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バカだけど戦えば強いってどうよ?   作者: 狸之大将
魔王蹴散らすってどうよ?
33/38

大将ざまぁみろ大作戦

カチャン

刀を鞘にしまう音が静かに響く

「操られてるせいなのか、それとも一番弱かったのか」

「瞬殺だったね」

アラとの対戦だったのだが

きょっけの一振りで一撃だったのだ

「さて、先へ進むか」


ギイイイィ…

錆び付いたドアを開けると目の前に広がる景色は

王宮の一室のような豪華な部屋だったが

そこに見合わない奴が座っていた

「黒い…騎士…?」

見たところ西洋風の騎士

鎧は着ていないがどこからどう見ても騎士なのだ

腰にはレイピア

頭には帽子を被り

少し長めの革靴を履いている

髪は金髪で目は赤

しかし

「何故だろうか…ものすごく黒い…」

そう、オーラが黒いのだ

絶対正義のような格好をしているが

完全に魔王サイド

ドス黒いオーラが滲み出ているのだ

「気を付けろよぺるしぃ、俺も目で追えるかわからん」

「きょっけの目で追えないなら僕の目で追えるわけないじゃない…」

ぺるしぃは剣を構え

きょっけは腰に下げている刀に手を掛けた

「ククク…ハハハ…ハハハハハハ!!!!」

玉座に座る者が口を開いたと思ったら

急に高笑いを始めたのだ

「俺を舐めているのか、その構えとてもじゃないが俺と戦えるようには見えん」

「僕達の剣の構えはちょっと特殊なんだ、他とは違うからね」

ぺるしぃは剣を構えているが

居合に近い状態で持っている

きょっけに関しては刀に手を置いて棒立ちだ

「そんなやつが俺を倒そうなんて1万年くらい早いってもんだ」

重い腰を玉座から上げて2人に向き合った

その姿はやはり騎士

誇り高いはずなのにどこか間違えた姿

その間違いだらけの姿だからこその威圧感

「これは…まずいんじゃないかな…きょっけ…」

「間違いなく手練れだ、気をつけろよ」

フフフ…

怪しげな笑みを浮かべてその男は近づいてくる

「俺の名はダルタニアンだ覚えておけ」

騎士の記憶が残っているのか

その真相はハッキリしていないがそうとしか思えない

「僕はグリフォンの先祖返りぺるしぃ」

「俺はスサノオの先祖返りで朱雀の右腕きょっけ」

「ふむ、俺を目の前にしても名乗る礼儀はあるのか。これには俺も驚いた」

そしてダルタニアンは腰から剣を引き抜いた

「細いな」

「お前らみたいにただ長い、ただでかいだけじゃないんだよ」

「言ってろ!」

先陣を切ったのはぺるしぃだった

叢雲を引きずり地面をガリガリ削りながら

ダルタニアンに突っ込んでいった

「ハァッ!」

叢雲をダルタニアンめがけて振り下ろす

「甘い」

レイピアの先端を使って器用に叢雲を横に弾き

ぺるしぃの体制を崩した

そしてそのままダルタニアンは突きをくらわせた

体制を崩されたぺるしぃは避けれるはずがなく

そのまま肩にレイピアが突き刺さった

「ぐあっ…」

「だから言っただろ、ただでかい、ただ長いじゃ無理なんだよ」

ぺるしぃの利き手の方の肩から血がポタポタ垂れてきた

「上手いこと動脈を貫通したみたいだな」

と思っているとダルタニアンがあることに気がついた

「スサノオがいない…?」

そうきょっけが視界から消えていたのだ

気配も感じられない

後ろを見るが背後を取られたわけじゃない

じゃあどこへ?

そんなことを考えているとどこからともなく声が聞こえてきた

「どこを見ている?俺はここにいるぞ」

スゥー…と何も無いところからきょっけが出てきた

「なるほど、俺は少しお前のことを甘く見ていたようだ流石に朱雀の横にいるやつは格が違うか」

そう、目の前には5人に増えたきょっけがいたのだ

「おそらくあれは蜃気楼の幻、上手いこと能力を使うものだ」

「だけど見極めなければ意味がない」

分身したままきょっけが突っ込んでくる

「それなら一番殺気が強いヤツを叩くまでだ!」

1人目のきょっけが斬り掛かる

すると

「なに?」

ダルタニアンが斬られた

「という事は残りは全部幻か!」

そう思い1人目のきょっけを見るが

「背中」を斬られた

「あ?」

その後も腕、脚、肩を斬られた

「バカな…どうなってんだ?」

「お前はこれを蜃気楼と言ったな、それはその通りだ」

そう、これは本当に蜃気楼なのだが

攻撃が全部当たるなんて普通はありえないのだ

「そしてその中に俺はいない見えているのは全て幻影だ」

「つまりお前はこの幻影の裏のどこかにいるってことか」

「これは俺の奥義、蜃桜陣しんおうじんだ」

そのままきょっけは攻撃を開始した

(これはどうやって本体を見つけるかってのも問題になるな…)

全部本物だと仮定しても

どっから斬られているのかそしてどの方角にいるのか

それが全くわからないのだ

感覚を頼りにしても全てが本物のような殺意を持っているので見分けがつかない

「なら俺はこれで行こう」

ダルタニアンが地面に魔法陣を書き

魔法を発動させた

「風よ吹き荒れよ!」

魔法陣が緑に光りそこから風が吹き荒れた

「この風でお前の居場所を割り出してやる!」

そういった瞬間に風が止んだ

「は?」

そう風が無くなったのだ

魔法陣を見ても緑に光り風が出ているのは確認される

しかしこの空間に風は吹いていない

「僕のことを忘れてもらっても困るんだけど?」

ぺるしぃが新しい魔法陣を書き

そこから出している風を打ち消す風を発動させていたのだ

刹那きょっけの幻影からぺるしぃが出てきた

その距離数mもちろん近いので回避は間に合わない

それをダルタニアンはまた横に崩した

そして右肩にレイピアを突き出したが

それを何かに弾かれた

「俺の剣は止まってないんだ周りを見なければ死ぬぞ」

きょっけの刀の猛襲は止まる事はなかった

ほぼ飛ぶ斬撃である

どこにいるかわからない

剣が当たるのが速すぎて掴むこともできない

どうする…

「そうか、ならこうするまでだ」

ダルタニアンの体から冷気が放たれた

その瞬間蜃気楼が消えてしまった

「なっ…」

「幻覚がわからないならまずその環境をぶち壊すまでの話だ」

本体が見えた瞬間ダルタニアンはきょっけめがけて

突進して行った

「きょっけ!」

「大丈夫だ、まだ慌てることじゃない」

ダルタニアンはきょっけの肩めがけて突きを繰り出す

が地面から氷の柱を作り出しそれを防いだ

「なかなかやるじゃねぇかスサノオ」

「そりゃどーも」

いつものようにやる気のない返事を出し

ダルタニアンに向き合う

「このままじゃ一向に決着がつかないななら俺は奥の手だ」

ダルタニアンはポケットからリモコンを取り出し

モニターを出し映像を映した

そこに映っていたのは下に落とされた

みんなが捕まっている姿だった

「なにぃ…!?」

「みんな!」

『悪い!不意をつかれた!』

タヌピスがそう言うと地下の兵士に殴られた

『うるさいぞ!』

「てめぇ…卑怯だぞ…」

「俺がどう戦術を立てようがこっちの勝手だろう、お前らが一歩でも変な動きをしたらこいつらを仕留める魔法も使えないようにしてあるしな」

ギリッ…

きょっけとぺるしぃは歯を食いしばった

『俺に構うんじゃねぇ!』

モニターからタヌピスの声が聞こえた

『いいか!今大事なのは俺達じゃねぇ!未来の世界だ!』

『そうだぜ!例え守護者の俺がいなくなろうとも未来に繋がればそれでいい!』

『私も未来の世界があるならそれでいいです!』

『少なくとも俺が死んでも水使いが一人消えて』

『俺が死んでも移動手段やらが無くなるだけだしな』

そんな地下にいるみんなの声を聞いて

ダルタニアンは驚かざるをえなかった

「馬鹿な!お前らは死ぬのが怖くないのか!?」

『あ?そりゃ怖いに決まってんだろ』

「じゃあ…!」

『だけどな、お前に殺されるような奴らじゃねぇんだよ俺の仲間達は、わかったならとっとと負けやがれこのクソザコヤロー』

怒りを前面に出してプルプルと震えている

「地下兵に告げる!そいつらを殺せ!」

『了解しました!』

そしてそこで通信は途切れた

「フン!奴らはもう助からな…い…」

目の前には燃え上がる2人がいた

「お前には負けられないな」

きょっけが刀に手を置いてそう言った

「バカが!お前らが俺に勝ったところで何も意味が無いんだぞ!」

「それでも!俺達は戦わないといけないんだ!」

きょっけがダルタニアンの目の前から姿を消した

気がつけばダルタニアンは背中を斬られていたのだ

「バカな…見えなかった…」

「僕の力を解き放つ!真名開放リミットブレイク!」

ぺるしぃも真名開放をして魔力を高めて

叢雲を上段に構えた

「奥義!風陣ふうじん暴風斬ぼうふうざん!」

「ぐぁぁぁぁっ…!」

ダルタニアンは風の太刀を自分の剣で受け止めた

「ぐおおおぉぉおお!!!!」

「断ち切れえええええぇええええ!!!!」

そのまま耐えきれなくなり力が緩んだスキを逃さず

ぺるしぃは太刀を振り切った

辺りには風が吹き荒れた

「ダルタニアンは…!」

きょっけがダルタニアンの姿を確認するが動く気配がない

「よかった…俺達の勝ちか…」

「僕もうヘトヘトだよ…」

全力を出し切りもう動けない状態になった2人

しかし

「まだだ…」

声が聞こえた方を見るとそこには

剣を構えたダルタニアンがいた

「このままでは終わらん!終わらんぞぉおおおおお!!!!!!」

(まずい!)

そう思ったが体が動くわけがない

きょっけは回避行動が取れず右肩を貫かれた

「うっ…」

そのまま剣を抜き次は腹に突き刺した

「がはっ…」

「死ね…死ね…死ねェ!死んでしまえええええぇ!!!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

「やめろおおおおおぉおおお!!!!」

ぺるしぃの叫びが響いたその瞬間

下の方から爆発音が聞こえた

音が聞こえたと思ったら

今度は城が揺れ始めた

「な、なんだ!何が起きてる!」

揺れが大きくなった

そして地面が砕けて無くなった

「俺の仲間に…何してくれてんだぁぁぁぁああ!!!!!!」

すると下の方から炎の翼を広げて飛んでくる

タヌピスとしょまうの姿

壁を走るクロマの姿も見えた

「貴様ッ!始末されたはずじゃ!?」

「俺があの程度で死ぬと思うなぁぁぁぁぁあ!!!」

右拳にパワーが貯まって光り輝いている

「俺の拳に思いを込めるぜ!みんなの思い!」

そのままダルタニアンに突っ込み

零距離でその力の全てを放出した

「破邪閃光拳!!!!!!!」

その光はダルタニアンの闇の部分を貫き

魔を断ち切った

「おっしゃぁ!これで俺達の勝ちだ!」

「タヌピスさん!もう崩落まで時間がありません!」

「こっちはぺるしぃときょっけ回収しといたぞ!」

クロマが2人を担いでるのを見て脱出しようとした

がタヌピスは下の方へ飛んでいった

「何やってんだタヌピス!」

「悪いお前ら!先に脱出してくれ!」

「おい!タヌピス!」

「行きましょう!今はタヌピスさんを信じましょう!」



「おい…何をしている…」

ダルタニアンは下に行って死ぬはずだったのだが

まだ死んでいない

なぜならタヌピスが下でギリギリ受け止めたからだ

「あ?お前に死なれても俺が後味悪いだけだ、オラ立てや」

ダルタニアンに肩を貸して飛ぼうとするがもう完全に崩落が終わりかけていた

「これはちょっとまずいかな…」




「城が…」

ぺるしぃが見る先には崩落している城が見えている

「タヌピスが…」

そう崩落する城を見ていると

横から3人の剣士が来た

「お前らは…」

「安心しろ、今は敵じゃない。だが…」

アトは崩落する城を見た

「ダルタニアン…お前とまだ話がしたかったのだが…」

その目には涙が滲んでいた

泣き崩れそうだったその時

完全破壊デストロイ!」

バゴォォォォオン!!!!!!

いつも聞いたことがあるような爆発音が響いた

するとそこからダルタニアンを背負ったタヌピスが出てきた

「タヌピス!」

「ただいま、みんな」

笑っていた

あんな死闘があったなかタヌピスは帰ってきたことを喜んでいるのか

笑っていた

「ダルタニアン!」

3人の騎士がダルタニアンに近づくと

ダルタニアンは目を覚ました

「お前達…」

「よかった…本当によかった…」

「なぁ…お前…」

「んぁ?なんだよまだなんかやる気か?」

タヌピスがそう聞くと

「なぜ俺を助けた…?」

ダルタニアンはこう言った

その言葉を聞いてタヌピスはヤレヤレ…

と呆れたように首を振っていた

「魔王の力が組み込まれてたとしても元は普通の人間、そんなやつから魔王の力を消して普通に戻したんだ」

「だからなぜ…」

「あ?人を助けるのに理由がいるのかよ?」

その言葉を聞いてダルタニアンは涙を零した

「ありがとう…ありがとう…」





ダルタニアンが落ち着いて話ができるようになりタヌピス達も避難した住民の所北の国へ帰ろうとしていた

「待てタヌピス」

ダルタニアンが帰ろうとするタヌピスを呼び止めた

「こうなったのも俺達のせいだ、この街はお前が戻る頃には元通りにしとく」

「いいのか?」

「せめてもの罪滅ぼしだ、それくらいはさせてくれ」

「じゃあお言葉に甘えさせてもらうとするか」

「あともう一つ」

ダルタニアンは青い石を渡してきた

「これは俺達の結晶だもし何か助けて欲しい時があったらそれで呼んでくれ、お前には返しきれない恩があるからな」

それを貰いタヌピスはダルタニアンに拳を突き出した

「…?」

「俺的な挨拶みたいなもんだまぁちょくちょく変わるけどな」

「これに拳をぶつければいいのか?」

「あぁそうだ」

そう言うとダルタニアンはタヌピスに拳を重ねた

「また会おうタヌピス、いつかまた」

「次会う時は飯でもゆっくり食いに行きたいところだな」

2人の男は笑いながら別れの挨拶をした

そしてタヌピス達は北の国へと帰還したのだった

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