21雫目・ひとひらの雪
一話完結です。
昔に作った、自作の歌詞が元ネタです。
書き下ろしです。
…愛情が憎しみに変わる、一歩手前、です…。
やり切れない想いだけが、私の心を占めるのなら、ひとひらの雪のように、心ごと、溶けて消えたらいいのに…。
あの人の奔放な性格は、付き合う前から知っていた。こうなる事も分かってて、付き合い出したのだ。
だから、いつも君と一緒、なんて出来もしない口約束をされても、半分、本気にはしなかった。
気紛れで身勝手なあなたは、いつの間にか、私から離れていた。
あなたが、あの約束を忘れていても、私は責める事はない。承知で付き合っていたのだから。
あの人が居なくなって、私は、あの人の残したものを、痕跡さえ残らぬよう、この部屋から消してしまおうとした。
けれど、ふとした拍子に、あの人の影がちらつく。その度に、気付けば後を追いかけている自分がいる。
結局、伸ばした手が掴むのは、いつも幻の欠片だけだ。
虚しくて、泣きたくなった。
もしあの時、離れずにいたら、今頃、何が変わっていただろう?
いつも考えるが、答えのない堂々巡りだ。
ただ言えるのは、あのまま一緒に居ても、互いに傷付けるだけだということ。
離れて初めて気が付いた。
あの人の思い出が憎しみに変わる。
永遠に癒されない傷痕が残る。
そんな思いをする位なら。
あの人が残した思い出も、私の想いも、何もかも。
ひとひらの雪のように、全て溶けて消えたらいいのに…。
ありがとうございました。
このお話の大元のネタが、暗殺者に拾われた少女の復讐の話、というのは内緒の話です(笑)




