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王子さまだって恋がしたい!!  作者: 朱音小夏


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35/59

episode35

試着室に入り、渡された洋服一式に着替えると、明楽はカーテンを開けた。するとそこには口をポカーンと開けた薫子と店員の姿があった。


「か、薫子...?」

「か...か...」

「か?」


薫子が壊れたラジオの様に「か」しか言わなくなったので心配していると、次の瞬間、肩をガシッと掴まれた。


「可愛いです!明楽!絶対先輩をゾッコンにさせること間違いなしです!」

「そ、そこまで...?」

「お客様良くお似合いですよ!もしかしてモデルさんですか?」

「い、いえ。ただの高校生です。」

「明楽、ここでこちらの一式購入しましょう。いいですね?」

「は、ハイ。」

「ありがとうございます!」


そうして試着室へと戻り、元の服に着替え、購入する服を店員に渡し会計を済ませる。「ありがとうございましたー!」と店員から見送られ次いでの目的である雅臣のプレゼントを探す。こちらに関しては明楽はネットでリサーチをしていたので、すぐに目的のショップへと入って行った。そこはメンズ用のコスメショップである。


「明楽?先輩にコスメですか?」

「コスメって言うか...うん。香水をね。」

「香水ですか。なかなかいいチョイスですね。」


そう話しながら香水コーナーへとやって来て様々な香水をテイスティングしていく。すると、一つの香水に明楽の手が止まった。


「明楽?」

「...これだ。うん。これにする。」


明楽が手にしていた物は容器もお洒落で薫子も香りをテイスティングしてみたが、爽やかな物で雅臣にピッタリなものだった。


「あなたは人に贈るもののセンスはピカイチですよね。そのセンスを自分のためにも使ってあげてほしいくらいです。」

「べ、別にダサい服は着てないよ?!」

「女性らしくってことです。ホラ。買ってらっしゃい。」

「うぅ...」


明楽はラッピングもお願いしてその香水を購入した。今日の目的は早々に達成したので、明楽は薫子にお礼として昼食をご馳走することにした。デパート内にある人気のファミレスなのだが、ここのランチはお手頃で美味しいので、薫子がリクエストした。明楽はデミグラスソースのオムライス。薫子はホワイトグラタン。注文をし終えると2人はドリンクバーへと向かいそれぞれジュースを注いだ。


「これで明日の決戦は大丈夫そうですね。」

「け、決戦って...」

「あら?違いました?」

「...違くはないけど...。あぁ、緊張してきた...」

「今からそんなんで大丈夫なんですか?」


薫子は運ばれてきたグラタンに口をつけながら「明日は大丈夫かしら」と若干不安になるのであった。でも明楽の事だからそつなくこなすだろうと心配を気にしない事にした。そして食事を終えると、2人は帰路へと着いた。明楽は薫子を家まで送ると、「明楽!」と薫子から呼び止められた。


「明日、頑張ってくださいね!」

「うん。ありがとう。」


明楽は笑って見せて自宅へと足を向けた。

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