22雫目・雲
一話完結です。
書き下ろしです。
…お話…と言うより、感想文みたいです…。
ある時、走る電車の中から空を見た。真っ青な空に、所々に羊の毛のような、モコモコの雲が浮かんでいた。
隣を走る新幹線の高架の向こうに、鳥がいた。
真っ白い翼を広げて、足の間に卵を抱え、空の上から地上を見ているようだ。やがて、風に吹かれて横に向きを変え、流されてきた雲に呑まれて消えた。
ある時、飛行機の中から空を見た。窓下を埋め尽くす雲の海が見えた。
夕暮れ時で、空は橙色に染まっていた。
雲の海は、淡い桃色と橙色で、斑の波を作っていた。
ある時、夜に車で出掛けた。真っ黒な雨雲が、雷を連れてやって来ていた。
雲の間を走る稲妻を写真に撮りたくて、明かりの少ない場所に来たが、上手くカメラを扱う前に、雨に降られて断念した。
ある時、通勤途中の道で空を見た。薄いうろこ雲で彩られた空だった。
空を横切るように、白い線が空に描かれた。続けて、低い音が耳に届く。
飛行機雲の生まれる瞬間だった。
出来たての線はペンで書いたようにはっきりしていたが、時間が経つに連れ、絵の具を水に暈したみたいに溶けて消えた。
今まで、たくさんの雲を見た。
どれも同じものは無い。
これからも、空を見上げる度に目にするのだろう。
今度は、どんな雲に出会えるかな?
ありがとうございました。
これ、実際に自分で見た雲です。
いくら綺麗な光景でも、二度と飛行機に乗るか、と思いました(笑)
…カメラの件は、見事に失敗しました…笑って下さい…




