無理でもやる
禍々しい紫の穴から出てきた魔王
ハデス
骸骨の化身のようなヤツの中から
何かが出てきた
体は筋肉がごついわけでもなく
スマートな感じ
体の表面の色は青、牙はあるがそこまで長くない
言うなれば人の皮を被った悪魔のような感じだ
体型も人に近い
「お前が…ハデスなのか?」
「そうだ、魔王が人っぽい身体をしていて驚いたか」
そりゃ驚きだ
魔王は全部化物みたいなやつだと思った矢先
こんな人型魔王だとは
「お前はこの世界を救う者なのか」
「あぁそうさ俺はこの世界を救う、助けに来たんだ」
ふぅ…
ハデスは小さなため息をついた
「しかしお前からは俺と同じ匂いがする」
何?
タヌピスは顔をしかめた
「血と死の匂いだ、俺達魔王サイドと同じな」
「バカ言ってんじゃねぇ、俺は正義のためにこの拳を振るう、悪で振った覚えはねぇぞ」
まぁいい
ハデスはそう言ってタヌピスと向かい合った
拳に紫のオーラが纏い始める
対面ではタヌピスが拳に真っ赤な炎を宿している
「俺と殴り合いできるヤツがいるのかどうかまぁ現世とか今まで戦ってきたヤツらにはいなかったけどな」
「魔王と殴り合いをする時点で間違っていると思うがな」
ハデスは何を焦ることなく
じりじりとタヌピスに近づく
「お前…呪いは使わないのか…」
そうハデスは呪いの魔王
だがタヌピスには呪いをつけられている
そんな気がしない
「何を言うかもう呪いは発動してるぞ」
タヌピスに異変はない
ハデスにもない
ならどこに?と疑問に思ってる内にハデスが突っ込んできた
「まずい!」
タヌピスは攻撃が間に合わないと思ったので
ガードを試みた
タヌピスは腕を交差させて拳をガードした
けれどそれは失策だった
「当たったなこの拳に」
「はぁ?何のこと…ガハッ…!」
タヌピスが口から吐血した
「俺の拳には呪いがついている、今の拳の呪いの種類は相手の能力の封印、それと当たったら内蔵を破壊するという呪いだ、お前の炎は一時的に封印させてもらう」
息切れを起こしているタヌピスにハデスがそう言うが
タヌピスが
はっ、と笑った
「何を笑っているお前は」
「いやぁ…こんなにもうまくいくとは思わんかったからな…」
そう言うとハデスも吐血をした
「ガハッ…どういうことだ…」
「俺には痛みの反撃って技があってな…それの応用だ…」
「なに?」
「痛みシリーズの応用編 痛みの反射その通り受けた攻撃を相手にも与える能力だ…」
『まぁ痛みの反撃は俺のオリジナルだからタヌピスがすぐに使えるわけではないからな』
そう魔王が言う
「これでお前も一つ能力使えねぇはずだぜ…リスタート…」
タヌピスは回復魔法で自分の傷を癒す
「ふぃー生き返るわ」
「しかしやるな…俺はお前を侮っていたかもしれない」
ハデスがタヌピスに向かってそう言う
「けど…今の俺の本気だとお前に絶対勝てる気がしない。だから性能を上げさせてもらう」
そう言うとタヌピスは薬を飲んだ
そう魔力底上げ薬
ミミの店のやつだ
「ふぅ…これでも足りないくらいだな」
タヌピスの体からとてつもない大量の魔力が溢れ出す
『ならば俺の魔力やろう、俺達は2人で1人だ』
「お前は人と呼んでいいのか知らんけどな」
『言ってろ、分裂の能力を使ってお前をぶっ飛ばす前にな』
「へいへい怖いこったな」
そういいつつタヌピスと魔王が魔力を混ぜ合う
「なんだ…あいつは…何者なんだ…」
ハデスがありえないものを見るような感じで言った
それもそうだろう
ハデスの目にはこう見えている
左手からは負のオーラ
完全に死をもたらす魔王の力
右手からは正のオーラ
人を救うべく、英雄が振るう光の力が
「人魔接続これが俺の本気の本気だ」
タヌピスの左目は白と黒が反転している
魔王の力が宿っている証拠だ
『お前の力は神をも砕く悪魔を喰らうその力をやつにぶつけろ』
「得意な火が使えなくなったが、それはまぁ別にいいとして」
グッと拳に力を込めると青い炎が拳に纏っていた
それは冷たいわけではないむしろさっきより熱い炎だ
「構えろよハデス俺らの力を味わうといい」
「言ってろ人間と魔王の混合種が」
まさに一触即発
先に仕掛けたのはハデスの方だった
音速を超える速度で加速し
タヌピスの懐に潜り込む
腹にボディをクリーンヒットさせる
「次の呪いは魔力欠乏の呪い、魔力が無くなるッ…」
はぁ…とタヌピスはため息をついた
「お前、さっきの話を聞いてたのか?」
そう反射してるからハデスの魔力も奪われる
しかも殴った痛みは次の反撃で一気に返ってくるのだ
「じゃあ今度はこっちからいくぜぇ!」
タヌピスは左右にステップしながら近づき
相手の目を惑わせてる
それは反復横飛びとかそんな領域ではなく
残像が見えて分身してるレベルだ
「こんなもの俺からしたら止まって見えるぞ」
ハデスがそれを目で追う
そして拳を前に突き出す
タイミングを図って殴ったはずなのだが
空振り
なんと前の残像は本体はなく
本当に残像だけ
「まさか!」
ハデスが後ろを振り向くがもう遅かった
「遅い!」
タヌピスの燃える拳がクリーンヒットした
ハデスの体には燃える拳の焼印がついた
「どーよ?俺の灼熱の拳の味は」
しかしタヌピスはガクッと膝から崩れ落ちた
「あ…れ?」
「油断したな」
ハデスが焼けたところを回復させながら言った
「誰が拳にのみ呪いをつけてると言った」
隠していた体のオーラが見えてきた
そうハデスは拳以外にも呪いをつけれるのだ
油断していたタヌピスは反射できずにモロ食らってしまったのたま
『まずいぞタヌピス…これは…』
「どう…した?」
するとタヌピスの左目の反転色がスーッとなくなってった
「今お前らにつけた呪いは力の分裂そして関節部分の極端な封印だ」
タヌピスはあらゆる体の機能を封印されていた
魔力、炎、魔王の力、関節の駆動
今にはもう体がうまく動かせないのだ
「まずいなこりゃ…手詰まりか?」
『いや、まだだ関節の接合は任せろ長くはもたないがな』
充分!といいながら剣を作り出した
「体に触れたらアウトなら久しぶりにこれを使うしかないな」
そう言って作ったのが大剣だ
自分の身の丈以上ある大剣だ
「ほう、拳は諦めたのか」
ハデスが挑発するようにそう言った
「諦めてはいないが…もう倒すにはなんでもやるしかないからな…」
剣は黒く紫の線が入った大剣
禍々しいオーラを纏っている
『あまり強く振りすぎるなよ、関節が抜けるからな』
「行くぞ…」
ハデスがゆらりと動き出した
ハデスはタヌピスの裏を取って殴るが
それを剣で受け止める
「魔王の拳を正面から受けて壊れないとは、いい剣だな創作のくせには」
「いい目だなこれは俺が知ってる中でいっっっっちばん強い魔王の剣だ」
『いつでも俺らは一緒だって言いたいのかねぇ』
ニシシとタヌピスは照れるように笑った
「さぁ!今度はこっちからいくぜ!」
タヌピスが大剣をもって走った
しかし大剣を持っていてもなお速い
ハデスも目で追うのがやっとだ
「だが!そんな剣振るのに少し時間があるはずだ!」
手で剣を受け止めようとする
しかしハデスの予想を上回って剣が飛んできた
まるで片手剣を振る勢いで飛んできたのだ
もちろん回避も間に合わずハデスは左手を落とした
「グッ…」
「いってぇぇぇ!!」
『バカ野郎!強く振りすぎだ!』
ガシャンと剣が地面に落ちる音が聞こえた
振った方の肩が関節破壊の呪いが発動し呪いが魔王の回復より勝ってしまったためにやられてしまった
「けど…あいつも腕をなくしてるからな…」
タヌピスは左手で剣を持った
『タヌピス!やめろ!このままじゃ俺の回復が間に合わずに一生動けなくなるかもだぞ!』
「魔王の優しさはわかったが…今やらなくて誰がやるんだよ…」
右腕をぶらぶらさせ左手で剣を握りまた走る
ハデスは左腕が使えなくなってるので狙いはおそらく右腕と予想していた
「いや違う!足か!」
「オラァ!」
ハデスは予想していたところを斬られると思ったが
タヌピスの狙いはもともと右腕1本だ
足を斬るふりをして腕をもらっていったのだ
「ぐぁっ…」
「いってぇぇぇぇぇぇぇええ!!!」
タヌピスは両腕をぶらぶらさせて
ハデスは両腕を無くしている
まさに死力の戦いだ
しかしタヌピスがガクッと膝から崩れた
「こ、これは…」
『ここに来て魔力切れだ…俺の魔力が渡せたら…』
ゆっくりとハデスが近づいてくる
「あっけない幕引きだったなタヌピス…だが久しぶりに本気で戦えた、さらばだタヌピス」
右足にパワーを溜めてそれを一気に開放する
「死の一撃!」
タヌピスは回避することもできず正面から受けてしまう
そのまま家の壁を何枚も突き抜けて飛んでいった
そしてそのまま転がりついた先には
逃げていた住民そしてマロンと舞とアイがいた
「兄貴!」
マロンが駆け寄る
ぐったりとしてもう動く気配がない
そこまでの一撃を受けてしまった
「そんな…タヌピスさんがここまで…」
アイが驚きを隠せない顔をしていた
コツ…コツ…
と足音が聞こえる
すると貫通してきた穴からハデスが出てきた
「ほぅ、逃げていた奴らのところに繋ぐとはお前も不運だったなタヌピス…もう声も聞こえてないか」
ちらりとタヌピスを見てから住民に向き合う
するとその住民の前に立ちはだかるように
タヌピスが立ち上がった
腕は上がらず足もしっかりせず立っているのもやっとだ
「まだ…やられるわけにはいかんのよ…」
「そんな体で何が出来る、タヌピスよ」
ハデスが住民を狙って波動を放つがかき消された
「なんだと?」
「絶対守護…守らせてもらうぜ…俺が死ぬまで…」
タヌピスが発動させたのは絶対防御のバリア
自分に纏わせる事は昔できたのだが
今は発動することしかできないそれも自分以外にしか発動させられない
「どこまでも鬱陶しい男だなお前は」
「はっ…言ってろ…」
タヌピスはその場に倒れ込む
ハデスは足にパワーを貯めてふみつけようとする
「声も出せないまま死ぬといいタヌピス」
タヌピスが踏まれる刹那
槍が飛んできた
「こ、この槍は…」
その後追い打ちをかけるかのように炎が飛び斬撃が飛んだ
タヌピスの体は木で守られている
「悪い、待たせたなタヌピス」
自分達も大怪我をおって動けないはずだったのに
タヌピスの危機を感じとり
他のメンツが揃って来たのだ
「タヌピス…もう魔力すら残ってないのか…」
ペンがそう言ってハデスに向き合う
「うちの大将をここまでボコボコにしてくれて…落とし前つけてもらうぜ」
ペンが槍を構えて前に出る
その後ろではきょっけが刀を口に挟め
しょまうが拳を構えている
「タヌピスよぉたまには俺らを頼ってもいいんだぜぇ?」
しょまうがいつも通りに言うが
おそらくもう限界撃てても全力が1発だろう
前の方ではペンとハデスが撃ち合い
キィン!キィン!と金属音が響く
「時間を稼いでくれ…アレを放つ…」
それを何か察したのかきょっけとしょまうが首を縦に振った
「任せろタヌピース!」
「あん?ぺるしぃ!何をするって?」
ペンがそう聞くと
「ヒマコレ合体技だよ、いつものアレ。魔力残しとけよ?」
了解!といいまたハデスと撃ち合う
きょっけも刀で斬りかかり
しょまうも炎を投げ飛ばす
「小賢しい!お前ら!皆殺しだ!」
ハデスが怒号をはじけ飛ばす
「全ての力よ全ての魂よこの右手に宿れ、今放つは破邪の光全ての悪を滅する光」
タヌピスがそう唱えると右手に光が宿る
「いいぞ!」
タヌピスがそう合図する
ぺるしぃときょっけとしょまうがタヌピスの後ろに来て背中に手を当てる
「ペン!来れるか!?」
「これはちょっと…きついかも…なっ!」
ハデスを槍で弾き飛ばし
ペンも背中に手を当てる
「ハデスの目にはこう見えていた」
赤、青、緑、黄、紫
5色の色が一つにまとまり一つの力となる
「これがホントのホントに最後の一撃だ!」
タヌピスが右手をハデスに向ける
「ヒマコレ式必殺奥義!友情の一線!」
5つの光を輝かせその光がハデスを襲う
ガードは不可能避けることも不可能
その発動条件は
5人の友情が一つになりそのみんなが限界ギリギリに立っている時のみ発動出来るヒマコレ式必殺奥義
「この光は…そうか…俺の負けか…」
ハデスがタヌピスに向き合った
「久しぶりに本気を出して楽しかったぞ…タヌピス…お前にこれをやろう…」
ハデスが手から出したのは玉だ
「俺の力だ、お前は悪用するなよ?」
「ハデス…俺も良かったぜ…殴りあえるやつがいるとはな…」
ハデスはそのまま諦めるように笑った
そしてそのまま光に包まれ消失してった
タヌピスが後ろを向くと
4人は笑っていた
「と、言うわけで!この勝負俺達の勝ちだ!」
ウォォォオ!!
と歓声が上がる
舞とアイは泣きマロンは指を立てている
4人は笑い
タヌピスは
ボキッ
「いっだぁぁぁぁぁぁあ!!?」
背中を反った瞬間背骨が逝った
締まらねぇなぁ…とペンがいいながらこの戦いは幕を引いた




