episode38
普段から注目を集めやすい2人であるが、今日はいつもとは違う集め方をしていた。いつもなら"2人の王子様"という見られ方をしているが、今日はどこからどう見ても"美男美女""モデルのようなカップル"という見られ方をしていた。明楽は慣れていない格好をしているのもあって、口数が減ってしまっている。それに今日は"デート"というのもあって、学校やバイト帰りとはまた違う。そんなシチュエーションもあって明楽はなかなか話せないでいた。雅臣からの問いかけに相づちを打つくらいしか出来ない。明楽は「なんだか恥ずかしくなってきた」と心の中で思ってきているのであったりそんな明楽の様子を見て、雅臣は「可愛いなぁ」と思うのだった。しばらく歩いて駅前に着いた頃、「すみません」と声をかけられた。2人はその声に振り返ると、カメラや様々な器具を持った人達が立っていた。
「はい?なんでしょう?」
「私達、雑誌の企画で街のカップルに取材をしている者なんですが、お時間よろしいですか?すぐに終わりますので!」
「...どーする?明楽。」
「雅臣先輩が良いなら...私はどちらでも...。」
「じゃあ、少しだけなら。」
「ありがとうございます!」
雅臣の了承を得た取材陣は「早速ですがお写真お願いします!」と言ってきたので明楽と雅臣は言われた通りにして写真を撮ってもらう。写真は2人共取られ慣れているので特に抵抗はなかった。
「お2人ともモデルさんのように見えますが...」
「いえ。いたって普通の高校生です。オレが高2で彼女が高1です。」
「そうなんですね!お2人ともとても素敵なので学校でも大変おモテになるんじゃないですか?」
「そんな事ないです。彼女はモテますけど。」
「私なんでそんな...。男子に間違えられるくらいです。」
明楽がそう言うと、インタビュアーは「えぇ?!」と声を上げた。
「こう言ってはなんですが、遠目から見ても美男美女カップルのオーラが出てましたよ?」
「彼女、可愛いんですけどね。学校やバイト先では"王子様"って呼ばれてるんです。」
「意外です...。」
「私、普段こう言った服は着ないので...。」
「?今日は特別なんですか?」
「は、はい。...彼の誕生日で、付き合って初めてのデートなんです。」
「!それはそれは!足止めしてしまってすみません!でーと、楽しんでくださいね!」
「「ありがとうございます。」」
そうしてインタビューを終えた2人は再び歩き始めた。
「ビックリしたね。まさかインタビューされるなんて。」
「...恥ずかしかったです。」
「でも、なかなか出来ない経験だったからいい記念になったよ。」
「雅臣先輩が良いなら...良かったです。」
「さ、じゃあまずは隣街のショッピングモールに行こうか。」
「ハイ!」
インタビューのお陰か、明楽も普段くらいの口数に戻ってきている。そうして2人は電車に乗り隣街へと向かった。




