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明末の麒麟児  作者: sawami
第1章
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学校に行きたくないとき使う定番の嘘

 数日後

 紫禁城内では朱慈煥の姿を見なくなった。代わりに、ある噂が広まっていた。

 曰く、最近顔色が悪い。

 曰く、病で部屋から出れないでいる。

 曰く、余命がいくばくもないらしい。

 それらはもちろん、朱慈煥と王承恩、そして母である田秀英による綿密な計画によるものだった。

 田秀英は、朱慈煥と王承恩の説得により最終的にこの提案を受け入れた。それはただ息子を守るためだけでなかった。

 彼女は朱慈煥の知性と、そして、この乱世を生き抜こうとする強い意志を母として誰よりも理解していたからだ。朱慈煥が様々な本を読めたのも、彼女の影の努力があってこそだった。

 彼女はしばしばあなたをやさしく見つめながら、胸に秘めた思いをつぶやいていた。

「こんな時代じゃなければ…この子はきっと名君になれたでしょうに」と。

 ちなみに朱慈煥には上に朱慈烺、朱慈炯という兄が二人いるが王承恩がそれぞれに事前の脱出経路があるらしく朱慈煥も事前に脱出する手順があったという。

 そして彼女は崇禎帝を説得を進めていた。

「陛下、…朱慈煥がここ最近の出来事に大変心を痛めており、顔色が悪く心労が極まっておるのです。どこか静かな場所で、療養をさせていただけませんか?」ちなみに顔色が悪いのは単に夜中まで本を読みすぎたときにくまが出来ただけである。

 崇禎帝は、かつて兄である天啓帝の治世における東林党と非東林党の争い、そして魏忠賢の専横を目の当たりにしてきた。その苦い経験から、朱慈煥のことを同情し、彼は田皇貴妃の言葉に頷き、王承恩に静養に適した妙応寺の手配を命じたのだ。

 妙応寺は白塔寺とも呼ばれチベット仏教の仏塔「白塔」を擁していることが有名で本当に静かでひっそりとした場所だった。朱慈煥はそこで、次の脱出計画を移す準備を整えながら、静かに過ごす。

 彼の「病気」という偽装は、完璧に機能している。

 しかし、あなたにとって本当の試練は、これから始まる。

 

※一応療養先を妙応寺にしましたが疑問がある場合はコメントしてくださるとありがたいです。

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