episode32
「明楽のクラスメイト達、かなり驚いていたね。」
「まさか、あんなカミングアウトされるとは思いませんでした...」
「ごめんごめん(笑)明楽はオレの彼女なんだーって知らしめたくって。」
明楽と雅臣は混乱した周囲を他所に、逃げるように走って屋上へとやってきた。。そして明楽はお弁当を雅臣は購買のパンを広げ、昼食を取り始めた。
「ウチのクラスに新聞部の子がいるから、きっと記事にされますよ。...どーしてくれるんですか。」
「あぁ!それなら明日にはオレ達の関係が学校中に広まるね!これで少しは明楽を独占できるかな?」
「...雅臣先輩、意外と独占欲強めですか?」
「イヤ?」
雅臣が明楽の顔を覗き込みながらそう問いかけると、明楽は「うぅ」とうなり、顔を赤く染めながら「イヤじゃないです...」と応えた。そして雅臣は「それなら良かった」と言い焼きそばパンを口に運んだ。
「そうだ。明楽、日曜に行きたい所ある?」
「行きたい所...ですか?」
「うん。」
「雅臣先輩の誕生日なので先輩の行きたい所がいいかなって思ってたんですけど...」
「それじゃあ、ショッピングデートしよう。明楽といろんなお店に行きたいなぁ。」
雅臣にそう言われ、明楽は嬉しくなり、「それは楽しそうです!」と返した。
「夕飯なんだけどさ、休みで嫌かもしれないけど、"四季"で食べない?店長が誕生日祝わせろーってうるさくって(笑)」
「いいですね!四季のご飯美味しいので
大賛成です!」
「ありがとう。なんでも、誕生日特別メニューを振る舞ってくれるらしいよ。あ、明楽と過ごすことは伝えてあるから安心して?」
「...ま、まさか私達の関係...」
明楽が言い淀むと、雅臣はいい笑顔で「うん!店長公認だよ!」と返してきた。...どうやら雅臣は外堀を埋めていくタイプらしい。
「まぁ、店長は元々オレが明楽に気があるのに気づいていたみたいでね。報告したら「やっぱりね!おめでとう!」だってさ。」
「店長...」
明楽は佐々木がきっといい笑顔で言ったんだろうな...と思いながら笑顔の佐々木が頭を占める。
「あ、なんでもダブルでお祝いだから店長のサービスだって。ありがたくいただこう?」
「そうですね...。そういうことなら。」
明楽はそう言うとお弁当の玉子焼きをつついた。すると雅臣が「お弁当はお母さん作?」と聞いてきたので、正直に「私作です。」と応えた。すると雅臣は子供のように目を輝かせながら、「ひと口!ひと口ちょうだい?」と言ってきた。
「そ、そんな期待出来るようなものじゃないですよ?!」
「明楽の手作りだから食べたいんだよ?お願い!」
雅臣の必死なお願いに根負けした明楽は玉子焼きを一つ摘むと雅臣の口へと運んだ。
「凄い美味しいよ!ありがとう!」
「...もう!」
明楽は無意識に「あーん」をしたことに気がつき顔を隠すのであった。




