いつか、また会えたら
今回はすごく時間がかかりました。
明日からまた投稿します。
決行の日を定めるや否や、朱慈煥は自らの体を徹底的に痛めつけ始めた。
食事の量を極限まで減らし、夜は蝋燭の火が消えるまでわざと本を読み続けた。海風の吹き込む窓を開け放ち、睡眠時間を削って己の肉体を削り落としていく。
数週間もすると、頬はこけ、目の下には濃い隈が張り付き、肌からはすっかり血の気が引いていた。誰の目にも、死相が漂う幽鬼のように見えたはずだ。
そしてある朝、朱慈煥はついに部屋で倒れた。
陳志远が血相を変えて医者を連れてきた。鄭成功が密かに手配した、口の堅い信頼できる医師である。
医師は部屋の隅で警戒する張の目の前で朱慈煥を診察し、重々しく首を振った。
「……流行り病ですな」
張が弾かれたように一歩、後ずさった。
「流行り病だと? 感染るのか」
「ええ、極めて強い毒気です。触れればたちまち感染るでしょう」
医師は白々しい顔で嘘を重ねながら、さらに一つの心理的な理由を付け加えた。
「遠い故郷を離れ、常に厳しい監視の目を向けられる生活……精神的にもかなり参っておられたのでしょう。心が折れ、気が弱ったところに、悪霊のような病が付け込んだ。……残念ですが、今夜が峠かと」
張は顔を青ざめさせた。
最近の朱慈煥の異様な衰えぶりを毎日見ていたため、医師の言葉を微塵も疑わなかった。むしろ「お前が厳しく監視しすぎたせいで死んだのだ」と言われた気がして、責任逃れのために必死になった。
その日の夜半、朱慈煥は陳志远から受け取っていた仮死薬を飲み下した。
薬が回り、心音が微かになり、体温が急速に失われていく。薄れゆく意識の中で、張が別の部屋で慌てふためきながら筆を走らせている音が聞こえた。本家——鄭芝龍への詳細な報告書を書いているのだ。
(——いくら詳細に書いたところで、今の鄭芝龍には響かない)
朱慈煥は冷えゆく頭で計算していた。
史実の知識通りであれば、鄭芝龍はまもなく仙霞関の守備兵を撤退させ、清軍を福建に招き入れる準備に取り掛かるはずだ。一族の命運を懸けた寝返りの算段で忙殺されている時期に、末端の監視役から「預かっていた書生が病死した」という報告が来ても、一顧だにしない。「感染を防ぐためにすぐ燃やせ」と命じられて終わる。
すべては盤面の計算通りだった。
「感染の拡大を防ぐため、早急に遺体を運び出して葬る必要があります」
医師の指示に従い、息を引き取った朱文の「遺体」はすぐに簡素な棺に納められた。張は疫病を恐れて遺体に触れようともせず、遠巻きに布で口元を覆いながら指示を出すだけだった。
陳志远が手際よく棺を荷車に乗せ、夜の港に待機させていた鄭成功の船へと運び出した。
揺れる船底。
暗い棺の中で、朱慈煥の意識は深い泥の底へと沈んでいくようだった。仮死状態に完全に陥る直前の、わずかな時間。脳裏に浮かんだのは、政治の計算でも、歴史のうねりでもなかった。
路地裏を駆け回る、四人の子どもたちの姿だった。
海生、阿福、虎子、石頭。彼らと一緒に走った夕暮れの記憶が、潮の匂いと共に蘇る。彼らには何も告げずに、唐突に「死んで」しまった。もし彼らがこのことを知ったら、少しは泣いてくれるだろうか。
(——いつか、また会えたらな)
暗闇の中で静かにそう願いながら、朱慈煥は長く、深く、冷たい眠りへと落ちていった。




