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歌舞伎町ナンバーワンの俺氏、休日はアキバでオタクしてます  作者: 眠夢
それぞれの想い

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2/12

御曹司カフェRoyal

ビルの階段をかけ降りる。


白のパーカーに、インナーはちいかわ。シナモロールの手提げを持って、よく見える丸メガネで、踏み外さないように注意しながら。


パーカーから、髪がなびく。私は急いで電車に乗る。秋葉原から池袋までは山手線で少しあるから。


ぼーっと外の景色を眺める。


「ソラくんみたいな優しい人がいるから、私は嫌なお客さんでも」みたいなこと、言ったんだっけ。


そういう考え方も出来るけど、やっぱり傷つくことは傷つくし、今日だって、髪切った方が可愛かった、とか、メイク突っ込んできた人もいたし……。


だからといって私自身の価値観を変えなくてもいい。そんなことは、知ってる。知ってるんだけどさ……。



池袋駅を降りて路地裏を歩く。エレベーターで3階。右手一番奥の、高級そうなドアを開ける。


「お帰りなさいませ、お嬢様」



御曹司カフェRoyal 。ここに来れば、私は少しだけ、遥斗くんの特別な存在になれる気がするの。



「……そっか。わかるよ。傷つくこと、言われる、よね」


「……うん。お仕事でお客さんに色々言われると、つらくってさ。メイクのこととか、髪型のこととか……」


「そっかそっか」



遥斗くんは私のことをじっと見つめる。赤の髪は右に流されていて、シュッとした小顔に、切れ長の、青みがかった大きな瞳。かっこいい系? 王子様系、ってやつかな。とってもタイプかもしれない。



「……やっぱり、りさちゃんは今のままが1番素敵だと思うよ」


「……ほんと? 信じていいの?」


「本当だよ。その黒髪のロングヘアも、涙袋のキラキラも、全てが素敵」


「そっ……か。遥斗くん、私、遥斗くんのこと……」


遥斗くんは首をこてんとかしげる。



「……やっぱ、何でもない」



遥斗くんはフフッと笑って、私の頭を少しだけ撫でた。



「そっかそっか。また、言いたくなったらでいいよ。今日もたくさん頑張ったんだね」



「……うん」



「りさちゃん、少しだけお願いがあってさ……」



「なに? 私にできることならなんでも聞くよ!」



「あのね、俺、今月……ううん、やっぱいいや! ごめんね、何でもない」



そんな泣きそうな遥斗くんの顔を見ると、やっぱり、遥斗くんのために頑張ってあげようって、思えてくるから。


「遥斗くん、一緒にこのシャンパンで乾杯しよ?」



「……いいの?」



遥斗くんのキラキラした目が見れたから、私はとっても幸せで。

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