メイドカフェAngel Dream
ぼーっと電車に乗る昼下がり。
昨日は夏鈴ちゃんがあの後シャンパンを下ろしてくれたから嬉しかったけど、少しだけ二日酔い。
うう。
新宿から秋葉原まではそんなにかからない。
ぼーっと外を眺める。
「相手のことを想う、そんな優しい夏鈴ちゃんが……」そんなことを言ったんだっけ。
あんまり覚えてないけど、夏鈴ちゃんが言ってほしそうなことを何となく言っただけだったような気がする。
でもやっぱり、色んなお客さんに色んなこと、言われるの、とっても辛い気がするの……。
そう。自分だって、誰だって……。
アキバに付く。
路地を歩く。
そして、ビルの3階。「メイドカフェAngel Dream」
この、白い空間。俺はここに来れば、歌舞伎町の全てを忘れられる。
ような、気がする、だけ、かな……。
「りさちゃん、やっぱり俺、辛いよ、お客さんにさあ、色々、言われるの……」
「そっ……か。大丈夫だよ。ソラさん、もしまた辛くなったら、私のとこに来てよ。ほら、チェキでも撮ろ。そうすれば元気出るかもよ」
「ご主人様、いってらっしゃ〜い」
そう言われながら店を出る。
チェキの裏を見る。
「いつも悩んでるのを見てるけど、それだけソラさんが頑張ってるんだなって思えるの。ソラさんならきっと大丈夫だよ。私もついてるし。またつらくなったらいつでも来てね! ソラさんだけのりさだから♪」
少しだけ元気が出る。このチェキが3千円で、落書きがあると5千円、か。
心の花をテーマにしたプリキュア、やっぱりそれだけ心に残ってる。
この世界にはプリキュアはいないし、心にぽっかりと空いた穴は、お金でしか塞げない。
それでもいいのかな。
それで、いいんだろうな。
メイドカフェには長居してしまった。このまま、また、歌舞伎町へと向かうとするか。
襟を少しだけ整えた。




