霧の魔術師
ドガァン!バゴーン!と建物が崩れるような音が聞こえる
というか建物がほんとに崩れてる
「オラァ!オラァ!」
と、ヤンキー化した幼女がアイを殺す勢いで殴り続けている
てかもう性格変わりすぎだった
アイは殴られているのだが痛そうな顔をしない
それには訳があるのだ
「ちくしょう…どれだ…」
そして幼女はこう叫ぶ
「どれが「本物」のあいつなんだぁぁぁぁ!!!」
周りを見ると100〜200人のアイがいた
話はさかのぼりあの豹変してアイが変身するところ
「おいコラてめぇあたしが殴りで戦うのにそっちは魔法か」
「うふふ、私殴るのは苦手なので」
と、お姉さんになったアイが言った
「上等だ!行くぜ!」
右手に拳を作って突進してくる幼女
それをひらりとかわすするとアイがこんなことを言い始めた
「ねぇあなた幻覚って今までに見たとこがあるかしら
」
と、言うと辺りに霧がかかってきた
「なんだ!?霧?特に害がある霧でもねぇな…これは一体…」
そう考えているとアイが2人になっていた
「な!?」
「1人から2人、2人から4人、4人から8人」
と倍になるようにアイが分身した
「これが私の魔術であり戦い方「幻影の霧」よ」
と、アイの分身達が一人一人様々な動きをしている
どれも自分の意思を持った分身のようだ
けれどアイの分身はただの錯覚に過ぎない
どんなに動きがバラバラでも
本体は一つしかないのだ
「では手始めにこちらから攻撃させてもらいますかね」
というと分身全員が詠唱を始めた
「聖なる水よ鋼の魂を持ち相手に牙を刺せ!「水の槍」!」
というと槍が飛んできた
今の分身だけで40人くらいだろうか
その全員から槍が飛んでくるのである
「バカが!槍は40個のうち1個避けられねぇわけじやねぇ!」
大量の槍を避けて本物のアイを探そうとする
だが背中に1本の槍が刺さった
「ガハッ…」
バカな…すべての槍を避けたはずだ…
だけどこの槍が飛んできた…
後ろから…?
てことは本体はどこぞにこそこそ隠れてるのか!
そうしてバッコバコアイの分身を叩く今に至る
「オラァ!隠れてないで出てこいや!」
そう言うと反響して声が聞こえる
「そんなパンチ繰り出す人の前には出たくないですよ」
「ハッ、言ってくれんなオラァ!」
バゴーン!とまた建物が1つ崩れた
「雷槍」
そう唱えると150人くらいになったのか
全員のアイが雷の槍が飛んできた
「これはこうすりゃいいんだろ!?」
と言って右手を振り上げた
「岩破拳!」
地面を全力で殴るとそこを中心に岩がめくれ上がり
槍を全部弾いた
「そしてお前は全部の槍が飛んできた後に私の死角から槍を飛ばす!」
と言って振り返ると槍が飛んできていた
「オラァ!」
それを蹴り上げるとその槍を飛んできた方向に投げ飛ばした
「わわっ!危ないじゃないですか!」
「危ないじゃねぇよ!こっちは死ぬ気で戦ってんだよ!」
そう言うと幼女は力を溜め始めた
ハアァァァァアと幼女の身体に青い妖気のようなものがまとわりついていた
「五感開放!」
幼女が展開したものは五感を最大限まで引き出すという技だ
すると
「臭う臭うな、臭せえ女の匂いだ!」
と言ってある1点を目指して加速し始めた
「真直拳!」
その加速を生かしたまま右ストレートをかました
するとその先にはアイがいた
「グハッ…」
「どうだ?いてーだろ?」
と言うとアイは口から血を吐いた
すると周りの分身が消えていった
「お得意の霧の魔術はもう終わりか?」
「黙れ…まだ終わったわけじゃないのよ…」
チッと幼女は舌打ちをしてアイめがけて追撃し始めた
「浮上脚!」
アイを真上に蹴り飛ばしたそして幼女は垂直に飛んでから
「紅蓮脚!」
そうしてアイの脇腹に蹴りを入れこんで
アイを近くの建物に叩きつけた
「グッ…」
腹が焼けるように熱い
というかもろ焼けてるかもしれない
「オラァ!まだ終わりじゃねぇぞ!」
と言ってアイの頭を掴み腹を殴り続けた
「アァアァァァァァア!!!」
アイの絶叫がこのへん一帯に響き渡る
だが誰もいないから助けもない
「くたばんじゃねぇぞ!オラァ!」
そしてそのまま顔面を殴り飛ばした
「ハァ…ホントに弱いなてめぇ」
「だ…か…ら、言ったでしょ…?」
幼女がゆっくりとアイに近づいてくる
「このまま殴り続けるのもいいけど拳が疲れてきたわ。お前もう死ね」
と言って幼女がアイの頭をつかんで
右手に力を溜め始めた
「滅殺拳」
アイを顔面から殴り飛ばすと
アイは力尽きたように地面にくたばった
「つまらねぇ戦いだったなぁおい」
そう言うとアイは最後の力を振り絞るように起き上がった
「あぁ?なんで生きてやがる」
「あんたは1つ…大きな…間違いをしてる…」
なんだと?と言うとアイが
「チェック…メイト…」
ドスッ!と1本の槍が幼女の心臓を貫いた
「ば、バカな…」
ドサッとその場に倒れ込む幼女
その後ろには「無傷」のアイが立っていた
「あんた何に向かってぶんぶん殴ってたのかこっちからしたら全くわからなかったわよ」
と言うと幼女の死体を燃やしてこういった
「あんたは最初から私の幻覚に魅せられてたってわけよ」
アイの本気で幼女を撃退したのだった




