episode36
翌朝、明楽はいつもより早く目を覚ますと、かけていたアラームを解除してベッドから降り、自室を後にするとリビングへ足を向けた。
「おはよう。お父さん、お母さん。」
「おぉ、おはよう明楽。」
「あら、おはよう明楽。早かったわね。...もしかして緊張して眠れなかった?」
「!きちんと寝れたよ!お母さん茶化さないでよ...」
「だって、雅臣君と"お誕生日デート"なんでしょう?だからてっきり。」
「...もう!」
明楽と母がそんなやり取りをしていると、父の方から"ガシャン"と音が聞こえてきた。
「い、今なんと言った...?」
「雅臣君とのお誕生日?」
「誰が?」
「明楽が。」
母がら父の問いかけに淡々と応えると、父はわなわなと震いだした。そして急に立ち上がると、明楽の両肩をがジッと掴んだ。
「雅臣君とはバイトを紹介してくれて、バイトの日は家まで送ってくれているって言う学校の先輩だったな?」
「う、うん。...お父さん顔怖いよ...?」
「その雅臣君とデートと言うことは...も、もしかして、お、お、お付き合いをしているのか?」
父の疑問の言葉に明楽は顔からボッと火が出るかのような勢いで顔を真っ赤にした。それはもう応えになっているようなものだった。
「まぁまぁ、お父さん。明楽だって女の子なんだもの。彼氏の1人や2人いますよ。」
「...彼氏は1人で十分だよ、お母さん...。」
「...雅臣君ならお前を幸せにしてくれるか...?」
父は何故か涙しながら明楽に問いかけた。明楽は父に笑いかけ、「大丈夫だよ。」と言った。
「雅臣先輩はね、私を助けてくれたんだ。...まるで王子様みたいに。それにバイト先でも良くしてくれるんだ。」
「明楽...。」
「だから、ね?安心して見守ってくれると嬉しいな。」
「...わかった。父さんも漢だ。娘の、明楽の幸せを一番に願っているよ。良かったな、明楽。良い彼氏君みたいで。」
「...うん。」
こうして雅臣の知らない所で、雅臣は明楽の両親公認の恋人となったのであった。明楽と父が余韻に浸っていると、母が「明楽。」と呼んできた。
「何?お母さん。」
「あなた時間は大丈夫?準備もあるでしょう?」
「あ!そうだった!」
「朝ご飯はどうする?食べれる?」
「トーストと野菜ジュースだけもらう!」
そうしてバタバタと朝食を済ませ、明楽は「ごちそうさまでした!」と言うと、仕度のために自室へと戻ったのであった。




