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6th Bullet:実弾ゼミ 陸軍講座

 いまさらだが、全く知らない人から自分の名前を当てられると不審に思うのは普通だと改めて思う。なんでそんなこと聞くのかって?


「え~っと。榊秋一君であってるよね?」

「アンタら、、、誰?」



 俺が今現在、全く知らない人から自分の名前を当てられたからだ。てかホントに誰だよこの人たち。

 ポカンと口を開けている俺を見て察しがついたのか、女性のほうが男に話かける。

 ちなみにこの女性、シスターの服を連想させるような厚手な紺色の上着を着ていているが、それでもわかるくらいのグラマーでさっきから視線のやりどころに困っている。


「マスター、いきなりその言い方はないと思いますが。」

「んえ。そうかな?」

 

 マスター? じゃあこの男はこの人の主人みたいなヤツってことか?

 ある程度女性が(恐らく)マスターと話をした後、こっちに顔を向けてきた。


「申し訳ありません。うちの馬鹿がおかしなことを言ってしまいました。」


 自分のマスターを馬鹿呼ばわりしたところはあえてツッコまないでおこう。そんなことよりも彼女の声に聞き覚えがあることが気になった。 


「え、、その声、、もしかしてサラさん?」


そう、あの時の電話である。


「あら、覚えてましたか。」

「ここに来るにしては早かったですね。」

「ええ。上の方たちが早く行ってくれと急かしてたので。」

「それって、十字陸軍クロスアーミーの?」

「あら、それのことをご存じでしたか。」

「セルカから聞きました。貴女もその一員ですよね。」


 彼女の左手の薬指についた指輪を指さす。これはアルカナリングといい、持ち主の魔力を制御するのに必要なものらしい。


「そう、、あの子から、、」


 その言葉を発するサラの表情から、少し憂いのようなものを感じた。地雷を踏んでしまったと思い、俺は話題を変える。


「ところで、この人誰ですか?」

「ああ、私の馬鹿でノロマで甲斐性無しなマスターです。」


そいつに一言訊く。


「すげぇボロクソ言われてるが」

「気にするな。いつものことだ。」


 本当にこの人がマスターなのかと疑わしくなってきた。



 その後、二人を居間へ招き入れセルカが戻ってきたとこで改めて紹介してもらう。


「ん~っと、俺は間宮春樹まみやはるき、ハルでいい。」


20代程と思われる男、間宮春樹はそのぼさぼさの頭を掻きながら言った。


「一応、アンタがサラさんのマスターで合ってるよな。」

「ああ、ちゃんと魔力の供給も俺がやってるしな。」

「魔力の供給?サラさんは魔導人形マキナートかなんかなのか?」


 俺は冗談半分に訊く。ついでなら、次の答えも冗談であって欲しかった。


「あれ、言わなかったっけ?サラは俺が錬成したホムンクルスだよ。」

「ホ、、ホムンクルスゥ!?」


 ホムンクルス

 たしか友人から借りた漫画に出てきた覚えがある。ホムンクルスとは、莫大な魔力と錬成に必要な材料を対価に錬成される人体。いわゆる人工人間である。でもたしかそれは、、


「ホムンクルスの錬成って確か違法じゃなかったか?」


そうだったが、、


「そんなモン、組織ができると同時に合法化したよ。」


あっさりOKが出たようだ。


「まあ、そうしねえと俺一人じゃ戦力にならないからな。今じゃサラが前線に立って戦闘して、俺が後ろのほうで後方支援バックアップするって感じかな。」

「ふうん。なるほどなあ。」

「そんなことより、そろそろ本題に移ろうか。」

「ああ、居候ならそっちから多少金が来るならいいけど。」

「居候は大丈夫だ。セルカから聞いたよ。一回ツクヨミを自力で倒したってな」

「まあな。」

「お前さん、これからも戦闘に参加すんだろ?それで、お前さんの腕を見ろって上の方から言われたんだよ。」

「要は、何らかのテストが必要ってことか。」


 テストといっても間違いなくペーパーではないだろう。


「そういうこと。今からお前さんには模擬戦用のツクヨミとタイマンしてもらう。サラ。」

「言われなくてもわかってます。」


そう返事したサラも右手には、電話台に置いてあったカッターナイフが握られていた。そうしてそのカッターを何もない空間に突き刺し「空間を切り裂いた」。そして裂け目に手を入れて内側から広げていく。できた穴からセルカと間宮が入っていった。


「秋一さん、早く入ってください。」

「なんだよ。これ。」

「模擬戦用の二次空間です。」

「なるほど。この中で戦うことで、外に被害が及ばないようにするってことか。」

「そういうことです。」


 それを理解して、俺はこの穴に入っていく。そのあと、サラも入って穴をジッパーで封をするかのように閉じた。


「じゃあ、そろそろツクヨミを召喚するから、換装してて。」

「オッケー」


 リングが指にはまっていることを確認する。よし、大丈夫。


魔導装甲ウィザードメイル換装トランス!!」

「おうおう厨二臭い。」


 どっかの誰かさんと同じ感想をいただきながら換装に成功する。うん、相変わらずのメイド服だ。ひょっとして、「怖いのは一回目だけ」とはこのことなのだろう。


「さて、んじゃあ始めるよ。」


 間宮はジーパンのポケットからカードのようなものをとりだし、俺の10数メートル先に投げる。すると、弱弱しい光の中からあの時教室で闘ったのと同じツクヨミが現れた。


「よーしじゃあ試験開始!!」


 俺は、右手にベレッタM92Fを握り間合いを図る。

 始まってしまった。この常軌を逸した「入試」が、、


To continue shooting,,

 どうも、おはようございます!こんにちは!こんばんは!熱湯水割りであります。今回は、二人ほど新キャラを入れさしてもらいました。題材としては、ぐうたらマスターと毒舌従者をテーマに設定しました。

 ちなみに作中にあった友人から借りた漫画、あれはホントに自分が友人から借りて読ましていただきました。

 参考になる本を売っていただいた某書店さん、いろいろアドバイスをしてくれた執筆仲間、そして日々執筆に取り組む元気をくれる読者の皆様には感謝感謝です!!

 次も頑張っていきますのでご期待ください。ではでは、


キャラ設定

サラ・ユーティライネン (女・14)

身長:172cm 体重:54kg 胸:92 腹:65 腰:76

所属:十字陸軍クロスアーミーロンドン本部  好物:ピザ

趣味:マスターいじり              嫌物:ウイスキー

誕生日:不明

筆者メモ:間宮春樹によって錬成されたホムンクルス。プラチナブロンドの髪とおっとりした表情に反し、マスターにだけはドS。ホムンクルスによる持ち前の怪力よ駆使して、大剣の二刀流など破壊力抜群の攻撃を行う。グラマ。

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