を簡単にあしらっていたが明楽は違った。普段は女性から声をかけられる事が多いので、その時は紳士にお断り出来るのだが、今日は違った。言い寄ってくるのは男性ばかり。
「おねーさん!」
「?」
「キミだよ、キミ!」
「...私、ですか?」
「そうだよー!お姉さん1人?良かったらオレらとお茶しない?」
「オレ達丁度ヒマしてたんだよねー。お姉さんもヒマじゃない?オレ達と遊ぼうよー。」
「えっと...。私、彼を待っているだけなので...」
「えー。キレイな女性を1人で待たせる彼氏なんて良くないよー!」
「そーそー!オレらが楽しませてあげるから!」
「ちょ、ちょっと離してください!」
ナンパ男が明楽の腕を強引に掴んできたその時だった。トイレに行っていた雅臣が戻ってきて、明楽の腕を掴んでいた手を叩き落とした。
「いってぇな!何すんだ!」
「嫌がる女性に無遠慮に触るなんてどうかしてると思いますけど?」
雅臣はそう言いながら黒い笑みを浮かべて男達を見た。雅臣の様子に怯んだ2人組は、「い、行こうぜ」と言いながら去って行った。
「ごめんね明楽!トイレ混んでて...。1人にしてごめん。」
「そんな!雅臣先輩は何も悪るくないですよ!...むしろ私こそ上手く断れなくてごめんなさい。男性からナンパされたことなくて、どうあしらえばいいのかわからなくって...」
「今までナンパされなかったのにビックリだよ...。」
「女性からは何度かされたことあるんですけどね...。」
そう言うと明楽は遠い目をした。
「明楽はボーイッシュだもんね。...まぁ、それでも十分可愛いと思うけどね。」
「そ、そんなこと言うの雅臣先輩くらいですよ!」
「えー、絶対可愛いのに。そーだ。今日はオレにコーディネートさせて?」
「...あんまり女の子っぽすぎなければ...」
「大丈夫大丈夫!明楽に似合いそうなのをチョイスするから!」
「...誕生日なのでそれくらいのワガママなら聞いてあげます。」
「やった!」
明楽は「私の服なんかコーディネートして何が楽しいのか...」と思いながらも、雅臣が喜んでくれるのならそれでいいかと思うのだった。




