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ミツルとミチルとミクニとミコロ 〜 Romance Trium Regnorum et nobilis gladius 〜  作者: 硝酸塩硫化水素


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Ep64 Chapter“2” Scene“3” Cut“6” Take“1” 四度目の正直は唐突に

 ・副会長、小森 (こずえ)

 ・副会長、中森 (けん)

 ・会計、大森 水樹(みずき)


「この方達が、残る三人ですか。では、相関図を書いて頂けますかな?」


「そーかんず?こーめーせんせぇ、よく分かりませぇん」


 梓が提案した「生徒会役員再集結」に“孔明”は興味を示した。少なからず“見ず知らずの他人”よりはこちら側に取り込みやすいと考えたのだろう。

 だが、思ったよりも梓がおバカなせいで話しは進んでいなかった。


「森園さん、“相関図”ってのは、誰が誰の事を好きとか嫌いとか、後は兄弟や恋人、夫婦とかそういった個人間の関係性を線で繋いだモノだよ」


「なるほどなるほど、それじゃあ、あーしにお任せお任せぇ!」


 言葉の意味が分かると梓の仕事は早かった。三人の名前を紙に書くと、更にその周囲にありとあらゆる名前を書き込んでいく。そして次々に線を引き、色々なマークを書き足していった。


「森園さん、流石にコレはちょっと……」


「どれどれ?ほほぅ。ほうほう。ほーう。モテモテだな稜真」


 確かに稜真が動揺し、夕樹菜がニヤける理由がそこにはあった。書き出された名前の殆どから稜真に向けて矢印が書かれていたからだ。そして、その相手は男女問わない。


「それでは夕樹菜殿、この中に“在野の士”を探せる『魔眼』持ちはどなたですかな?」


 “孔明”は梓が書いた相関図を見ながら夕樹菜に尋ね、彼女は一人の名前(中森 検)を指差していた。しかし殆どの名前から稜真に伸びる矢印が、その名前からは伸びていない。


「では森園殿。この方を先ずは落とし(陥落させ)ましょう」


「あれぇ?あーしの名前をなんで知ってるんですかぁ?こーめーせんせぇは、エスパーですかぁ?」


 夕樹菜が指差した名前とは異なる名を“孔明”は指差した。そしてその名前に対して“仲介役”として、梓を“孔明”は指名した事になる。……が、梓はそんな事より、自分の名前(森園)を“孔明”が言い当てた事に驚いていた。


「だが“孔明”その“梢”は今、日本にはいないぞ?確か、海外に留学しているハズだ。

 留学先から簡単に呼び戻せるとは思えないが?」


「それは如何ようにも。

 ただ今すぐにとは申せませんが、近々その梢殿をこちら側に引き込む為の“策”は成りましょう。その役目を果たすのが、森園殿。

 宜しいですかな?」


 中森から伸びた矢印が向かった先が梢であり、“孔明”は梢を取り込む事で、本命(中森)を得ようと考えたのである――



 ―― Return to Previous Cut ――



「なんですの?わたくしにご用事かしら?

 わたくしは貴方方のような下郎に興味なくってよ」


 歩いて駅へと向かう帰り道。梢は絡まれていた。彼女は目立つ。街の雰囲気に紛れる一般人とは違い、梢はいい意味でも悪い意味でも本当に目立つ。

 そして何よりも、()()()()()()()()()なのだ。


「見てくれよぉ、俺達の顔をよぉ!こんなに包帯グルグルなんだ。ちょっとは恵んでくれよぉ」


 どこかで聞き馴染みのある声が響いていく。どうやら彼らは懲りずにまだ“不良”を続けているらしい。

 そしてその取り巻きは梢を取り囲んだ後だ。

 近寄ろうとする一般人(モブ)は、怒鳴り声で散らされている。


「貴方方の怪我と、わたくしにどんな因果関係が?百歩譲って、わたくしが貴方方に怪我を負わせたならば損害賠償されても()()()()()ありませんけど、見ず知らずの物乞いにくれてやる金銭は一円たりともありませんわ」


 それはド正論であり、不良達は彼女の剣幕にたじろいでいた。だが、逃げる事はあっても後には引き下がれないのが、彼らの(サガ)というヤツなのだろう。

 そして更に、高飛車な梢の言い方が火を付けた様子だった。


「このクソアマ!下手(したて)に出てお願いしてんのに、なんだその態度はッ!

 どうせアンタ、どっかの金持ちのお嬢さんなんだろ?おい、コイツ攫って身代金ガッポガッポだ」


「ただのチンピラ(小悪党)かと思えば、犯罪者予備軍だったとはな。

 この辺りに最近やって来た者達だな?大人しく引けば、痛い目を見ずに済むぞ?」


 それは突如として響いた声だった。だが周囲には誰もいない。キョロキョロと周囲を見回す目は二十を超えている。

 そうこうしている内に一般人(モブ)の一人が「あっ」と声を上げ、ビルの上を指差していた。


「黒い人……のようですわね?コスプレして人助けのつもりですの?」


 ――シュタッ

「さて、女性一人によってたかってタカるとは、見過せん。ここから先は私が相手になろう」


 黒い人。そう、オナカブラックである。だが、日本に帰ってきたばかりの梢に、その知識は無い。故にただのコスプレと判断した様子だった。


「うわぁッ!また出たッ!」

「なんで俺達ばっかり」


 包帯グルグル不良達は一気に恐慌した。二度ある事は三度ある。だが、これで四度目なのだから……。


「また?

 引くなら逃がそうかとも思ったが、他のジャスティスファイブの事を知ってる物言いだな。どこで何色を見たのか、洗いざらい吐いてもらうとしよう」


 不良達は、自分達の悲運を嘆く事になるのだろうか――



 ―― To the Next Take ――

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